52歳で実践アーリーリタイア

52歳で実践アーリーリタイア

52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

平和憲法として、私たち日本人が認識している、日本国憲法。その憲法記念日が本日5月3日。

 

さて、たとえば子供たちに「平和が大事だよね。どうしたら平和が生まれるの?」

 

と問われて私たち大人は、どのように答えたらいいのだろう。

 

52歳に早期退職後5年間、歴史学はじめ、さまざまな書籍を読んで勉強してきた私なりの現時点の仮説は、

 

「強大な政治権力が支配すれば、世の中は平和になる」

 

ということ。さらに加えれば「強大な政治権力への対抗勢力がいないこと」です。もうちょっと子供目線で言葉を言い換えれば、

 

「世界に一つだけの最強の支配者が世界を支配すれば、世の中は平和になる」

 

という感じでしょうか。

 

この人間世界は、30万年前(20万年前という説も)に現世人類(ホモ・サピエンス)が誕生して以降、浮き沈みはあるも、どんどん平和になり、今現在がもっとも平和な時代です(スティーブン・ピンカー著『暴力の人類史』)。

 

 

とはいえ、時代時代ごとに戦乱と平和が交互に起きてきたわけで、中でも平和な時代はどんな時代と場所で起きたのか、といえば、強大な帝国が誕生した時代と場所です。

【事例】

海外:古代ローマ帝国、イスラーム帝国、オスマン帝国、前漢、唐、明、清など

国内:平安時代初期、江戸時代など

それでは現代はどうでしょう。過去はそれぞれの地域ごとに世界がありましたが、今の世界は地球全体が世界。

 

なので、理想的には国連みたいな組織が世界最強の軍隊を保持して世界を支配すれば、世界はもっと平和になると思います。

 

ただ、これは現実的ではないので、現時点世界最強の国はどこか?

 

それは弱体化したとはいえ、依然としてアメリカ合衆国です。

 

したがってアメリカ合衆国がトランプ前大統領のいう「Make America Great Again=アメリカ合衆国を再び偉大な国にする )」が具現化すれば、今よりもっと平和な時代が訪れるかもしれません。

 

アメリカが再び超大国化すると「なんでもアメリカの言いなり」になってちょっと嫌だな、と思いますが、権力が強大化して集中すればするほど、これに反比例して暴力が減少する、というのは紛れもない現実です。

 

たとえば対抗勢力のロシアや中国、そしてこれからのインドが文句を言えないぐらいアメリカが再び超大国化し、軍事力・経済力で世界をコントロールするようになれば、どの国も従わざるを得ません。

 

むしろ私たちは民主主義国家であるアメリカが強大化することこそ、現実的にはもっとも望ましく、権威主義国家のロシアや中国、そしてヒンドゥー教やカースト制度などの宗教的慣習が色濃く残るインドが世界を支配したら、と思うとゾッとします。

 

権威主義国家の場合、「国民が衣食住に窮する」というような民意に違うような統治をすると反乱が起きます(民主主義国家の場合は、選挙で政権交代が起きる)。国家が強大になるためには、ある程度民意を反映していないと強大になれませんし、長続きしないということでしょう。

 

したがってアメリカの超大国化が、私たち日本人にとっては最も都合がいいわけです(もちろん超大国が日本であればもっと良い)。

 

なので「世界の平和が大事」というなら「アメリカにもっと強くなってね」とお願いするしかない。それが今の世界なのかもしれません。

 

 

 

<概要>

世界トップクラスのサッカーの研究を通じて、現代サッカーの戦術ポイントをわかりやく整理し、言語化したYouTuberにしてサッカークラブ運営者の著作。

<コメント>

サッカー解説の中では、説得力のある解説が多いYouTuberレオザフットボール(以下レオザ)の著作を読んでみました。著者自身、サッカー分析のきっかけのなったのが、ジョゼップ(ペップ)・グアルディオラ監督時代のバルセロナ。やはりあのバルセロナこそサッカーの最高峰だと今でも思っている私としては、嬉しい限りです。

 

しかも私も感銘した、バルセロナ・ソシオの羽中田さんが訳した、唯一グアルディオラが認めた以下の著書『ペップ・グアルディオラ キミに全てを語ろ』からの引用もされています。

 

 

 

それでは、なぜ著者があのバルセロナにびっくりしたのか?それは当時、名将ファーガソン率いるクリスティアーノ・ロナウド擁する当時世界最強のマンチェスター・ユナイテッドを、背の低い、アスリート的には明らかに劣っていたイニエスタ、チャビ、メッシなどを擁するバルセロナが完璧に打ち負かしたからです。

 

 

ところでレオザ氏は、最近は、サッカークラブ運営のための資金づくりのためか、YouTubeが商売優先になってしまい、番組単位がバラ売り状態で視聴者側としてはちょっと困った状況に陥っていますが内容については、的を得た解説が多く、ついついみてしまいます。

 

 

レオザ氏には、ぜひ一度ジェフの試合を観戦または、視聴していただいて、問題点を指摘してほしいと思っているのですが、そのためにはもっと注目されるような結果と内容が必要でしょうか。

 

とはいえ、実はジェフは、日本に名だたるジャーナリストで、「戦術リストランテ」シェフの西部健司さんや、セリエAの解説で有名なオフィシャルライターの堀江克己さんなど、サッカー好きのほとんどが知っているような専門家にファンになってもらっているので、そんな必要はないのかもしれませんが。。。。

 

さてサッカー超マニアの著者が世界中のトップのサッカーを分析して編み出した「8つの真理」とは何でしょうか?以下具体的にみていきたいと思います。

 

実は本書は「8つの真理」に分けて本書を組み立てているわけでななく、他の要素も組み合わせながら構成されているので、ちょっとわかりにくいのですが、私なりに「8つの真理」別に整理してみました。

⑴正体理論

確かにアンドレス・イニエスタのドリブルってこれですよね。マーカーに対して真正面を向いた形でボールキープし、相手を抜いていく方法。どっちかに体が傾いてしまうと次にどっちにいくか相手にバレてしまうんですね。

 

バルセロナの下部組織の場合は、子供の頃から「ボールを持ったらへそを相手に向ける」と教えているそうです。

⑵ポイント論

相手に正対したボール保持者からみて、具体的には「Y字のポイント」にボールの受け手に立つということ。旧日本代表監督オフト監督のトライアングル理論というやつと同じかもしれません。

 

