本物のハンバーガーに見えますが・・・
いとしいあなたへ
肉より健康的で、より環境に優しく、そして将来の食料問題への意識の高まりから植物由来の代替肉が注目を浴びています。
スーパーマーケットでは大豆由来の肉製品も手軽に購入できるようになってきています。
植物ベースの肉代替品は、本物の牛肉と非常によく似た味と噛み応えがあり、栄養表示に記載されている13の項目（ビタミン、脂肪、タンパク質）により、本物の肉等のように見えますよね。
肉代替メーカーは、大豆に含まれるレグヘモグロビン、赤ビート、ベリー、抽出物を加えて赤身肉のような色合いを出するなど、植物ベースの製品を可能な限り肉質にするために多大な努力を払ってきました。
肉の繊維質をメチルセルロースのような難消化性繊維を加えることで、肉に近い食感が増します。
また、
植物ベースの代替肉を肉のタンパク質レベルまで引き上げるために、大豆、エンドウ豆、その他の植物源から分離された植物タンパク質を使用しています。一部の肉代用品は、肉の栄養をさらに再現するためにビタミンB12と亜鉛も添加しています。
しかし、
Scientific Reportsに掲載された調査によると、他の多くの栄養成分はラベルに表示されておらず、肉とは製品が大きく異なります。
デューク大学分子生理学研究所は、「メタボロミクス」という最新の分析で、植物ベースの代替肉の栄養成分をより深く調べたところ、それらは植物や動物と同じくらい異なっていることがわかりました。
アイダホ州の牧場からの18の牧草飼育牛挽肉サンプルと、人気のある植物ベースの肉の18サンプルを比較しました。
研究者らが測定した代謝物は、体の生化学の構成要素であり、エネルギーの変換、細胞間のシグナル伝達、構造の構築と分解、およびその他の多くの機能に不可欠です。
生物学ではこれらの分子が10万個以上あると予想され、人間の血液中を循環する代謝物の約半分は私たちの食事に由来すると推定されています。
合計36のサンプルを注意深く分析した結果、
牛肉と代替肉とでは分析対象となった190の代謝物のうち171が牛肉と植物ベースの肉代替品の間で異なることを発見しました。
牛肉には、植物代替物には含まれていなかった22の代謝物が含まれていました。植物ベースの代替品には、肉には含まれていなかった31の代謝物が含まれていました。
また、
両方に含まれているものの、牛肉の方が圧倒的に豊富な栄養は51種類、逆に代替肉の方が豊富な栄養は67種類でした。
最大の違いは、
アミノ酸、ジペプチド、ビタミン、フェノール、およびこれらの製品に含まれる飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の種類です。
本物の牛肉にしか含まれていない栄養素のうち代表的なものは、
抗酸化物質のアラントイン・アンセリン・システアミンや、不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)などです。
反対に、
抗酸化物質である3-ヒドロキシアントラニル酸やいわゆるビタミンCと呼ばれるアスコルビン酸、抗がん作用があるとの研究結果が報告されているβ-シトステロールやカンペステロールなどは、代替肉にのみ含まれていました。
「消費者にとって重要なのは、これらの製品は栄養的に置き換えることが出来ると見なすべきではないことです。それは一方が他方よりも優れているということではありません」と、植物を多く含む食事を楽しんでいる自称雑食動物であるヴァン・フリート氏は述べています。
「植物性食品と動物性食品は、異なる栄養素を提供するため、補完する関係です。」と強調しています。
そして、肉および植物ベースの代替肉に特定の代謝物が存在するかどうかの短期的または長期的な影響があるかどうかを判断するには、さらに研究が必要であると述べました。
Scientific Reportsに2021年7月5日公開されました。
https://medicalxpress.com/news/2021-07-lab-analysis-near-meat-meat-nutritionally.html
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