９党首討論から見えてきた日本の課題〜「新しい資本主義」ではなく「新しい社会主義」が必要な時代

日本社会の大きな転換点。
今、必要なのは「新しい資本主義」ではなく
「新しい社会主義」なのではないか。

衆議院選挙が10月31日に行われることになり
なんとテレビ番組「報道ステーション」で
９党首の「生討論」が行われた。
主要政党だけでなく
れいわや社民や旧N国党まで出ている。

与党がいいか野党がいいかはさておき
どの政党がいいかはさておき
ほとんど言っていることは同じ。
下記は番組の党首討論を聞いた上での
あくまで私の解釈。

日本は長い間、まるで成長ができなかった。
にもかかわらず大企業優遇、富裕層優遇で
格差を広げてしまった。
だから税負担のあり方と分配のあり方を
抜本的に見直さなければならない。

自民党も公明党も口では
そのようなことを言っているように
聞こえるのだが
長らく政権与党だったのに
結果としてはまるでやってこなかった。
もちろん時代が変わり、コロナで変わり
自民公明もこれから見直します
みたいなことなんだと思うけど
残念ながらコロナ禍の緊急事態にあっても
分配をけちり、助けるべき人を助けてこなかった。

野党はどの野党も言っていることはほぼ同じだ。
国民民主や維新ややや「成長」よりだが
立憲民主も共産も社民もれいわも
いってみれば「新しい社会主義」ともいうべき
手厚い社会保障と富の偏在の是正を訴えている。

これまで自民公明政権は
大企業や富裕層を優遇するため
弱者を生み出し、弱者を切り捨て
挙げ句の果ては弱者に税負担させる政策を
一貫して行ってきた。
しかも成長ができず、借金は増え、
一部の人が儲かる仕組みを作り上げてきた。

そうしたことがコロナで
より鮮明になってしまった。
コロナはきっかけにすぎなかっただけで
日本は人口減少という構造的な大問題を抱えていて
大きく社会のあり方を転換しなければならない。

それはほとんどの野党が言っていることで
「弱いもの」を公助で徹底して支えることだ。

弱いものといっても
別に障害者や高齢者や子供といった話ではない。
今まで高所得者であっても
低所得者になってしまうかもしれない。
安定した大企業の会社員が
仕事を失い、住宅ローンを抱え
「弱者」に転落してしまうかもしれない。

特定の「弱者」ではなく
国民すべては時が変われば
経済的弱者になる可能性があり
そうなったときに安心安全を
国がきちんと担保する社会に
しなければならないということだ。

つまり「新しい資本主義」ではなく
「新しい社会主義」。

人口減少はマイナスかもしれないけれど
人口が減少するなら
日本人だけなら全国民に住居を
「無償」で分け合えることは可能なはずだ。

家賃がかからなければ
ローンがなければ
仮に仕事を失っても
どうにかしていける。
一番、負担の大きい家賃やローンがなくなれば
安心して再チャレンジができる。
たとえばシングルになったとしても
たとえば職を失ったとしても
たとえば収入が減ったとしても
家を「無償提供」すれば
国民は安心して暮らすことができるはず。

単にコロナだからもう1回
10万円配りましょうといった
あまりにも情けない話ではない。
弱肉強食社会の問題や
格差社会の弊害をなくすために
根本的に国が国民の生活を支える
政策に転換しなければならないのではないか。

でもそこまで具体的に踏み込んでいるのは
多分れいわ新選組しかない。
立憲民主も社民も共産も同種のことを
言っているけど
具体性実現性に欠ける感が否めない。
とはいえれいわは政党としては
あまりに信頼がなさすぎる。
でも討論を見る限り
立憲民主も共産も社民も同じようなことを
言っているなら
野党がひとまとめになって
「新しい資本主義」から
「新しい社会主義」に転換した政策を
徹底的に打ち出せばよいのだ。

そしたら人口減少でも
経済環境が激減しても
突然「被災者」や何かの「被害者」になっても
生活の安心安全を国がバックアップしてくれれば
再起もできるし
心配せずに暮らしていくことができるはず。

海外はさておき、日本の様々な特殊性を考えるに
今こそ「新しい社会主義」的政策が
必要なんじゃないか。
ベーシックインカムという話は
出てこなかったけど
金を配ると様々な問題や限界があるから
家とか食料とか「物」を配ればいい。

現状の政党では大きく社会は転換はできず
そもそも官僚さんが牛耳っている社会に
大きな問題があるんだと思うけれど
次の衆議院選挙は極めて大事で
たしかにコロナ禍でれいわ以外
野党が言っていることはまったく
デタラメすぎるものも多かったけれど
大枠の社会の方向性として
なんだかんだいって
大企業や富裕層を優遇する自民公明ではなく
格差を是正し「弱者」をバックアップする
野党にそれなりの票を投じて
与党と野党が拮抗するぐらいにならないと
ごく限られた国民しか得をしない社会に
なってしまうのではないだろうか。

これから必要なのは
「新しい社会主義」なのだと思う。

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