3人がトライアングルの形になって、意図的に2方向にパスが出せるようにしておけば、パスがつながりやすいという理屈。かつレオザの場合は「マーカーの真正面に立つ」というのと組みわせた形。

 

(本書「講義1」より)

⑶サイドバックは低い位置で張ってはいけない

1990年代のセレソン(ブラジル代表)など、サイドバックは花形ポジションで、左サイドバックなら左利きで、鹿島アントラーズのレオナルドや、右サイドバックのジョルジーニョ、そのあとはロベルト・カルロスカフーなど、名選手目白押しのポジション。

 

彼らの特徴は、サイドを運動量に任せて上下動し、サイドから右サイドなら右足、左サイドなら左足でクロスを上げて正確なセンタリングでゴールを演出する、というのが彼らの役割。

 

(1998フランスワールドカップ決勝戦)

 

そして手薄になったバックラインはドイスボランチの守備方(上図の場合は旧フリューゲルス所属のサンパイオ)が下がって3バックを形成する、というフォーメーション。

 

著者いうところの「ダウン3」という4バックから3バックに可変する動きのことで、現代サッカーで言えば、レアル・マドリーのクロースがサイドバックとセンターバックの間に入る「クロースロール」。

 

ジェフでいえば、品田鈴木久保庭の間に入って配球する「アンカー落ち」ですね。世界基準では、シティーのロドリや、リバプールの遠藤がこの役割を担っています。

 

サイドバックに話を戻すと、グアルディオラ監督がバイエルンミュンヘン(13/14シーズン)でみせたフィリップ・ラームのサイドバックとしての革命的なスタイルから、サイドバックの役割がだいぶ増えてきたように感じます。

ラームは、カフーのようにサイドを縦横無尽に駆け上がるのではなく、ボランチの位置に入って、サイドの攻撃はウインガーに任せるというスタイル。

 

この発展系が今のサイドバックのポジション。

 

そして著者が面白いのがピッチの場所を場所基準ではなく、人基準で配置すべき、というもの。

 

なのでサイドバックがどこに立ったらいいか、は「ピッチの個々の場所」ではなく、相手選手のポジションを配置した「この位置」と定義していること。例えば相手が442の時は以下のようなイメージ。

 

 

それでは、現代のサイドバックはどこに立てば良いのか?著者によれば「ハーフフロント」。つまり相手選手のフォワードとミッドフィルダーのラインの間ですね。

 

ここであれば、中へも外へもパスが出せるし、相手からもマークしずらい位置なんですね。確かに最近のサイドバックは、タッチライン側を駆け上がるというよりも、若干、中に入ったりして動きのバリエーションが増えてきたように思います。

⑷アピアリング

アピアリングというのが「ボールを受けるためにパスコースにタイミングよく現れること」。つまりパスを受けるための顔出しが大事だということ。顔出しということは顔を出す前は隠れている必要があります。その位置が「ウェイティングポイント(Waiting Point)」。

 

最初は相手選手の2〜3歩、真後ろに立って隠れ、顔出ししてボールを受ければ、元の位置から動くのでフリーになりやすくパスを受けやすい、という理屈。

 

⑸ファジーゾーン

相手サイドバックと相手サイドハーフの中間をファジーゾーンと呼んでいます。ジェフの右サイドの場合、田中と高橋がコンビネーションで攻略しているゾーンですね。

 

バルセロナで言えば、ヤマルとクンデ、シティーで言えば、フォーデンとカイル・ウォーカーか。

 

ファジーゾーンにウイングがポジションすることで、相手陣形を横に広げるとともに、誰がマークにつくのか迷わせられることになります。

 

これは現モンテディオ山形の渡辺晋監督の著書でも渡辺氏が言ってましたが、できるだけ相手がマークしづらい中途半端な位置に立とう、という原則ですね。

 

 

⑹トゥヘルシステム

トゥヘルシステムというネーミングが面白い。現時点バイエルンミュンヘン監督のトゥヘルの編み出した戦術で、相手が3バック(または5バック)の場合、中央センターバック両脇の2センターバックにツートップを当てて、ピン留めするという戦術。

 

こうすると、バイタルエリアにフリーペースが生まれ、味方M Fなどが自由に動きやすい、という戦術。レアル・マドリーのアンチェロッティ監督曰く、

 

サッカーという競技は、いかにゴール前の位置に選手を立たせるか、の競技である

 

ということですから、ゴール前のバイタルに立たせるためには、トゥヘルの編み出した3バックに対するピン留めは、確かに相当有効に思います。

 

⑺プレパレーションパス(プレパ)

プレパレーションパス(準備のパス)とは「近くにいる選手にボールを当ててもらい直すパスのこと」で、何のためにこのパスを活用するか、といえば、第一の目的は相手のプレッシングをかわすため。

 

下図の通り、いったんバックパスすることで相手の矢印を変えてボールの出所を絞らせない効果や、プレッシングに行くベクトルをバラバラにさせる効果もあります。

ちなみにプレパレーションパスは8つの真理の一つという重要なキーワードですが、独立した項目立てもされていないし、本書ではこの単語はたった3回しか登場しません。恐縮ですが、編集面に関してはちょっと稚拙な印象の著作。

 

⑻同サイド圧縮

同サイド圧縮は、現代サッカーの申し子ともいうべき概念ですね。陣形をコンパクトにしてボールサイドに人を集めてボール奪取する戦術。

 

どちらかのサイドにボールを追い込み、同サイドでマンツーマンに近い形でプレスをかけるという守備法。遠いサイドのマークは捨て、ボールサイドに守備者を集中させる。

 

 

同サイド圧縮をすると当然ながら逆サイドの相手選手はフリーになるというデメリットはありますが、

それ以上にマンマーク気味でコンパクトにサイドに追い込むことによるボール奪取を優先させる戦術。

 

ボールが奪い取った瞬間、周りに味方が複数いるわけですから、単純にクリアするのではなく、多方面にパスを出せて、そのまま試合の主導権を握って攻めに行けるのがメリットか。

 

 

以上著者のいう「8つの真理」を紹介しましたが、そのほかにも様々な細かい戦術が教科書のように掲載されているので、サッカー観戦に役に立つのはもちろんですが、素人でも真似できそうな戦術もたくさん掲載されているので、趣味でサッカーやってる人にも役に立ちそうな著作。

 

 

唯一難点は「全般的にきれいにディレクションされていない構成なので、読みにくい」といいう欠点あり。これは改善要です(と言っても本だからもう無理か)。

(ジェフHP)

 

