ホストクラブ、暴力団にみかじめ料 歌舞伎町200店 | 実録! 歌舞伎町 NEWS 歌舞伎町アーカイブ

実録! 歌舞伎町 NEWS 歌舞伎町アーカイブ

歌舞伎町 アジア最大の歓楽街でのニュースを歌舞伎町の片隅からレポート 歌舞伎町で起きた事件を20年アーカイブ

ホストの移籍トラブルで摘発を受けた東京・歌舞伎町のホストクラブが、住吉会系暴力団に毎月5万円のみかじめ料を支払っていたことが、警視庁の調べでわかった。同庁によると、歌舞伎町にある約200のホストクラブの大半がトラブル解決のためにこうした金銭を払っているという。同庁は、風俗店などが警察の摘発を受ける中で、暴力団が新たな資金源として急成長するホストクラブに注目し始めたとみて実態解明に乗り出す。

 組織犯罪対策特別捜査隊の調べでは、このホストクラブは、新宿区歌舞伎町2丁目の「Sea」。同店をめぐっては、店長(27)とホストが住吉会系暴力団員らと共謀し、無断で店を移籍したホスト(22)を監禁し、現金約30万円などを脅し取ったなどとして、今年7月、監禁と恐喝の疑いで逮捕された。

 5万円のみかじめ料を払う見返りとして、Seaは、同業者との客の奪い合いやホストの引き抜きなどに関するトラブル解決を依頼していたという。

 同庁生活安全部によると、歌舞伎町のホストクラブは、05年当初で120店ほどだったのが、今では約200店に急増している。テレビドラマや映画のテーマでホストが取り上げられ、人気が高まっていることが影響しているという。

 暴力団にとって、みかじめ料は重要な資金源の一つ。特に国内屈指の歓楽街の新宿・歌舞伎町では、売り上げのいい風俗店で月に20万円、一晩で億単位の金が飛び交うカジノ店では月に50万円程度が相場だといい、この利権をめぐって暴力団が抗争を繰り返してきた。

 04年春から警視庁は、盛り場対策として歌舞伎町をはじめ、池袋、六本木の3地区(現在は渋谷も含め4地区)で集中取り締まりを開始。歌舞伎町だけで、04年4月~今年6月末に、違法な個室マッサージ店約130店、わいせつビデオ店約230店、カジノ店約40店を摘発した。これで打撃を受けた暴力団の目が人気のホストクラブに向かったとみられる。

 登録ホストの数が20~30人のSeaの場合のみかじめ料は月5万円だが、100人ものホストを抱え月々の売り上げが1億円という店もあり、高額な料金を搾取されている疑いがあるという。

 徴収方法は巧妙だ。暴力団関係者が所有する不動産物件に、通常よりも高い家賃で入居させ、差額がみかじめ料となるなどのケースがある。

 歌舞伎町では、地域で縄張りを主張せず、最初にみかじめ料を要求した暴力団が、その店を仕切るという独特の「ルール」がある。こうした事情も警察にとっては、どの店とどの暴力団が結びついているかを見えにくくしているという。 ソース