糖質制限よりも脂質制限の方が体脂肪が減る

　今回は久々にダイエットネタです。

　食事を制限する際に脂質を制限するのがよいのか糖質（炭水化物）を制限するのがよいのかということについて様々な議論があります。

　糖質を制限するのがよいという理由としてインスリン分泌を抑えることができるとか、脂肪をより燃焼することができるなど挙げられておりましたが、実際に脂質を制限するのと糖質を制限するのではどちらが体脂肪を減らすことができるのかは、まだ分かっていませんでした。

　そこで、どちらがより脂肪が減ったのかを調べたのがこちらの研究になります。

Calorie for Calorie, Dietary Fat Restriction Results in More Body Fat Loss than Carbohydrate

http://www.cell.com/cell-metabolism/abstract/S1550-4131(15)00350-2

　この研究では健康な19名の成人肥満男女に以下のカロリー比の食事を摂ってもらっています。

普通食（炭水化物50％、脂質35％、蛋白質15％）５日間
脂質制限食（炭水化物50％、脂質5％、蛋白質15％）
　または糖質制限食（炭水化物20％、脂質35％、蛋白質15％）６日間

　脂質制限食は普通食から脂質30％（約820kcal）をカットしたもの、糖質制限食は普通食から炭水化物30％（約820kcal）をカットしたものということになります。

　この実験を行った後２～４週間後にそれぞれ逆の食事を摂ってもらっています。（１回目で糖質制限食を食べた方は２回目は脂質制限食を、１回目で脂質制限食を食べた方は２回目は糖質制限食を食べています。）

　それでは、さっそく結果を見てみましょう。

　まず気になる体重は？？

脂質制限食：－１．３kg
糖質制限食：－１．８５kg

　おぉ、６日間の食事制限では糖質制限食の方が体重が落ちるようですね。
　続いて糖質と脂質の燃焼度がどれくらい変化したかを見てみましょう

脂質の燃焼
脂質制限食：－９６kcal/日
糖質制限食：＋４６３kcal/日

糖質の燃焼
脂質制限食：＋１４７kcal/日
糖質制限食：－５９５kcal/日

　脂質制限食の場合は普通食を食べているときと燃やすものの内容は大きく違わないですけど、糖質制限食の場合には脂質の燃焼がかなり増えて糖質の燃焼がかなり減っていますね。ちなみに糖質制限食では蛋白質の燃焼も少し増えていました。

　それでは、今回の研究のメインであります体脂肪はどうなったでしょうか？

脂質制限食：－８９g/日
糖質制限食：－５３g/日

　なんと、糖質制限食の方が脂質の燃焼は多いのに体脂肪の減りが悪いじゃないですか！？

　６日間の累積だと

脂質制限食：－４６３g/日
糖質制限食：－２４５g/日

　という結果になっておりました。

　脂質制限食では脂質の燃焼は少し減りましたが、脂質の摂取が大幅に減った分、体脂肪が減ったということでしょうか。一方、糖質制限食では脂質の燃焼は確かに増えましたが、脂質の摂取量は変わらないので、脂質制限食よりも体脂肪の減りが悪かったというわけですね。（体重が糖質制限食で減っていたのは筋肉や水分が、より落ちたというわけでしょうか。）

　生活習慣病予防という意味でのダイエットを考えた場合には体脂肪の減量こそが重要なわけですが、同じカロリーであれば脂質の割合を少なくした食事の方が体脂肪を減らすことができるようですね。

　もちろん、今回の研究は短期間での効果を見たもので長期的にどうなるかは分かりませんが、糖質制限食の方が体脂肪が減るという説は否定されたようです。

　というわけで、今回はここまで。

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