しっかり前節の衝撃的な敗戦から挽回してアウェイで勝利。決して完勝ではないですが、こんな試合がジェフが優勝するための一つの方程式なのかもしれません。

 

前半体力があるうちは、ハイプレスで主導権を握って、しっかり得点に繋げ、相手が押し込んだときは、スペースを与えずにしぶとく守り、カウンターで追加点を狙う、

 

というスタイル。

 

ここ2試合の新戦術もはまっているのかもしれません。田口が復帰して以降「田口システム」ともいうべき、攻撃面では田口を軸にしたパターン。

 

それも品田が加入してから可能になったことで、後方からの配球と砦の役割は品田に任せ、田口はある程度、フリーな状態にして中央のレーンの攻撃のオプションとしてシャドーストライカー的な動きをさせる、というのか。

 

サイドは突破型のウインガー、椿・田中を配置して、カットインよりも中へのクロスを優先させ、ボックスには小森とトップ下の横山に加え、田口が入って得点を狙うカタチ。

 

これまでは田口と品田または小林が、或る程度後方に構えて蓋をすると同時にこぼれ球を回収。そして両サイドが絞り込む形が多かったのですが、むしろウインガーはカットインして中に入るよりもクロスなどの折り返しを優先して中は中に任せるといったら良いのか。

 

でもこのシステムは、キックが得意な田口がいるからこそのシステムなので、田口がいない場合は、両サイドがもっとボックスに侵入していく形がメインになるのかもしれません。

 

流れの中で、誰が得点できるのか、考えた時に、センターフォワード(小森・呉屋・林)とトップ下(横山・風間)に加え、もう一人、となったら両サイドのウインガー(田中・椿・ドゥドゥ)よりもボランチ(田口)のシャドーの方が可能性が高い、と判断したのかもしれません。

 

 

さて、ゴールキーパーの藤田はオリンピック代表候補になっただけあって、近距離でのセーブは今日含めて2回ほどビッグセーブ。これは実質的に2点得点してくれたようなもの。

 

やはり、代表に呼ばれなかった悔しさもありつつ、J2でしっかり結果を出して、本番のパリオリンピックでは、ぜひ代表として参加してほしいと思います。

 

世界大会に行く選手がいれば、彼らがクラブに戻っても必ず良い効果が他の選手たちにも影響するはずからです。

 

 

 

前回紹介した「醤油」も「日本酒」も発酵食品ですが、酒造りのためには醤油同様、いかに発酵の働きを活用するか、によります。

 

その前にお酒とは何か?、に関して地質学に触れる前に、生物学的視点から、確認したいと思います。

 

(三重県「瀧自慢」直売所)

▪️お酒とは何か?

酒とは、アルコールを含む飲料の総称。アルコール(エチルアルコール)は糖質の一つであるブドウ糖が、チマーゼと呼ばれる「酵素」によってアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)に分解される「アルコール発酵」によって生成されます。

 

(本書:第7章)

 

つまり、アルコールを作ると必ずその副産物として炭酸ガスが発生するため、ビールやシャンパンなどの炭酸飲料が自然にできる。スパークリング日本酒も同じ理屈ですね(一部、後から炭酸ガスを注入する商品もあり)。

 

(同上)

(青森県青森市「田酒」)

⑴お酒を飲める人・飲めない人とは?

私たち人間はアルコール摂取が可能です(東洋人の一部除く)。なぜならかつて私たちの祖先がアフリカに住んでいた時、腐敗した果物でも食べられるように進化したから。ちなみにアルコール摂取できる動物は類人猿の一部と人間だけだそう。

ほとんどの人は、エチルアルコールを分解するために不可欠な酵素を作り出す遺伝子を持っている。チンパンジー、ボノボ、ゴリラにもこの遺伝子があるが、オランウータンにはない。他の霊長類も、マダガスカルの奇妙なサル、アイアイ以外はこの遺伝子を持っていない。アフリカの類人猿とヒトにだけこの遺伝子があるという事実は、われわれとアフリカの類人猿に共通する最後の祖先が食糧難の時期に、森の地面に落ちて発酵した果実を食べて生き延びたことを示唆している。

ジェレミー・デ・シルヴァ著『直立二足歩行の人類史』第五章

 

なお人間でも一部アルコール摂取できない遺伝子(=ALDH2不活性型)を持った人間が東洋人(モンゴロイド)の一部にいますが、これは食べられる食料が豊富になって腐った果実を食べる必要がなくなった結果らしい。

 

(国税庁HPより)

 

したがってお酒飲めない人は、ある意味飲める人よりもより進化した人間とも言えます。

 

ちなみにアルコール依存症になりやすい人は、肥満になりやすくかつ他の依存症にもなりやすいらしい。彼ら彼女らが保持する遺伝子(Taqia AI遺伝子)は、持っていない人に比べてより強い快感への欲望を望んでいながら、実際にはより小さな報酬しか得られない、という神経系の特徴を持つために、依存症になりやすいという(デイヴィッド・J・リンデン著『快感回路』第3章より)。

⑵お酒がもたらす快感とは?

アルコールは、快感回路における抑制性の神経伝達物質「GABA」を増強する薬物。

 

最新の仮説では「アルコールは百薬の長という諺が完全な迷信であることを証明してしまいましたね。つまりアルコールは一滴でも飲むと身体に害がある可能性が高い。

 

アルコールは、快感回路をそれほど活性化しませんが、エンドルフィンとエンドカンナビノイドの両方の分泌を促し(そのメカニズムはまだ不明な点が多い)、それによりVTAドーパミン・ニューロンの抑制を解除します(=抑制剤)。

 

これはアルコールを大量に接種した場合のみで、少量のアルコールは興奮作用をもたらす。アルコールは脳全体を順番に麻痺させていくのが特徴で、

 

①爽快期 :前頭葉(理性マヒ→解放感)

②ほろ酔い:側頭葉(感情マヒ→感情が不安定)

③酩酊期 :後頂葉(感覚器官マヒ→ふらつき、視点が定まらず)

④泥酔期 :大脳辺縁系(記憶機能マヒ→記憶が飛ぶ、言語機能喪失)

⑤昏睡期 :脳幹(身体維持機能の麻痺→最悪は死にいたる)

 

という順番。

 

(福島県会津若松市「写楽」)

▪️日本酒とは何か?

