2回にわたってお届けする後半です。

本記事は『くまさん』シリーズの作者であるイギリスの絵本作家フィービ・ウォージントンの経歴などを紹介します。

前の記事では絵本『くまさん』シリーズの紹介をしました。

ウォージントン作『くまさん』シリーズ

 

まず、なぜわざわざフィービ・ウォージントンさんのことを記事にしようと思ったのか?

答え:ウォージントンさんの情報が全然ないからです

 

日本はおろかUKのWikipediaにもありません。

絵本の奥付に著者の紹介...ありません。

電子の海をさまよったところ、このブログのように『くまさん』シリーズに言及している個人のブログがありましたが、作者の情報についてはやや断片的でした。

そのブログから、作家の金井美恵子さんが書いたエッセイにウォージントンの経歴が書かれてあることが分かりました。

 

『ページをめくる指 絵本の世界の魅力』

金井美恵子

平凡社

 

 

2012年に出版された本ですが、収録されている該当エッセイは96-97年頃に雑誌『母の友』に掲載されたものです。

金井さんも『くまさん』シリーズが気に入り、作者のフィービ・ウォージントンについて調べたそうです。

しかし得られた情報は”児童文学著作者事典”に英文で掲載された23行の英文のみだったそうです。

金井さんのエッセイ『「くまさん」のくらしぶり』『ひそやかな幼年の世界』に書かれていた略歴と、日英の国立国会図書館検索、ukアマゾンの検索結果をもとに年表と著作一覧をまとめました。

↓↓

 

絵本のくまさんのような、勤勉で、つつましやかな生活をされていたのかなぁなどと想像してしまいます。

ウォージントンきょうだいの故郷ウィガンのことを調べてみると、石炭産業が盛んだった地域で、くまさんの職業が”せきたんや”だったことにも納得です。

 

金井さんのエッセイによると、『せきたんやのくまさん』は兄弟のセルビの息子が持っていたテディベアから生まれた物語だそうです。

また、フィービが絵、セルビとジョーンが文章を担当していた模様。

没年については触れられていなかったので不明です。

(金井さんがお調べになった事典が書かれた当時、ご存命だったのか没年が不明なのか、エッセイで触れていないだけなのか、不明です。)

英文で書かれた”児童文学著作者事典”を自ら調べられれば良いのですが、なかなか自由が利かず...。

調べた時にはまた補足したいと思います。

調べました

 

 

 

~~~

ここからは私の妄想をもとに調べたことを書きます。

くまさんシリーズに出てくる街並みは、ウォージントンが暮らしていた土地の景色を反映しているはず。

実際に存在している場所をスケッチしているのでは??

 

絵本の中で場所を特定できるような絵はないか探しました。

これなんてどうかな?

3作目『ゆうびんやのくまさん』の表紙です。

リスが座っている看板に<ROBIN LANE>と書いてあるのです。

 

イギリスと言えば、ありとあらゆる通りに名前がついていることで有名です。

<ROBIN LANE>コマドリの小道 を探してみよう!

場所を特定できるかも!!!

 

 

ROBIN LANEはわりとありふれた名前で、イギリス国内にたくさんありました。

 

めげずにウォージントンの出身地と勤め先のリヴァプール付近で検索してみることに。

すると、ヴィガンから10km程のパーボールドというところで、<ROBIN LANE>を見つけました。

こんな風景です。 byGoogleMap

 

それっぽくないですか??

 

だからなんだと言われれば、私の自己満足です。

前提となる情報が少ないので、こんな妄想をしてみました。

 

 

セルビ・ウォージントンさんの詳しい情報を提供できたかな。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

もう一回、全編の作品紹介記事のリンクを貼っておきます。

ウォージントン作『くまさん』シリーズ