生きてるだけで、愛。(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

生きてるだけで、愛。(ネタバレ)

生きてるだけで、愛。



2018/日本 上映時間109分
監督・脚本:関根光才
原作:本谷有希子
製作:甲斐真樹、松井智、藤本款、板東浩二、新井重人、森原俊朗、前信介、上田豊、水戸部晃
プロデューサー:甲斐真樹
アソシエイトプロデューサー:佐藤公美、金井隆治
協力プロデューサー:高口聖世巨、白川直人
撮影:重森豊太郎
照明:中須岳士
録音:山本タカアキ
美術:井上心平
衣装:立花文乃
ヘアメイク:田中マリ子
編集:田巻源太
音楽:世武裕子
助監督:久保朝洋
制作担当:中村哲也
スチール:久保田智
出演:趣里、菅田将暉、田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙、仲里依紗
パンフレット:★★★☆(820円/コンパクトながらシンプルなデザインが素敵。コラムや原作者の寄稿も素晴らしい)
(あらすじ)
過眠症で引きこもり気味、現在無職の寧子(趣里)は、ゴシップ雑誌の編集者である恋人・津奈木(菅田将暉)の部屋で同棲生活を送っている。自分でうまく感情をコントロールできない自分に嫌気がさしていた寧子は、どうすることもできずに津奈木に当たり散らしていた。ある日突然、寧子の目の前に津奈木の元恋人・安堂(仲里依紗)が現れる。津奈木とヨリを戻したい安堂は、寧子を自立させて津奈木の部屋から追い出すため、寧子に無理矢理カフェバーのアルバイトを決めてしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




85点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。

ああん、現時点で242本の新作映画を観ていて、本当ならすべて年内に感想をアップする予定だったものの、今からあと15本もの感想を書くのはどう考えても不可能でしてね。僕が考えたプランは”計画”と言う名の“願望”だったのかもしれないな…(どこかしらダンディなムードで)。とは言え、なるべくベストは尽くしたいので、ごめんなさい、スーパーサラッと気味に感想を書き残しておきますよ。あの本谷有希子先生原作でこのタイトルというだけで面倒くさそうなオーラがビンビン伝わってくるので、まったく観る気はなかったんですけれども。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の11月16日の放送にて、課題映画にはならなかったものの、「リスナーカプセル」に選ばれましてね。今年はリスナーカプセルに選ばれた作品も観に行っているということで、12月27日(木)、新宿武蔵野館にて、クーポン割引を駆使して鑑賞してきました。「痛いほど実感る… (ノω・、)」と思ったり。


スクリーン2、1/4ぐらいは埋まってたような。


僕の気持ちを代弁する「範馬刃牙」のひとコマを貼っておきますね。
痛いほど実感る...


とりあえず若干のウソを交えながら物語をザッと書いておきますよ。映画は「停電になると母親が踊っていた…全裸で」という寧子(趣里)の回想シーンから始まりましてね。鬱による過眠症で引きこもり気味かつ無職の寧子は、ゴシップ雑誌の編集者である恋人・津奈木(菅田将暉)の部屋で同棲生活を送っている。自分でうまく感情をコントロールできない自分に嫌気がさしていた寧子は、どうすることもできずに津奈木に当たり散らしていた。ある日突然、寧子の目の前に津奈木の元恋人・安堂(仲里依紗)が現れる。津奈木とヨリを戻したい安堂は、寧子を自立させて津奈木の部屋から追い出すため、寧子に無理矢理カフェバーのアルバイトを決めてしまう…って、ここまでほぼ映画.comのKO-PI-PE!m9`Д´) ビシッ 一応、オチを書いておくと、カフェの“親切な人たち”の“好意”に耐えきれなくなった寧子は、店のトイレを破壊して逃亡→全裸に! マンションの屋上で、ゴシップ誌に嫌気がさして退職した津奈木と対話してわかり合うと、部屋に戻って津奈木の前で踊るのでした…全裸で。ちくしょう、本作で描かれる寧子は、津奈木への態度がマジで非道くてムカつくんですけど(趣里さんが熱演!)、リアルな話を書くと、僕も昨年からずっと仕事をしようとデスクに向かうだけで吐き気がしたり、働くのが辛くて夜中に泣きながらキーボードを叩いていたりしたのでね(苦笑)、寧子のことはまったく他人事に思えなくて。客席でスゲー感情移入しながら観てましたよ…全裸で(これはウソ)。


この話し合う直前、右の人は全裸だったのです。



その他、ことごとく上手くいかなくてハンバーグ作りに挫折して泣く場面は僕も泣いたし、カフェバー店長たちとの「優しいけど1ミリもわかり合えない人たち」の描き方が絶妙で(店長役が田中哲司さんで、奥さん役が西田尚美さん)、良い感じに居心地が悪かったし、津奈木のストーカー安堂を演じた仲里依紗さんは「目をつむらない電波演技」が恐ろしかった上に、屋上で津奈木にスルーされたあとの表情は100点だと思ったし…。“自分の母親が踊ったように”寧子が津奈木の前で踊るラストはあまり好きじゃないんですけど、とても心に残る映画でした。本作を16ミリで撮った関根光才監督は、これが初の長編劇場映画だそうで、非常に才能がある方ではないでしょうか。とにかく評判が良くて、まだあちこちで上映されているのでね、興味がある人は観ておくと良いんじゃないかしらん。




本谷有希子先生による原作小説でございます。



鬱繋がりで思い出した映画。好きです。