日本酒は「並行複発酵酒」と呼ばれ、麹菌と酵母を用いてデンプンからブドウ糖に変える「糖化」という工程と発酵を同時に行うお酒の一種(ビールは単行複発酵酒)。

⑴日本酒は、五つの要素の掛け合わせで分類

日本酒には、その製造方法によって5つの要素の掛け合わせによって分類されます。

 

①醸造アルコールを添加するかどうか(醸造酒か純米酒か)

発酵の過程で「醸造アルコール」を添付した日本酒が「本醸造酒」で添加しないのが「純米酒」。

 

なぜ本醸造酒が醸造アルコールを添付するかというと、もろみを腐敗させる火落菌の増殖を抑えるためなのですが、、添付することでキレがあり米の香り(吟香)豊かな味わいになるといいます。安いお酒は本醸造酒がメインですが、本醸造酒には本醸造酒ならではの味わいがある、ということです。

 

②お米の精米歩合をどの程度にするか

原材料となるお米の精米具合でお酒の種類が変わります。全く精米しないのが玄米(精米歩合100

)で、私たちが一般に食べている白米は、精米歩合が92%程度だそう。ちなみに玄米をつ使った日本酒あるのかな、と思ったらあるんですね「玄米日本酒」というものが。。。でもほとんどレアもの。

 

そして一般に日本酒は精米歩合が75%以下の白米を使用します。中でも60%−50%の歩合のお酒を、「吟醸」と呼び、50%以下の精米歩合の日本酒を「大吟醸」と呼びます。

 

③火入れするかどうか

いわゆる生酒かどうか、ということで、一般に日本酒は火入れすることで殺菌して発酵をとめ、品質を安定させて常温で保存することが可能になります。

 

一方で生酒は火入れをしないのですぐに味・品質が変わってしまうため冷蔵がほぼ必須になります。なぜなら菌が生きているので、常温だとお酒がどんどん劣化して酸っぱくなったり黄色っぽい色になったりしてしまうのから(ただし飲めないわけではないので消費期限はない)。

 

④乳酸菌を自然発生させるか、外から投入するか

ほとんどのお酒は、麹菌を使って発酵させますが麹菌にはお酒の元となる酒母(=酛)やもろみの腐敗を防ぐクエン酸を生成できないので、外から乳酸菌を加えることが必要になります。

 

一般に外から乳酸菌を加える製法は明治時代に開発された画期的な製法で「速醸酛」という製法。現在はほとんどがこの製法です。

 

したがって「速醸酛」がなかった時代には、空気中や蔵の壁・天井など自然に自生する乳酸菌を繁殖させるしか方法がありませんでした。この昔ながらの手間のかかる製造方法が「生酛」と言われる製造方法です。

 

⑤乳酸菌を自然発生させる製造法の場合、山卸するかしないか

生酛の場合「山卸」という、山に登って寒い場所に行くが如く、寒い気温の中で(7−9度ぐらい)酒母を手作業でこね回してお米や麹をすりつぶし液体状にする作業を行います。そうすることで乳酸菌の繁殖を促します。

 

ところが、山卸をしなくても技術革新によって麹から溶け出した酵素の力で米が溶けることが分かりました。その製法が山廃(やまはい)。「山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)」が正式名称。

 

ちなみに私の一番好きな日本酒は生酒の純米酒で、吟醸系はスッキリしすぎてあまり好みではありません。さらに生酛づくりであれば、なおよし、といったところか。

⑵先日購入した日本酒「甲子」の場合

先日、千葉県酒々井町「飯沼本家」で購入した日本酒は、無濾過のまま炭酸ガスが残った状態でタルから直汲みした日本酒。自分好みの旨みたっぷりの日本酒でしたが、このお酒はどのような日本酒なのか以下確認。

 

 

①醸造アルコールが添加されているかどうか(純米酒か本醸造酒か)

純米」と表示されているため、醸造アルコール無添加=純米酒

②お米の精米歩合

「吟醸」「大吟醸」と表示されていないので、精米歩合75〜60%の「純米酒」

③火入れしているかどうか

生原酒」と表示されているので、火入れしていない

④乳酸菌を自然発生させているかどうか

「生酛」「山廃」と表示されていないので乳酸菌を外から投入した「速醸酛

⑤山卸の有無

「速醸酛」なので無関係。

 

⑶お米(酒造好適米)

米粒の芯になる部分がより大きな品種であることが重要。この「芯」の部分を「芯白」と呼び、デンプンが主成分。さらに酒の雑味の原因となるタンパク質が少ないこと。

 

そして柔らかく吸水性に優れ、麹菌の繁殖に適していること。

 

したがって、お酒にはお酒に特化した特徴を持つお米が必要だということです。具体的な品種としては「山田錦」「五百万石」「美山錦」などがこれに該当します。最近では「雄町」が有名ですが、雄町は「山田錦」や「五百万石」のルーツとなった品種で、栽培が難しく主に岡山で栽培されているそう。

 

大阪府能勢町の銘酒「秋鹿」に関しては、雄町(山田錦も)を自家栽培しているとのこと。

▪️日本酒は「水」によって生産地が決まる

ここからが地質学に関わってくるところです。日本酒は「米」と「水」が主な原材料ですが「水によって日本酒の生産地が決まる」といっても過言ではありません。

 

それでは、どのような性質の「水」がお酒には必要なのでしょうか?

⑴鉄分は日本酒の天敵

日本酒は麹菌がお米のデンプンを糖化(ブドウ糖に変換すること)することで作られますが、麹菌による糖化の作用を阻害するのが鉄分。したがって日本酒作りは鉄分を含まない水が採水できる場所で行われます。

 

日本列島含む東アジア東縁部は、海洋プレートの沈み込みによって生成された花崗岩が多く、概ね日本酒作りに適したエリア。日本列島も地表の10%以上が花崗岩。

 

というのも、花崗岩は鉄分が乏しく比較的カリウムを多く含む岩石なので、日本酒作りに最適なのです。なおカリウムは酵母菌の活動を促進する作用があるため花崗岩から生み出される水は、より日本酒作りにピッタリ。

 

具体的には、背後に花崗岩系の山が控えている兵庫県神戸市・西宮市の「灘」、新潟県の長岡・魚沼、広島県の西条など。

 

ただし、京都の伏見は花崗岩質が多くない地域ですが、代わりに背後の丘陵地隊が「チャート」と呼ばれる岩石の地層で鉄分をほとんど含んでいない地層なので、伏見の水も「御香水」と言われ、日本酒に最適な水。

 

(京都市左京区「神蔵」)

