苦情が来たのかどうかは分からないのだが、同じような研修の音声がおじさんのボソボソ声から合成音声に変わった※1。どっちもどっちなのだが、強いて選べと言われたら合成音声の方がましだろうか※2。読み上げる人間を用意するより、機械に与える厳密な原稿を用意する手間の方が少ないのだろうか※3。

 

人間の生声とアドリブで強弱をつけて伝えたいことを伝えるというのが人前で何かを教えるという行為の醍醐味だと思うのだが、わざわざ原稿を用意して合成音声にやらせるような人に、そんなモチベーションなどひとかけらも存在しないことは明らかだ。前にも書いているが、研修担当者も研修をやりたいと思ってやっているわけではなく、やらないといけないからやっているだけなのだろう。

 

主催側に伝える気がない&動画視聴の研修と言う時点でどちみち真剣に聞く気にはならないので、声が合成音声になったことによるデメリットはない。合成音声に「やる気のなさ」は感じられないので、やる気のないおじさんの声よりはましだ※4。

 

これも毎回のことだが、研修動画は垂れ流しにしておいて、最後の質問(動画を聞いてなくても常識で回答可能)だけ答えて終了。当然ながら何も身についていない。研修担当者、受講者全員にとって時間の無駄としか思えないのだが、コンプライアンスやら何やらでこの手の研修はどんどん増えているように思う。何とかならないのだろうか。

 

 

※1 間の取り方が明らかにおかしい部分があるので、合成だと判断するのは容易。

※2 おじさんの声は気が滅入るのだが、合成音声には気が滅入る要素はない。

※3 おじさん用に一言一句書いた原稿がもともとあったのかもしれない。

※4 合成音声に読ませているという事実にはやる気のなさを感じるが、やる気のある人間に変えない限りは同じことだ。