①3月23日 エクストロメ(クロスノエシス、RAYほか)

仕事をギリギリまでしたかったので、3組目のRAYに間に合うように行った。

RAYは音源が好きで結構期待していただけに、あまりにも音が劣悪でびっくりした。そして歌が…シューゲイザーだから歌唱力とか関係ないとはいえ、ちょっと聴いていてつらくなる位下手だなと思った。こういうありがちなメンツを集めたイベントは久しぶりだったけど、みんなこういうものを観てどれがいいだの強いだの言ってたんだっけ、と大げさな言い方だけどちょっと愕然とした。あと手拍子がいちいちドンくさい感じでダサくてげんなり。後半になるにつれて調整ができたのか俺の耳が慣れたのか段々いい感じになってきて、最後の新曲は普通に良かった。しかし最初の悪いインパクトが強すぎた…

そんなわけで不安だったけどクロスノエシスは音が良かった。ここで元を取らないと思っていたけど元は取れた。

 

②3月28日 リンワン主催のnestのやつ

雨が降っているから当日券が出たものの、雨が降っているので外に出たくない…と思っていたら止んだのでNELNに間に合うように行った。入ろうとしたら入口のところでリンワンの運営が「ギュウ農フェスのRTをしなさ過ぎて指摘されちゃってヤバいんですよね、まあうちはエクストロメとLeadiとずぶずぶなんで」とかなんとか談笑していて邪魔だった(箱のスタッフに邪魔になってると指摘されてもなかなかどかねえし)。元々リンワンは好きじゃなかったので、イメージ通りのズレてそうな人でよかったとは思った。

初めてNELNを観たけど、まあ音源に比べたらライブは普通…あと1曲終わるごとに声出ししてるおっさんがいてその度にイラついた(※後にそのおっさんが「コロナは陰謀論だと思っている。政府の対応がいかにも怪しい。マスクは仕方ないから着けているだけ」と言っているのを見て、言動の一貫性にある意味納得はしたけど近寄らないでほしいと思った。これまでアイドル現場で声出しする人の根底には①マスクは息苦しいから嫌だ(子供かよ)、②ちょっとくらい大丈夫でしょ(幼稚)のどちらか又は合わせ技だと思っていたけど、斜め上の答えが返ってきたという思い)。

代代代は超良かった。1日前に似たようなセトリで観ているけど、自然と体が反応するようなビートで毎回汗かくくらいに動けて楽しい。今の時期は「死神」と「融解」を高確率でやってくれるので、それだけでも行く価値がある。しかも昨日やらなかった(※好きな曲だけど大満足していたのでやらなかったことすら気づかなかった)「くちうつし~」も聴けたので大満足。出雲なるさんの髪型も大変かわいかった。

 

③3月29日 エクストロメ「異色」

えんらは前に観たときの印象が悪過ぎて(しかも「●枚売れないと解散」商法もしていた)見る前から覚悟はしていたけど、想像の上を行く音のチープさと全く覇気のない動き(しかし歌だけは結構がんばっているのでやる気があるのかないのか分からない)に心が折れそうになった。最後の「妖怪ディスコ」だけはよかった。

 

2組目のなんとか百眼、好きそうな感じかもしれないと思いながらも実は検索したときに「これはちょっと違うかもな…」と不安を抱いていたんだけど、不安の方が的中した。

最初の曲はいかにもJ.A.シーザーっぽくていいかもと思ったんだけど(でも後半の2バスに爆笑した)、2曲目以降がピンと来なかった。

アングラで演劇的で寺山修司の影響を受けていて…というものは実はサブカル界では王道というか結構ありがちだという印象があって、当たりもあるけど外れも多い。こちとら約20年間そういうものを見続けてきたせいかこだわりが強いので、普通の人の数倍見る目が厳しくなってると思う。率直な感想としては、サウンドホライズンみたいでちょっと恥ずかしくてうつむいちゃう感じだった。サウンドホライズン、どうにもハリボテっぽくて苦手なんですよね。

衣装も安っぽくてダサい…傍目からはヴィジュアル系に近いと見えるだけに「一緒にしないでほしい」と拒否感を覚えた(と言うかそもそもヴィジュアル系だからみんないい、というわけではなくてヴィジュアル系も玉石混交の石かなり多めなので雑に一緒くたにしないでほしいと思っている)。

石の中の石過ぎて逆に唯一無二になっている稀有な存在・賛美歌

 