⑵水の硬度によって左右される発酵速度

水にカルシウムがどれだけ水に含まれているか、つまり水の硬度がどの程度か、によって日本酒の発酵速度が左右されます。カルシウムが多ければ多いほど麹菌の働きが活性化すると言われているため、カルシウムの濃度が高い=硬度が高いと効率的にお酒の製造ができるということ。

 

例えば、日本酒の国内出荷量の24%(2020年時点)を占める日本最大の日本酒生産地「」の水=「宮水(西宮の水の略)」は、中硬水なので、効率的に大量にお酒を製造することが可能。六甲山系の伏流水が山麓の砂層を流れる間に、この地層に含まれる貝殻(=主成分は炭酸カルシウム)の成分を溶かし込むのが要因らしい。

 

一般に硬度が高い水(硬水)を使ったお酒は発酵速度が速いので、キリッとした辛口(=男酒という)になりやすく、硬度が低い水(軟水)を使ったお酒は、発酵速度が遅いので、まろやかな味(=女酒という)になるといいます。

 

本書は言及していませんが、それでは広島県の西条の水は発酵の働きが難しい「軟水」なのに、なぜ日本酒生産が盛んなのでしょう。

 

なぜなら1876年(明治9年)に、軟水でも安定した酒造りが可能な醸造法を広島県三津村(現在の東広島市安芸津町三津)の酒造家、三浦仙三郎が発明したからだそう。軟水醸造法では、ゆっくりと発酵が進む軟水の特徴を逆手に取った酒造法で、硬水のキリッとした辛口のお酒とは異なる、まろやかな旨みのある日本酒の製造に成功(広島食道より)。

 

 

以上、改めて日本酒を勉強するとその奥深さに感銘します。日本酒はワインと違って安くて、しかも奥深くてバラエティがあって美味しいので、もっと世界に知れ渡ってもいいように思うのですが、どうなんでしょう。

 

 

 

引き続きマグマ学者、巽好幸著『「美食地質学」入門』より、醤油と地質の関係について。醤油は発酵食品ですが、発酵には酵母菌、乳酸菌、カビ(麹菌・クモノスカビ)を利用します。

 

*酵母 :パン、ビール、ワイン、醤油

*乳酸菌:チーズ、ヨーグルト、醤油

*麹菌 :日本酒、味噌、醤油

*クモノスカビ:紹興酒、テンペ(インドネシアの大豆発酵食品)

 

今回紹介する醤油の場合、麹菌を使って大豆や小麦を「麹」にし、麹に塩水を加えて「諸味」とし、乳酸菌や酵母によって発酵させて作ります。

 

 

▪️醤油の起源は「和歌山県」

醤油の起源として最も有力な説が禅僧・覚心の偶然。覚心は中国留学から帰国後、1227年今の和歌山県日高郡由良町にて興国寺を開山。

 

そして地域住民に中国から持ち帰った金山寺味噌とその作り方を紹介。この味噌作りの過程で桶の底や味噌の上に溜まった汁で食物を煮ると良い味になることを発見。

 

(湯浅町 金山寺味噌販売店:2022年5月撮影)

 

これが「溜まり醤油」の始まりという。

 

溜まり醤油とは、大豆のみを原料に使った濃口醤油のことで、小麦のみを用いるものは「白醤油」と呼ばれます。

 

ちなみに後述する関西の淡口醤油(うす口醤油)は、塩水の塩分濃度を上げて酵母による発酵を抑えて色を薄くし、米を醗酵させた甘酒を加えた醤油。

 

(本書 第2章より)

▪️鉄分の少ない地質が必要な醤油作り

由良町発祥の醤油ですが、実は醤油製造が栄えたのは由良町ではなく、その隣町の湯浅町。これには「鉄分」が大きく関係しています。

 

(湯浅町の歴史的街並み)

 

穀類のデンプンを発酵可能なブドウ糖にするためには、鉄分の含まれた水では難しい。デンプンを麹菌を使ってブドウ糖にする(糖化という)ためには、鉄分が水に含まれていると糖化が進まないのです。

 

したがって、醤油の製造には、鉄分を含まない水が必要。

 

ところが由良町の水を育む地質は、鉄分を含む玄武岩の入った混在岩。したがって由良町で醤油を製造しようとしてもなかなか糖化が難しかったのです。

 

一方で湯浅の河川や地下水は、鉄をほとんど含まない砂や泥の地層を通り抜けてくるため、麹菌の働きを最大限に生かせるのです。湯浅の人たちは「湯浅の水が醤油作りに適している」と言いますが、その原因は地質にあったのです。

 

(本書:第2章より)

▪️瀬戸内海に広がった醤油作り

和歌山県の由良で始まり、湯浅で開花した醤油作りは、瀬戸内海の兵庫県「龍野」や香川県「小豆島」に広がります(つまり素麺の産地と同じ)。

 

(小豆島より瀬戸内海を望む:2014年撮影)

 

瀬戸内海沿岸地域の気候は、瀬戸内式気候とのことで、夏は太平洋からの高気圧、冬は大陸からのシベリア高気圧を四国山地や中国山地が防いでくれるために1年中雨の少ない乾燥した地域。このため稲作には適さず醤油の原料となる小麦や大豆の生産が盛ん。

 

(小豆島 ヤマロク醤油)

 

そして、瀬戸内海周辺の地質は、鉄分をほとんど含んでいない花崗岩や流紋岩が多いため、醤油作りにピッタリの環境だったのです。

 

(本書第2章より)

 

しかも海運によって大坂などの大消費地にもアクセスしやすかったことも利点。

⑴小豆島の醤油

小豆島で醤油が作られるようになったのは、大坂城築城がきっかけ。小豆島に石を求めてやってきた人たちが醤油を持ち込み、これに興味を持った島民たちが湯浅へ出かけて製造技術を会得したと言います。

 

石を運ぶのと同じように大阪方面に出荷したそうです。

 

(小豆島 内海湾の夕景)

⑵淡口醤油を発明した龍野の醤油職人

もともと龍野は武士から転身した人々が営む酒造業の多い土地でしたが、龍野の水は発酵の進みにくい軟水だったので生産効率が悪く、灘の中硬水の宮水を使用した辛口の日本酒には勝てず、酒造りは次第に衰退していきます。

 

一方で、龍野の職人たちは、鉄分が少なく、発酵が遅いという龍野の軟水の特徴を生かして、原材料の風味を生かした上品な味わいの醤油の開発に成功(1666年、丸尾孫右衛門などによる)。

 

これが淡口醤油(薄口醤油)。

 

