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とうにアップされているのに遅れてしまいスマン!

 

5月6日、東京・日本武道館で開催された6団体参加による

『ALL TOGETHER~日本プロレス連盟発足記念・

能登半島復興支援チャリティ大会~』の総括を寄稿している。

 

今大会は、新日本プロレス、ノア、大日本プロレス、DDT、

ドラゴンゲート、スターダムと6団体によるオールスター戦ながら、

観客数は4583人とすこしばかり寂しい数字となっている。

 

ここ数年、日本マット界の主要団体は友好関係を築いてきた。

その流れから交流戦や対抗戦が頻繁に行なわれている。

それもあって、夢のカードと呼ばれるような試合じたいが減ってきた。

 

あえて、分析するならそれが原因となるのだろう。

 

裏を返せば、当日集結した観客は特定の団体だけを応援するファンではなく、

プロレスそのものが大好きな人たちともいえるのではないか?

 

だからこそ、第1試合からお祭りムードが出来上がっていた。

全8試合、どの試合でも客席が沸き返っていたのだ。

こんな空気感を作ってくれたのだから、選手たちも昂った。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

とくに私が注目していたのは、第4試合のタッグマッチだった。

石井智宏&関本大介vsジェフ・コブ&マサ北宮。

もう発表された時点で裏メインイベントとまで称されている。

 

石井と関本は、石井がリキプロに所属していた時代のライバル。

肉体言語の真っ向勝負で、つねにファンを大ヒートさせてきた。

ぶつかり合う一方で、遺恨はないから二度タッグを結成したこともある。

 

同時期に、ZERO1の田中将斗も2人の闘いに参入してきたから堪らない。

石井vs関本、田中vs石井、田中vs関本という絡みは

当時のインディーシーンを代表する名勝負数え唄と化した。

 

ちなみに数年前、サムライTVの某番組で田中と共演したとき、

名勝負製造機たる彼がキッパリとこう言いきった。

 

「自分のキャリアのなかでイチバン手応えを感じた相手は、

石井智宏と関本大介の2人ですね!」

 

案の定、石井と関本はひさしぶりに組んでも息ぴったり。

また、石井の対角線上には因縁のマサ北宮が仁王立ちしていた。

 

記憶に新しいところでは、今年のノア1・2有明アリーナ大会で一騎打ち。

メインには丸藤正道vs飯伏幸太のゴールデンカードが組まれ、

セミにはGHCヘビー級選手権(拳王vs征矢学)もラインナップされていた。

 

ところが、第3試合で行なわれた石井vs北宮がそれらを食ってしまった。

長州力を師匠に持つ石井、その長州の師匠であるマサ斎藤に師事してきた北宮。

似た者同士によるタイマン勝負があまりに凄まじかったのだ。

 

そこに、パワーでは関本に匹敵するコブが参入。

これが、おもしろくならないわけがない。

お祭りムードを吹っ飛ばして4選手がぶつかり合う。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

骨が軋んだ、肉が弾けた。

 

コブが、石井と関本をまとめてバックドロップで投げつける。

北宮をジャーマンスープッレクスの体勢に捉えた石井を、

関本が2人まとめてジャーマンスープッレクスの眉山を披露。

 

武道館は、大・大・大爆発。

 

裏メインの期待に違わぬ……いや期待以上のド迫力。

文句なく、当日のベストマッチであった。

 

拳王vs藤田晃生もよかった。

ジュニア10人タッグマッチも素晴らしい。

 

それらを受けて、セミでもお祭りムードなしの6人タッグが組まれた。

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(内藤哲也&鷹木信悟&辻陽太)vs

BC WAR DOGS(デビッド・フィンレー&ゲイブ・キッド&ジェイク・リー)。

 

チームプレイでは、ロスインゴが上だろうと思いきや、

なんとWAR DOGSがリーダーの内藤をピンフォールしてのけた。

 

ゲイブが高速ドリルアホール・パイルドライバー、

フィンレーがコーナーパッドめがけて投げっ放しパワーボム、

それを受けてジェイクが必殺のFBSを突き刺して3カウント奪取。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

このインパクトは絶大。

ノアの哲学者と称される(※私だけがそう言っているのだけど…)

ジェイクが感情を剥きだして内藤との一騎打ちをアピール。

これは確実にネクストステージへとつながるだろう。

 

メインイベントは、日本マット界の未来を象徴するカード編成。

海野翔太&清宮海斗&上野勇希のベビーフェイストリオに対するは、

上村優也&KONOSUKE TAKESHITA&シュン・スカイウォーカー。

 

清宮はGHCヘビー級王者、上野はKO‐D無差別級王者。

その2人と組んだ海野は無冠でシングル戴冠歴なし。

 

トリオを組んでいながら、海野は仲間とも闘っているように見えた。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

一方の混成トリオのほうでも、他の5人と闘っているように映った男がいる。

AEWではヒールとして暴れまわっているTAKESHITAだ。

 

この1~2年で分厚い肉体を作り上げたTAKESHITAのパワーが他を圧倒する。

相手3選手を次々と重いエルボーでなぎ倒す規格外ぶりを発揮。

TAKESHITAが1発1発をぶちこむたびに館内はどよめきに包まれる。

 

選ばれし6選手たちの技は的確で、

メインイベンターに相応しいパフォーマンスを披露してくれた。

 

最後に締めたのは清宮。

変型シャイニングウィザードをズバリと決めて、

上村から3カウントを奪った。

 

上野の握手を拒絶して悔し気に退場する上村。

彼の未来もこれからだし、この負けん気がいい。

 

             ■写真提供/新日本プロレス

 

エンディングでは一部を除く参戦選手がリングに集結し、

清宮がマイクパフォ―マンスで締めくくった。

 

……と思いきや、なんとWAR DOGSが乱入し、清宮をKO。

MAD MANことゲイブがGHCヘビーのベルトを強奪していった。

 

ハッピーエンドでは終わらなかったオールトゥギャザー。

ただ、この後味の悪さがまたネクストへとつながればおもしろい。

 

というわけで、大変おそくなり恐縮ではありますが、

こちらのほうを読んで改めて武道館の空気を味わってみてくださいね。

 

「『骨が軋み、肉が弾ける』期待以上の闘いを見せつけた“裏メインイベント”、

石井&関本vsコブ&北宮!」『ALL TOGETHER』5.6日本武道館を大総括!

【“GK”金沢克彦の新日本プロレス通信】