和柄な感じがね…和柄はどうやってもかっこよくならない気がする。大学のときに友人に「彼氏が顔は超かっこいいんだけどセンスがない、白い革靴とか和柄の服を着てくる。だから誕生日にはN.ハリウッドのシャツをプレゼントした」と相談(?)されていたな…和柄といってもワコマリアみたいなのはかっこいいんだけど、マルイワン的なやつは誰が着てもカッコよくならないと思う。“和楽器バンド”的な感じ(※名前と見た目しか知らない)。特にハンプティダンプティがどうこうみたいな陽気な歌が超恥ずかしくてずっと下を向いていた(そういうときに限って煽ってくるんですよね…)。精神的に削られた。

そんなわけでこの日も3組目のクロスノエシスで元を取らないといけなかったんだけど、「VENOM」も「インカ―ネイション」も聴けて元が取れた。

 

④3月31日 クロスノエシス×nuance「haru」

2組とも好きなのでかなり期待していて、入場時まではうきうきしてた。

しかし距離をとって並んでいたらそのスペースに割り込みを食らったので(しかも顔を見たらそいつに割り込みをされるのは2~3回目、大阪の「dubrise」で体温37.5度以上表示されるのに冷感スプレーでごまかして入場してた人)めちゃくちゃテンション下がった。「dubrise」でもこっちのテンションを下げてきた男なのである意味では安定感がある。ライブ中もクソ目障りなサイリウムを振ったり「sekisyo」のサビでクソダセえ柏手を入れたり「MY LAST DANCE」で手MIX入れるし、やることのセンスがいちいち壊滅的にダサい。まあ容姿からにじみ出るイケてなさにその存在の根源的な幼稚さが表れているが…そんなわけで始まる前から超テンション下がってたんだけど、ライブを見ても特に好転することはなかった。

クロスノエシスは新曲から始まって、お~やるじゃんと思ったんだけど、こっちが楽しむ体制ができていないこともあっていまいち心に響かなかった。2番では1番と違うビートが入るとか、これまでの曲でも見られた技の組み合わせを変えたような感じで、作家性はビンビンにあるけど目新しさは正直ない(振付も既視感がある)。「bitter or sweet」は超良かったのに…あとやっぱり声が埋もれがちなところが気になった。2番のAMEBAさんのパートは聴いていていい意味で引っかかった。

ここ数ヶ月、正直クロスノエシスのライブを見ても不完全燃焼なときも数回あって(2ndワンマン~リリイベ周辺が特にそうだった)、そうじゃないときとの違いは何かと考えたときに「クロスノエシスが始まるまでに自分がテンションを上げられているかどうか」かもしれないと思った。クロノスのライブを観ているうちに引き込まれてテンションが上がってきて…ということはあまりない(フロアも静かだし、周りにつられてテンションが上がるということが起きづらい)。クマリはボロボロで行っても気づけば引き込まれて楽しくなっているんだけど、そういう感じがない。リリイベのasiaでやったライブの昼の部がかなり不完全燃焼だったんだけど夜の部は超楽しめたのは、夜はクマリが十分にフロアを温めてくれていたからだと思ったし、SZWARZとの対バンが超楽しかったのも同じことかなと思った。そういう意味ではこの日は最悪のコンディションだった。

あとこれはハミシスのときからだけど、旧GARDEN~シャングリラでは珍しく音が割れがち。この日は途中から耳栓付けざるをえなかったので100%の状態で楽しめなかったと思う。

本編はまあいつもの曲の順番を入れ替える感じ、さすがに見ている回数と曲数とのバランスが取れて ないので新鮮さはない。最後にヌュの面々が入ってきてコラボの新曲披露があって、「カリガリとdeadmanのコラボシングルみたいじゃん」と思ったものの、肝心の曲がいまいちピンと来なくてそこまでアガらなかった。「ai-oi」「ルカルカ」「which's witch」のオレノグラフィティさんの曲なのに…

ヌュは個人的にセトリがいまいちだった上、隣で嫌いなやつがはしゃいでいるので全く楽しめなかった。

2曲目位でマジで帰ろうかと思って後ろを見たら割と人が詰まっているのでさすがにやめといたけど、最後にやったコラボの曲(「ハルシオン」)がよかったので一応は残っていてよかった。普段ならこんなヴィジュアル系の歌詞に頻出のワードがタイトルになった新曲が披露されたらアガるところだけど、完全に心が死んでたので喜びを感じることもなかった。終演後に流れたNINの「The Perfect Drug」がしみた。