素材や出汁の味を生かした料理に最適の龍野淡口醤油は、関西の食には欠かせない調味料となったのです。

▪️関東濃口醤油の成立

江戸に幕府が開かれて大都市として江戸が発展し始めると、上方(関西)からの物資(下りもの)供給だけでは江戸の人口は賄えず、各種食料品の地産地消の一環として関東でも醤油製造が盛んになります。

 

(ヒゲタ醤油:銚子工場。2020年撮影)

 

中でも信州の味噌技術を持ち込んだ「野田」、漁業を通して紀州と交流があったことから湯浅周辺の人々が移住して醤油文化を伝え、さらに灘の酒造技術を取り入れた「銚子」が一大生産地に。

 

さらに、これを決定的にしたのが「利根川東遷」による水運の発達。つまり東京湾に流れ込んでいた利根川を太平洋側に流れるようにした江戸幕府の大治水工事です。

 

関東の醤油は龍野の軟水を使った醤油ではなく、カルシウムやマグネシウムの多い中硬水。したがって昆布出汁との相性は良くありませんが(昆布出汁と水の相性については以下参照)、

 

 

鰹節や味醂と組み合わせた江戸前寿司に必須の「ツメ(煮詰め)」、うなぎ蒲焼の「タレ」、そして蕎麦の「ツユ」など、関東ならではの食文化を演出。

 

(ヤマサ醤油、銚子工場)

 

以上、なんと毎日何気なく使用している醤油にも地質との奥深い関係があったのですね、恐るべし地質学です。

 

 

<概要>

地球科学&気候学&生物学の裏付けに基づく植物相・動物相を踏まえた日本各地の美食を支える各種食材&料理を解説したマグマ学者の著作。

<コメント>

本書は、食べ歩きと地理学が大好きな私の興味とドンズバ一致する著作で、複数回に分けて紹介したいと思います。

 

まずは日本の出汁について。

▪️料理を美味しくする三つの旨み成分とは?

以前ミシュラン二つ星の某和食屋の料理長と話した時に、彼曰く、

 

和食なら脂を100%使わずに美味しい料理を提供することができますよ

 

と彼が言っていたことを思い出します。すでに彼はこの店を辞めてしまいましたが、この言葉がまさに和食の特徴をよく表している言葉ではないか、と思うのです。

 

和食は出汁を使うことで、カロリーの高い油脂やバターを使わなくても料理を美味しくできるワザを持っているのです。

 

(京都「室町和久傳」鰻と湯葉の料理)

 

さて、「おいしさ」についてですが、料理には脂の「おいしさ」のほか、例えば西洋料理の場合、獣肉や鶏肉に含まれる成分、イノシン酸という旨み成分によって「おいしさ」を提供しています。

 

ところが和食の場合は、イノシン酸に加え、グルタミン酸グアニル酸という旨み成分も組み合わせることで、より複雑で奥深い「おいしさ」を演出することができるといいます。

 

具体的には

イノシン酸 :動物由来(日本=鰹節、西洋=獣肉&鶏肉)

グルタミン酸:昆布由来

グアニル酸 :椎茸由来

 

特に日本の出汁は、昆布(グルタミン酸)と鰹節(イノシン酸)の組み合わせによって、おいしさを私たちに提供。

▪️硬水と相性のいい「イノシン酸」

例えばフランス料理では、スープのベースとなるブイヨン、ソースのベースとなるフォンなどが旨み成分の典型。

 

中でもブイヨンの魅力は独特の旨みと透明感あふれる色ですが、ブイヨンは獣肉や鶏肉を煮ることでイノシン酸を抽出。

 

ご存知のように肉を煮る過程では灰汁(あく)が出ますが、灰汁を丹念に取り除くことで生臭さが取り除かれ、旨み成分が凝縮した透明なスープに仕上がります。灰汁は肉に含まれる動物性タンパク質や脂質が水に含まれるカルシウムと結合することで出てくるもの。

 

(銀座レストランラフィナージュ「クエのブレゼにヴェルモットソース」)

 

したがって水に、よりたくさんのカルシウムが含まれていればいるほど、灰汁の素となるタンパク質&脂質を取り除くことができ、それだけブイヨンの「臭み」や「濁り」が取り除かれるということ。

 

それでは、カルシウムを多く含む水とはどんな水なんでしょうか?

 

それが「硬水」。

 

硬水とはカルシウムやマグネシウムを多く含む水のこと。

 

(同上「ウニとオマールのスープ」)

 

特に「超大陸パンゲア」の分裂によってできたテーチス海(古地中海)に堆積した石灰岩(カルシウムが主成分)の地層が広がるパリ盆地の地形は、フランス料理のブイヨンを作るにはもってこいの場所。

 

というのも、パリ盆地の水の供給源である伏流水(地下を流れる水)は、おおよそ数十万年という長期間パリ盆地内に滞留しているために、たくさんのカルシウムを溶かし込んでいる。

 

つまり「硬水」になる。

 

ヨーロッパがイノシン酸という旨み成分を活用して料理のおいしさを生み出すというのは、ヨーロッパならではの地形と、その地形から誕生した「硬水」によってもたらされたものなのです。

 

「本書:第2章:出汁ー和食を支える水の秘密」より

(同上:フォワグラのポワレ、焦がしバターとパンデミスのソース)

▪️軟水と相性のいい「和出汁」

和出汁は主に、鰹節と昆布だしの組み合わせですが、中でも昆布で出汁をとる場合には硬水では難しい。というのも硬水の場合、硬水に含まれるカルシウムが昆布のぬめり成分であるアルギン酸と結合して昆布の表面に膜を作ってしまうため、昆布に含まれる旨み成分「グルタミン酸」を抽出しにくくしてしまうから。

 

したがって、カルシウム含有量が低い「軟水」と相性がいい。

 

(赤坂「詠月」のお椀「ネギの真薯と鴨の椀」)

 

軟水とは、カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない水のことで、京都盆地の水が軟水。特に盆地内の井戸水には「超軟水」ともいうべきカルシウムの超少ない水なので、昆布から出汁をとるには最適の水なのです。

 

したがって、京料理の料理人が関東で料理するとどうも思ったように出汁が取れない、というふうになってしまう。というのも、京都の水に比べて関東の水の方がカルシウム量が多いから。結果として京料理の店は京都から水を持って来ざるを得ない、とういうことになってしまうらしい。

 

とはいえ、日本の水は、京都に代表されるように軟水が主体です。

 

