以前、オンライン研修をネタにしたが根本的な問題に触れていなかった。それは「なぜわざわざ音声で聞かせるのか」という疑問だ。

 

図 Bing Image Creatorに「音声配信」と入れた結果

 

 

人がその場で話しているのなら、原稿を準備するのが面倒という話す側の都合があるのかもしれない。(それだけの理由で話を聞くことを強制された側としては迷惑極まりないが)

合成音声にしゃべらせているということは完全な原稿があるはずで、原稿を画面に表示してくれればそれを読む方が圧倒的に早く情報を入手できる。

 

研修の場合は原稿を表示するだけだと、読まずに飛ばすから音声を聞かせていると推測できる。

(読み飛ばしているのは内容がくだらないのが原因だから、同じ内容を音声にしたところで真面目に聞くわけがない。垂れ流しておいて別のことをするだけだ。)

 

 

話を研修から一般的なコンテンツに移す。

最近は興味を持った内容でも音声(Youtubeで映像部分にほとんど情報がないケース※1も含む)しかないケースが多く、うんざりしている。最大の理由は時間を食うからである。どうしても聞かないといけないときは1.5倍速くらいで聞くのだが、それでも文字を読むのと比べると圧倒的に遅い※2。我慢して付き合っているのに、同じ事を繰り返して話されたりすると発狂しそうになる。遅いこと以外にも
 

・不要な部分を飛ばすことが困難(見出し※3にあたるものがない。1段落飛ばす と言ったことができないので、適当に10秒飛ばすなどとするしかない。流し読みに相当することができない)
・同音異義語が区別できない
・理解できなかったときに戻る気にならない(戻すのが面倒な上に輪をかけて時間を食う)
(PC上の文字コンテンツと比較すると)

・内容をコピペできない
・検索できない


などのデメリットがある。一方でメリットは「目を拘束しない」くらいしかない。エンターテイメントとして流し聞きするならメリットだが、何かの情報を得る手段として音声が文字よりも合理的だとは思えない。それでも音声がこれだけ流行っているということは、文字を読むのが苦痛という人の方が多数派なのだろうか。

※1 動画であっても、話している人の顔が映っているだけだったりして、映像部分にほとんど情報がないケースも多い。

※2 小学生の時から音読が嫌いだった。なぜわざわざ声に出さないといけないのか意味が分からなかった。声に出すことでスピードが大幅に低下することは明らかだ。

 

※3 強いて言えばチャプターが相当するが、本の流し読みにはほど遠い。チャプターなどないコンテンツも多い。