蠅のように目障りなオタクがいたとはいえそれにしても楽しくなかったな…と思い、特典会も行かないでさっさと帰ろうか、と思っていたところに若干困惑した顔の知り合いを見つけたので話していたら、どうにもいまいちだったねという感想が一致して少し気が楽になった(周囲が大絶賛して浮かれているのに自分だけが楽しめていないのはさらにキツいので)。せっかくだから春っぽい服も持って来ていたけど、つまんないライブのときは特典会で話す気にならないので(顔に出るタイプだから良くなかったのに「よかったよ」とは言えないので)使うことはなかった。

そんなわけで久々にはっきりと不完全燃焼で時間を無駄にしたどころか来たときよりもストレスを抱えて帰ることになりそうだったので、仕事も残ってたけどオタクと話して帰った。おかげで少し気が楽になった…閉塞感を覚えてるのは俺だけじゃないんだなと思った。

 

ヌュのmint hallのワンマンの開場~開演時の周囲の知らない人達の会話(どこの現場から回してきたか、明日はどの現場に行くか、という話を具体名を交えて話していて、各人が月20~30現場位行っている)を聞いていて、地下アイドルシーン(の中のエクストロメ周辺のいわゆる楽曲派的な現場)は、100人だか200人だかわからないけど少数の人達がヌュアンス、クロノス、サンダルテレフォン、RAY、tip、リンワン、NELN、マルコム…みたいな現場を回遊魚のように複数回している状況で、大抵「この人どっかで見たな」みたいな人が必ず10人以上いるというものすごくこじんまりした内輪のシーンなんだなと改めて実感した。そういう「ライブに行けば顔見知りに会える」みたいなバー/スナック感が魅力の一つだという人もいるんだろうけど、俺は群れたりなれあうのが嫌いで音楽は一人の方が楽しめると思っているので、おっさんの社交場みたいな中にいると「こんなところにいる場合じゃないな」とげんなりしてくる。

最近CYNHNに行くと、まあそこでも常連の顔ぶれは確実にいるんだろうけど、少なくとも「この人はRAYの現場でもヌュの現場でもクロノスの現場でも見かけるな」みたいなエクストロメ勢的な人はいないので、スケールの狭さを感じないで済む。この内輪感はクロノスとヌュの2マンとなるとかなり強い形で発揮されるんだな、と実感してげんなりした、というのが楽しめなかった理由の一つだと思った(となると地方ならまだ良いのかも)。なのでこの界隈からは当分距離を置きたいと思った(誰か10日のいど祭りのチケット引き取ってほしい)。

 

あとはやっぱり比較対象ができてしまったというのもあるのかなと思った。毎日3~5時間以上狂ったようにCYNHNを聴いているので(しかし全く飽きない)、どうしてももっとバシッと声出ないかなとか佇まいに貫禄が出ないもんかなとか思ってしまう。

久々にベルハーの動画を見ていて思ったけど、ベルハーはフロアを含めた唯一無二の圧倒的なカオス、クマリデパートは王道アイドルの中で最もパワーと上昇感を感じさせてくれるグループ、CYNHNは圧倒的に歌も佇まいもかっこいい、と自分は「これが圧倒的にすごい、この分野では唯一無二で最強」というものがある人達が好きなんだなと思うと同時に、そこまで突き抜けたものは正直今クロスノエシスにもnuanceにもないんだよなと思った。決して悪くはないし、100点満点で90点位だけど、120点とか2億点にはないという感じ。

 

クロスノエシスが5月にワンマンをする旨が発表されたとき、正直全然ワクワクしなかったし今は行くかすら悩んでいる。それは2ndワンマンが個人的にいまいちだったということもあるけど、なんか大ホームランが用意されてる気がしないからかなと思っている。裏をかいてくるような嬉しい驚きが起こることはきっとなくて、予想の範囲内のことしか起こらなそうな感じ。

親しみやすさや「距離感の近さ」とかを求める人にとっては、自分の予想の範疇を超えないで似たようなことをずっとやっている方が嬉しいのかもしれないけど、俺は飽きっぽいのでずっと漂っている閉塞感にそろそろ辛くなってきてる。まあ今のクロスノエシスが圧倒的に最高、という人もいるのかもしれないから、そういう人に向けてやっていってもいいんだろうとは思うけど。