こんな所にも 少子化の波が・・・・


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「不当に地代高い」京都外大、京都市を提訴 市は応じず
01.14 09:05
朝日新聞デジタル
 京都外国語大(京都市右京区)が、キャンパス用地の一部を借りている市を相手取り、地代の減額を求める訴えを京都地裁に起こしている。近隣の別の大学が市に払っている賃料より不当に高いと主張するが、市が減額に応じない構えで、和解のめどは立っていない。

京都外大と市バス車庫の共同利用の状況
 京都外大は、JR京都駅の北西約4キロに立地する。訴状や準備書面などによると、市は1987年、外大の西隣にある市バス梅津車庫の一部(約9380平方メートル)に区分地上権を設定した。外大は、その権利を月額約1041万円で借りる契約を結び、うち約5100平方メートルに約4億7千万円かけて人工地盤を造成。その上に5階建ての研究棟や2階建ての集会所を建てて利用している。

 地代は3年ごとに改定され、現在は2012年に合意した月額約818万円。外大は15年、不動産鑑定士の評価を元に617万円に減額するよう求めたが、市は「地代に反映すべき経済変動はない」と応じなかった。外大は簡裁に調停を申し立てたが不成立となったため、昨年2月に減額を求めて地裁に提訴した。

京都市交通局のバス車庫の上に立つ京都外国語大の研究棟=京都市右京区、小林正典撮影
 外大が減額を求めたのは、北に500メートルほど離れた市有地を京都学園大が13年に借りたのがきっかけだ。学園大は約3万2500平方メートルの土地を定期賃借で年約1億6200万円で借りる契約を結んだ。

 外大側が依頼した不動産鑑定士の試算では、外大が払う実質地代は1坪あたり月3185円で、学園大は同1190円。これを根拠に、外大は「立地条件が類似しているのに不公平だ」と主張している。

 一方、市は「外大の区分地上権設定契約と学園大の定期賃貸借契約とは大きく違う。単純に比較できない」などと反論。「大学には契約離脱の自由がある」として、外大が不服なら契約解除も検討すべきだとしている。

■少子化に悩む大学、黒字で潤う市バス

 1980年代後半、京都の各大学は第2次ベビーブーム世代の入学に伴う学生数の増加に備え、郊外にキャンパスを相次いで設けた。86年に同志社大(上京区)が京都府田辺町(現・京田辺市)に、89年には龍谷大(伏見区)が大津市に進出した。京都外大も学生増に対応するため、手狭になったキャンパスの移転を検討していた。

 大学の流出を止めたい京都市は、外大と隣接する梅津車庫の活用法について協議を始める。移転先が見つかっていなかった外大と、バス事業で多額の赤字を抱えていた市の利害が一致し、車庫の上にキャンパスを広げる計画が浮上。外大は移転せずに校地を広げられ、市は地代収入が得られるとして、合意に至った。

 外大は当時の契約について「大学運営を円滑に続けるには市の協力が不可欠と考えた。市を救済する意味で、実際の評価額より高額な地代を受け入れた」と主張する。しかし近年は大学と市の状況が逆転した。

 河合塾によると、外大の推薦入試などを除く志願者数は、04年度入試は4582人いたが、16年度は2341人に減少。少子化が進んで学生の確保が難しくなり、大学の財政は悪化しつつあるという。外大は、高額な地代がさらに「財政を圧迫している」と訴える。

 一方、市バスは経費削減と観光客の増加などで10年以上も黒字が続き、13年度には累積赤字が解消した。

 市は裁判で「財政再建中の市を救済してもらうための契約、という認識ではなかった」と主張。市の担当者は「お互いに利益があったから契約したはず。経営状況の悪化は大学の個別の事情だ」と語る。(小林正典)

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 〈京都外国語大〉 1947年創立の京都外国語学校が前身。外国語学部のみで、英米語、スペイン語、ドイツ語、ブラジルポルトガル語など9学科がある。昨年5月1日現在の学部在学生数は4246人。