逆境しかなかった
噛ませ犬と呼ばれ、挑戦した相手は日本ランキング7位、東洋ランキング3位、元日本トップでチャンピオンとも闘った強敵だった
不可能と呼ばれた闘い、誰しもが勝てないと言った
しかし俺には確信があった
必ず勝てると信じれた
そして会場の誰しもが驚いた大判狂わせ
応援してくれ、支えてくれる仲間たちと勝ち取った奇跡の勝利だった
そして漢荒谷もとうとう名を連ねる
日本ランキング9位、東洋ランキング15位、
順風満帆だった
そして迎えた11月22日のランカーとして初めて望む、メインイベンター、自分のジムが主催する興行する試合の最後を任された
負ける気がしなかった、
絶対の自信があった
体調も絶好調
試合が始まって更に確信した
今日の俺は今までで一番強い
どんどん調子にのっていく
おごっていく
三ラウンド目まで、全く触れさせることさえしなかった
勝てる
そして迎えた四ラウンド目…
何が起きたかわからなかった
俺はリングの上に倒れていた
そして立ち上がり、まだ行けるとアピールしたが、
審判は荒谷を抱き締め、試合をとめた
俺は負けた
その瞬間…自分のランキングも、プライドも、自信も全て失った
目の前が見えなくなった
その負けてからの4ヶ月…
俺にとっては本当に長かった
困難、逆境、試練の連続で自分自身をも信じれなくなりそうな日々だった。
そんな中での試合１ヶ月前に事件が起きる。
スパーリングで唇の下が貫通する怪我をしてしまった。
25針縫い、全治一ヶ月と告げられた
更に１週間は運動禁止と告げられた。
追い討ちをかけるように、試練はやって来る。
怒られ、全てを否定され、俺の大切なものまでも無価値と突きつけられた。
怪我だけでなく、これでもかと言うくらい自分を追い詰めてくる
なぜこうもうまくいかない、思い通りにならない
もっと強くなるって、そう決めて全力で取り組んでいるだけなのに、それとは正反対の評価を受ける
やり方が間違っているから？
ほんとにそうなのか？
俺は何を間違っている？
妥協した覚えもサボった覚えも逃げた覚えもない
なのに思ったように事は運ばない
己を信じれなくなりそうだった
何故ここまで次から次へと試練がやってくるのだと、本当に精神ギリギリの所だった
嫌なことはこれでもかと言うくらいたて続く
しかし…
あることに気づいてしまった
苦しさの反面、心の奥底でワクワクしてしまっている自分がいる事を
そうか
これは俺が今まで越えてこれなかった全ての試練であり、
別人へと覚醒する分岐点なのだと
この先にある人生の中で越えなきゃいけない壁、
これを乗り越えて学ばなきゃいけないことがあってそれが目の前に来たと
こんな境地を待っていた、
そろそろ大きく化けたかった時だと
苦しみが大きいほど、その後にくる喜びも、成長も大きい漢は獅子へとなる
漢荒谷のドラマの演出は全て整った
これを乗り越えるからドラマは面白いと燃えてきた
さぁもっと来いと、もっと俺を刺激してくれと、楽しませてくれと、
もはやそれは逆境でなく、チャンスへとなった
逆境？？そんなもん知らねーな
その全てが俺を強くする
そこからの漢荒谷をもう誰にも止めることなんて出来ない
怪我をしてしまい、スパーリングが出来ない中でやれることをやろうと、
会長を始め、師匠、同志の皆さんのサポート、協力してくれた
会長と追い込みまくり、限界のその先への挑戦をした
皆の言葉、存在、自分が守りたいもの、守りたい人達を想い、
俺に付いてきてくれて、信じてくれ、期待してくれ、夢を見て、託してくれている人達を守る、
そして熱く、わくわくする未来を魅せる
そして全てを乗りこえ
漢荒谷はいざリングへと立つ！！
不可能を可能にする新たな歴史と、
越えた後に魅せる背中で感動を、人の心を動かせる漢になるために！！