これは日本の地形が関係していて、ヨーロッパでは雨が降って水が海に流れるまでにたっぷりの時間がありますが、日本の場合は山が急峻で海までの距離が短いために、あっという間に降った雨は海に流れてしまって、ヨーロッパのように雨水が地中に長期間とどまることがありません。

 

つまり日本に降った雨水は、地中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分を吸収するための必要十分な時間がないのです。

 

だから「軟水」になる。

 

著者の巽好幸曰く

変動帯・日本列島では、海溝からプレートが沈み込むことによってマグマが発生して火山が密集している。マグマが地下で固まることで地盤が熱くなり、これにプレートからの強い圧縮が相まって、日本列島は山国となっている。そのために河川は急流となり、地盤中のカルシウムやマグネシウムを溶かし込む時間がないために軟水の国となった。そして、そこに暮らす人々は地震や火山噴火に苛まれながらも、これらの試練の裏返しとして授かった軟水の特性を最大限に引き出す術を身につけたのだ。それが「出汁」なのである。

「本書第2章より」

 

(京都「室町和久傳」蛤出汁と京野菜」

 

以上、次回は、日本の代表的な調味料「醤油」について紹介したいと思います。

 

 

 

まさか、またジェフに「魔の10分」が襲いかかってくるとは思いませんでした。

 

 

 

最後の10分に起きた出来事がまだしっかり消化しきれていませんが、ジェフの選手たちのメンタリティーを何とか改善できるようなトレーニングがないのだろうか、と思ってしまいます。

 

そして「点が取れなければ、地獄がやってくる」という典型的な敗戦パターン。

 

 

 

監督としても、これだけ攻撃のパターンのバラエティをしっかり試合で表現できているにも関わらず、最後のシュートのコースが悪かったりして点が入らないのは、本当にもどかしかったのではないかと思います。

 

ジェフのシュート数25本に対して秋田が本ですから。。。。

 

 

 

 

そして、秋田のゴラッソと共に逆転劇が始まる。品田が与えたPKも、VARだったら手をちゃんと体につけているのでPKにならなかったでしょうが、これも相手の勢いで審判が影響されたのかもしれません。

 

PKストップは藤田を褒めるしかありませんが、

 

その後のコーナーは、まさにジェフの選手たちの気の緩みと「秋田の絶対勝ってやる」の気持ちの差だったのだと思います。

 

 

 

衝撃的で残念な結果で、小林監督もショックだったとは思いますが、間接的に個人攻撃になってしまったインタビューのあの回答は非常にまずかった。個人攻撃してもよかったオシムの時代と今の時代では、選手たちのメンタルも全然ちがいますからね。

 

この内容が選手たちのメンタルに影響しないことを祈りたいと思います。

 

上司の個人攻撃ほど、部下が辛いものはありません。

 

なので周りのスタッフがフォローすることも重要ではないか、と思います。

 

 

 

(ガマダさん、吠える!)
 
さて次週は、これまでみせてくれたリバウンドメンタリティーをまた発揮してもらって、この悔しさをバネに奮起してもらいたいと思います。

 

 

それにしても最後の「珍しい」サポーターのブーイング風景、気持ちわかるよな。

 

 

 

<概要>

地理とは「歴史の最新のページ」と定義した上で、地理学的な視点で、国際情勢や災害問題、経済問題などを紹介した著作。

<コメント>

地理好きの私としては「地理なんか勉強したってなんの役にも立たない」なんて言われてしまうと、非常に悲しくなります。

 

私自身は地理を勉強すると、自分の世界が広がる感じがして心地よいし、聖地巡礼みたいに地理で勉強したその地域を旅行して実体験すると、とても感動して楽しくなるので、国内外問わず頻繁に出かけてます。

 

さて本書の趣旨は、私の趣旨とは異なり、地理を勉強することそのものの楽しみというよりも、その先にあるもの、つまり「金儲け」だとか「生活のしやすさ」「安心・安全」など、「役に立つ」視点での地理の活用方法について、教えてくれる著作。

 

それでは自然地理と人文地理に分けて、興味深い内容を以下展開します。

▪️自然とは、異常こそが正常

台風や暖冬、冷夏などの異常気象は、人間から見ると異常だと思うから「異常気象」と呼ぶのでしょうが、実は自然環境とは、同じことが続くことこそ「異常」なことなのです。

 

なので、経済的には「ブラックスワン(※)」が頻繁に飛んでくるのが自然環境の世界と捉えればよい。

※ブラックスワンとは

従来全ての白鳥が白色と信じられていたが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで、鳥類学者の常識が大きく崩れることになった。この出来事から、元ヘッジファンドの達人として知られる認識論学者のナシーム・ニコラス・タレブ氏が著書『ブラックスワン』の中で、確率論や従来からの知識や経験からは予測できない極端な現象(事象)が発生し、その事象が人々に多大な影響を与えることを総称して名付けたもの。

野村證券HPより

これは気候学を勉強すると実感するのですが、地球規模から見ると、自然は常に異常なのです。

 

同じ季節は同じようにやってこないし、超複雑系な気候は、再現可能性が非常に低い現象。台風もこの10年多いからと言って、本当に多いのかどうか、なんて科学的には到底証明できない。

日本列島に上陸する台風が毎年10個、それが10年も続いたら、そちらの方が異常であると考えるのが正常です。

本書50頁

つまり同じことが続くことこそ異常な気象。

 

そして地球科学的にも、火山の噴火だとか、プレートの移動によって起きる地震だとかも、これまた全く予測不可能なのです。具体的に日本は南海トラフ地震など、ハザードマップによって地域ごとの危険度がビジュアル化されています。

 

 

ところが、上図を見ても分かるとおり、お正月に被災した能登半島も8年前に大地震を経験した熊本も、危険度が低いことになっちゃってます。

 

つまり日本列島ではいつどこで大地震が起きるのか、はまったくわからないということ。

日本列島には安全な土地など存在しないと理解しておくべきです。・・・観測史上、日本列島で震度7を記録した地震は全部で6回ありますが、列記したものを振り返ってみると、6回中5回が2000年以降に発生(2024年の能登半島地震入れれば7回中6回)。

本書209−210頁

実際に日本の活断層の数は2000以上あって、仮にすべての断層が1000年に一度の確率で大地震が起きたとしたら、半年ごとに日本列島内で大地震が起きる、ということになってしまう。

 

これだけ科学が発展しても、ありとあらゆる要素が複雑に絡み合って、今の天気や昨日の地震が発生しるのが自然現象。

 

したがって私たちは、自然環境的には「常に未来はわからない。だから何が起きてもいいようにしておく」という姿勢で生活することが、世の中的には役に立つ情報、ということになります。

