今回の参詣は、もうじき1000回目を迎えるにあたって、自分にとって度々所縁のあった港区内で、公開せず残っていた5つの神社を巡ります。高輪三田表参道に続いて訪れるのは南青山の飛梅祠

 

 

 

ここは南青山にある根津美術館。

いかにも隈研吾なデザインの、長くゆとりを取った石敷き廊下を通った先に入口があります。今回の参拝する神社は美術館の庭園の中にあります。

 

 

 

 

根津美術館の画像

入館して早速見えてくるロビーの右手側にお庭に出られる出入口があります。外に出て、庭園左隅を沿うようにひたすらまっすぐ歩くと鳥居が見えてきます。

 

 

 

 

寛永寺の境内だった上野公園で見かける、大大名が奉納するようなド級サイズの灯篭なんかもあります。廃仏毀釈の憂き目にあったものを一つひとつ拾い集めてあげたかのような不思議な雰囲気。

 

 

 

 

飛梅祠 ひばいし

ちょっと変わった社号ですが、北野神社や天神社と同じく菅原道真公をお祀りする神社です。別名を渡唐天神ともいい、由来は次の通り。

 

 

 

渡唐天神の画像

渡唐天神

鎌倉時代の僧侶・聖一国師円爾(しょういちこくし・えんに)のもとに菅神(菅原道真公)が現れ禅を問いたまうと、円爾は自身の師である宋の仏鑑禅師を師とするよう答えます。すると菅神が直ちに宋に渡り禅師に参禅し衣鉢を受け、再び円爾のもとに帰りその法衣を授けたといいます。そこから菅神を「渡唐天神」とも呼ぶようになるのですが、その渡唐天神はこの像のように梅の枝を携えている姿だそうです。

 

 

 

 

飛梅の由来

もう一つは、菅原道真が太宰府に左遷された折、京の自宅で愛でていた梅の木が飛び立ち、一夜にして太宰府にいる道真のもとに降り立ったというもの。今でも太宰府天満宮にはその梅の木があり、東京の亀戸天神社にはその実を勧請して祀った「紅梅殿」があるのですが、当社のはあくまで梅の枝を携えた菅神の石像があるのみ。

足元にあった祭神についての小さな説明版に、"Kitano-tenjin"とあるだけで御由緒がありませんでした。

 

 

 

 

写真は、2016.11.13(飛梅祠)、2022.8.14(根津美術館/ブルーノート)、2022.9.10(NEZUCAFE/庭園) 撮影

 

備考

社号 飛梅祠

別名 渡唐天神 北野天神

創建

祭神

祭日

末社

社務所

所在地 東京都港区南青山6-5-1

その他 根津美術館庭園内(入館料1,300円)

 

 

周辺散歩

根津美術館 南青山6-5-1

東武財閥の創始者・根津嘉一郎の邸宅を改装し、彼の古美術コレクションを収蔵している私立美術館。上野なんかとは違ってすごく混むということは無いのですが、10時の開館より少し前から行列ができたりしてます。

 

 

 

豪快な収集家だったようで、収蔵されているのは初代根津嘉一郎だけで日本・東洋美術の一級品ばかり4,600点以上にもなり、現在では7,400点にも上るそう。

実際に展示されている常設展はたぶん10分の1にも満たないぐらい。撮影可能なのは常設展の中でもロビーフロアのものだけ。

 

 

 

当美術館の大部分が旧河内丹南藩高木家のお屋敷跡。

表参道側が台地で西麻布に近づくほど緩やかに下っているので、その斜面を利用した回遊式庭園になっています。

 

 

 

庭園内には池、滝、大燈籠、茶室、薬師堂、中国風狛犬、石仏、よく寺院で見かける「不許葷入山門」の柱や、伊勢道と高野山の道しるべなんてものまで何でも置いてあります。

 

 

 

NEZU CAFE

庭園内にあってお庭を眺めながら、食事もできます。

そんなに見える景色が良いわけではないけど、緑を感じながら休憩できるのは良いかも。

 

 

 

 

BLUE NOTE TOKYO 南青山6-3-16

おしゃれな表参道からほど近い南青山にある有名なジャズ・クラブ。根津美術館のある通りの並びにあります。

都内にはコットンクラブ、ビルボード東京(以前はスイートベイジルSTB139なんてのもあった)みたいなライブハウス・レストランがあるけど、その先駆けでほぼほぼジャズライブに特化しているお店。

 

 

 

 

10数年前に南青山に住むきっかけになったのがこのお店で、行き交う人がおしゃれだし、芸能人やモデルさんも普通に来てて、特別というより、日常を愉しむ空間という感じ。当時の自分にはすごくおしゃれで洗練されたライブハウスに見えて、南青山を選んだのを覚えています。
 

そういえば、今年の11月には、恵比寿ガーデンプレイスにあったサッポロビアホール跡地にブルーノート恵比寿が開館するらしいです。