海外情報:スペイン食品安全栄養庁(AESAN)が、ガルシニアを原料とする食品サプリメント摂取のリスクに関する報告書を公表

 

食品安全委員会では食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等が公表した情報を収集し、その概要を「食品安全関係情報詳細」(日本語、注1、注2)としてホームページに掲載しています。
今回は、スペイン食品安全栄養庁(AESAN)が3月13日に公表した、「ガルシニア(Garcinia gummi-gutta)を原料として含有する食品サプリメントの摂取に関連するリスクに関する報告書」を紹介します。
ガルシニアは、インドや東南アジアで生育している常緑樹の果実に含まれる成分で、俗に「ダイエットによい」などと言われています。
AESANが公表した報告書の摘要に以下の記述があります。
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ガルシニア、別名マラバル・タマリンド(Garcinia gummi-gutta)は、香味料として伝統的に使用され、食欲抑制及び減量用の食品サプリメントとして販売されている。
(中略)
ガルシニアの摂取と使用期間及び急性肝障害発生の因果関係を証明する十分なエビデンスがあり、ガルシニアを含有する食品サプリメント中止後に肝機能の明らかな改善が観察されている。
(後略)
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我が国の公的機関からの発信情報としては、国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の素材情報データベース」において、概要として「減量には効果がないことが示唆され、・・・適切な量を12週間未満、摂取する場合は安全性が示唆されているが、動物実験では精巣に悪影響を及ぼす可能性が報告されている。」と記されているほか、「安全性」の項目に海外における複数の被害事例が掲載されています。
今回のAESANの報告書では、上記素材情報データベースに収載されている被害事例以外の健康被害に関する情報も複数引用されています。
食品安全委員会では国民の皆様に向けて、「健康食品」で健康被害が出ることをなくしたい願いをこめて、「健康食品」を摂るかどうかを判断するときに知っておいていただきたい19項目をメッセージとしてまとめた報告書を公表しています。「健康食品」を利用する前に、ぜひご覧ください。


注1 掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。
注2 情報内容について食品安全委員会が事実関係や科学的妥当性を確認若しくは推薦しているものではありません。

食品安全委員会:「食品安全総合情報システム」上の当該情報の紹介ページ

http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05340500307
スペイン食品安全栄養庁(AESAN):「ガルシニア(Garcinia gummi-gutta)を原料として含有する食品サプリメントの摂取に関連するリスクに関する報告書」(スペイン語)
http://www.aecosan.msssi.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/seguridad_alimentaria/evaluacion_riesgos/GARCINIA_COMPLEMENTOS.pdf
国立健康・栄養研究所:「『健康食品』の素材情報データベース」ガルシニア・カンボジア※の項
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail162.html
※学名Garcinia gummi-guttaのシノニム(別名)がGarcinia cambogiaです。
食品安全委員会:「健康食品」に関する情報(報告書がダウンロードできます)

http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html