【レビュー】QLC(4bit-MLC)のSSDは本当に遅いのか試してみた【比較】 | USBメモリー収集家のブログ

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急速に大容量化と低価格化が進んでいるSSDですが、その分逆にTLC(3bit-MLC)からQLC(4bit-MLC)へ更に耐久性が低くもなってきました。特にキャッシュ切れ後の書込性能はHDD並に落ちるという結果もありますビックリマーク
ですが、以前SMR(瓦記録)のHDDを試した時、通常の使い方なら噂になる様なキャッシュ切れは起こらなかったので「QLCのSSDも普段使いなら問題無いのでは?」と思い、QLCのSSDであるSamsung SSD  860QVOで検証しました。

 

まずは、PCスペックとSSDの詳細&ベンチマークをメモ


【PC】
OS:Windows10 Home 64bit
CPU:Intel Core i7-8400@定格
MEM:DDR3-2400 8GBx2
M/B:ASRock Z370M Pro4
GPU:玄人志向 GeForce GTX 2060
SSD:intel DC-S3700 100GB
 

【Samsung 860QVO】
型番:MZ-76Q1T0
容量:1TB
1次キャッシュ:1GB LPDDR4(DRAMキャッシュ)
2次キャッシュ:動的SLC-NAND 8GB~42GB(空き容量で変化)
TBW:360TBW
フォーマット形式:NTFS 4KB



【テストコピー用ファイル】
テスト1:4層BD-Rデータを想定した約128GB、1個のファイル

テスト2:1層BD-Rデータを想定した約25GB、1個のファイル

テスト3:動画データを想定した約25MB~150MB、104個のファイル(合計7.34GB)
 
テスト4:画像データを想定した約500KB~1.5MB、988個のファイル(合計539MB)

テスト5:極小データを想定した約1KB~4KB、20,725個のファイル(合計26.2MB)

 

今回も、あくまで「普段の使用状況」を想定しているので、他のレビューサイトやPC雑誌でやる様な特別なベンチマークはしません。
コピー方法は、そのままエクスプローラーでコピー&ペーストと、上書きコピーの2回。ただし、テスト5以外は同じ結果だったのでブログ容量の関係でテスト1~4の上書き結果は省略。テスト結果の画像は、データファイルの詳細が左のプロパティで、右はそのデータをSamsung 860QVOへコピーした時のグラフです。

 

【テスト1の結果】


QLC(4bit-MLC)のSSDはHD Tune Proというベンチマークソフトで書込テスト時、2次キャッシュのSLC-NANDを使い切るとキャッシュ切れを起こしてデータがキャッシュから溢れる為に途中から極端に速度が落ちるとの結果が出たそうです。

なので、テスト1は2次キャッシュの約3倍の128GBの倍の容量でコピーを行いました…すると、噂どおり、42GBコピーし終えた35%付近から急激に速度低下が起こりました!!
「これだけ速度低下が発生すると、もしかしたらDRAMキャッシュ無しの格安TLC SSDの方が速いのでは?」と思い、DRAMキャッシュ無しの3D-TLCであるADATA SU650 960GB(SLCキャッシュ有り)で同じコピーをしてみましがもっと酷い結果(↓)になりましたドクロ

 

【テスト2の結果】


テスト2は2次キャッシュ内に収まる大容量データを用意。元々1GBもの1次キャッシュもあるので全く速度低下もなく、普通にコピー出来ましたひらめき電球

 

【テスト3の結果】


テスト3はYoutube等にアップする様な動画や、スマホで撮った動画を保存する時のコピーってイメージです。こちらも2次キャッシュ内に収まっているのでテスト2同様に高速コピー出来ましたひらめき電球

 

【テスト4の結果】


テスト4はデジカメやスマホで撮影した画像等を保存する時のコピーってイメージです。

言葉どおり瞬間的に終わるのでエクスプローラーが残り時間を計算する間もなく完了。1GBの1次キャッシュ内に収まるようなサイズのコピーはキャッシュが絶大な効果を発揮するようですアップ

 

【テスト5の結果】


テスト5はHDDでは一番苦手とされる極小ファイル群のコピーテストです。ファイル数が多すぎてテスト4の様にはいきませんが、上書き時でもコピー速度が以前検証したHDDの約2倍高速なので流石ランダム書込に強いSSDだなという印象ですひらめき電球

 

【まとめ】

検証の結果、「QLC(4bit-MLC)のSSDは普段の使用状況でもキャッシュ溢れを起こす」という事が判明しましたダウン
正直、この結果はSMR(瓦記録)のHDD時と違って逆に驚きました。やはり、超高速SSDであってもQLC(4bit-MLC)になると、かなり書き込みがシビアで厳しい状況なんだなと。QLCのSSDに限ってはPC雑誌等のレビューを信じても良いという事ですねかたつむり
しかし、QLCのSSDが遅いと言っても、それはキャッシュから溢れる大容量ファイルコピー時だけの話なので、読込の方が多いゲームデータ用だったり一時データ置き場だったりには充分だと思います(自分もその用途目的で買いました)。
また、小容量ファイルコピーはTLCのSSD(DRAMキャッシュ有り)と同様に速いので、もしかしたらOS用のCドライブにも使えるかもと感じました…ま、だからと言って、今はTLCのSSDも安いのでわざわざQLCのSSDを選ぶ必要はありませんがあせる

 

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