Namcheを後に | ”Stratoblue”  航空写真家 野口克也 Blog

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空から蒼を切り取る航空写真家 野口克也のオフィシャルブログ

3月14日

ゆっくり起きてゆっくり朝食。
寝袋を返し、いらないものを売り払って、
Luklaに降りる道へ。Namcheが見えなくなる頃振り返る。

「この次ここに来るのはいつだろうか?」

ふと、何年も前の記憶がよみがえる・・・・
1989年4月終わり。
なれない東ヨーロッパのつらい旅のこころを癒して暖かく迎え入れてくれたブダペストの街。
キエフ経由のモスクワに向かう列車に乗り込んで、
夕暮れの街の灯を見送った時、
なんだか涙が止めどもなく流れてきた。
ドナウの真珠と呼ばれる小さくて活気あふれる街を愛していた・・。
いつかまた来るからねと言い残して暗く消え行く灯かりを見送った経験・・・

を、思い出していた。

大勢のシェルパとともに歩く。
彼らが支えるエベレストの生活。
小さな頃から体より大きい荷物を抱えて歩くシェルパの子供。
今度はゆっくりこの人たちの生活にカメラを向けてみようかな?

Phakdinからは久しぶりの雨。
今までは降ると必ず雪だったのにここはもう雨になっている。

体を冷え切らせてLuklaのロッジに入る。
明日のカトマンズ行きのフライト。
なかなか航空会社はOKをくれない。
宿のおじさんからプッシュしてもらってOKのチケットを手に入れる。
173ドル。
なんだか知らない間にチケットの値段が上がっているような・・。
それでももう一日でもこの寒くて空気の薄い場所にいたくなかった。
毛布一枚で暖かい空気を吸いながらゆっくり休みたかった。

エベレストに入ってから16日目。
暖かい日があたる場所で海を見ながら魚でも食ってのんびりしたかった。


3月15日

ヘリは天候に左右されやすいので今日中に帰れるかどうかやきもきしていたが何とか大丈夫そうだ。来た時と同じパプルーで2時間ほど何も無い空港で時間をつぶし、カトマンズへ。

例によってダウンジャケットを着込んでのフライトだったけれど、
カトマンズは25度くらいある・・完全に場違いな格好でタクシーに乗りもといたホテルへ。
暖かいシャワー、濃い空気、食べたいものが食べられる環境、
そんな普通のことがこんなに気持ちいいものだったなんて・・・。

久しぶりに食べる日本食はなんだかいつも「とんかつ」である。
ハバロフスクから帰ってきた新潟空港でもとんかつだったなあ・・。
食べるだけで顔がほころんでるのがわかる。

Tシャツとパンツ一丁で毛布だけで寝る。快感。

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