▪️なぜオーストラリアは、インドネシアを「盾」にするのか

日本にとってオーストラリアとインドネシアは、資源的にも物流的にも重要な国にも関わらず、両国の因縁関係なんて、ニュースでもほとんど報じられないわけですが、地理学を勉強すれば、両者の歴史的因縁関係が明瞭になります。

 

地図を北から見ると、実はインドネシアは、オーストラリアに覆い被さるような位置にあります。

つまり西側陣営の一角であるオーストラリアにとって、仮想敵国は中国やロシアなどの権威主義国家ですが、地理的には南半球に位置するため、大きな脅威とはなっていません。

 

しかし、中国が南シナ海まで進出してくるとなると、途端にその状況は一変します。仮に南シナ海で紛争が勃発した場合、オーストラリアにとってインドネシアは、極めて重要な「盾」になるのです。

 

したがって現在オーストラリアは、インドネシアと良好な関係を維持すべく2006年「ロンボク条約」を締結。この条約で互いの主権国家としての立場を尊重するという合意がなされました。

 

「なぜわざわざそんな合意が必要だったのか」といえば、オーストラリアがインドネシアに対して、過去ずっとちょっかいを出していたから。

 

戦後インドネシアは、独立時に同じオランダ領だった西パプア(ニューギニア島の西半分の地域)も含めて独立しましたが、西パプアは別途の独立国家を目指して独立戦争をインドネシアに仕掛けます。

 

そしてアメリカの介入で独立の是非の住民投票が実施されたものの、西パプア独立反対に賛成する少数の住民のみの投票という出来レースとなってしまいます。オーストラリアは表立って独立支援しているわけではありませんが、民主主義国家を標榜するオーストラリアが独立を支援するのではないか、とインドネシアから勘ぐられていたのです。

 

なぜなら、オーストラリアはインドネシア領だった東ティモール独立を支援し、実際に東ティモールは、2002年位独立したから。1999年にも独立しようとした東ティモールは、インドネシア軍の軍事侵攻によって一時阻まれますが、オーストラリア軍中心とした多国籍軍が介入。

 

こんな過去があるために、インドネシアとオーストラリアによる「ロンボク条約」は両国にとって重要な条約だったのです。

▪️総括

このように、本書では他にもさまざまな地理的に興味深いエピソードに溢れていますが、それら含め、地理学は、災害への予備知識や世界情勢の把握など、あらゆる世の中の事情を明確にしてくれます。

 

そもそもどこにどの国があって、どんな関係になっているのか、なぜ新潟県の冬は雪が多くて東京の雪が少ないのか?など理解できない限り、国際情勢や国内事情を把握しようがありません。

 

地理的な視点でさまざまな事象を認識していくことは、歴史的な視点も含めて、その地域ごとの特殊性や関係性、そして地球全体(あるいは日本全体)の普遍性を把握することになるわけで、私たちの「生活」に密接に関わってくるということがよくわかると思います。

【番外編】地方大都市への移住を真剣に考える

ちなみに私の場合「地震はいつどこで起こるかわからない」のであれば地震が起きた時に一番安全・安心に暮らせる地域がないか、調査しています。

 

たとえば今の私が住む東京首都圏(人口3,800万人)では到底安全とはいえません。

 

住んでいる住居が耐震住宅だったとしても巨大な大都市圏でライフラインや物流がいつ復旧するか、は到底想定できないから。なぜならあまりにも生活圏が巨大すぎて、他地域からの支援体制がままならないのでは、と思うから。

 

かといって今の大都市ならではの利便性を放棄するのも耐え難い。

 

したがって「福岡市圏(同350万人)」や「札幌市圏(同240万人)」などの首都圏・近畿圏から独立した地方大都市への移住が災害対策に一番なのでは、と思い始めています。

 

地方大都市は生活の利便性は東京圏には劣るものの、それほど不便というわけでもありません。しかも大地震に遭ったとしも、東京圏・近畿圏をはじめとする他の地域からの支援が受けられます。つまりライフラインや物流が一時滞っても復旧もはやいだろうと想定できるからです。

 

(若干外れますが、仮に大都市圏で大震災が起きたら株価はどうなるか、も真剣に考えてます。つまり日本含め世界中で何が起きてもいいようにポートフォリオは組んでおくべきです。これも地理学的視点からの教訓です)

 

 

以上、自分の人生にも大きく関わる「住まいの場所」の検討含め、いかに地理を勉強することが大切か、理解いただけたと思います。

 

 

<概要>

「仕事術」と称して、仕事の本質とは何か?ではなく生きることの本質とは何か?問わざるをえない、ある意味、読者が騙される著作。

<コメント>

「仕事術」と冠した著作を、「仕事」を引退した自分が読む理由も全然ないのですが、そして著者の制作したテレビ番組は見たことないのですが「著者の番組を是非みてみたい」と思わせるような読後感でした。

 

本書は日経ビジネス及び、

 

 

YouTubeのPIVOTなどで取り上げられていて、その独特の風貌と独特の価値観に興味を持って読んでみたのです。

 

▪️その成功の先に幸福は用意されているか

著者の著述家としての表現力が素晴らしいので、そのまま引用したくなってしまいます。

何のために成長すべきなのか、何のために勝ち続けるのか。目的もなく鍛えられ、肥大化した筋肉の虚しさに、あなたはもう気づいているはずです。

本書[総論]より

本当にあなたのやりたいことは何ですか?

 

自分自身に本気で問いかけたことはあるでしょうか?そうしないと、ふっと我に帰った時に「俺何やってるんだろう」となります。

 

でも「俺何やってるんだろう」って全然思わない人もたくさんいて、そう言う人は今まさにその人生を謳歌していると私は思うので、「そのまま」で全然OKだと思います。そしてそんな幸福な人は、むしろ本書を読むことは害毒です。

 

でも私もそうですが

 

「自分は、どう生きるべきか、どう生きるべきでないか?根本的に考えたうえで生きたい」

 

と思っている人間にとっては、何よりも大切なこと。人間は誰しも幸せに生きることが「べきこと」だと私は思っているので、今わたしがやってることは自分の幸福につながっているんだろうか?と問わざるをえません。

 

そして次の言葉は、仕事を引退した自分にとっては耳が痛い。

仕事は世界との接点ともいえます。人間は仕事によって世界と関わります。そして人間は、世界と関わらなければ生きて行くことができません。

同上

とはいえ、仕事をしようがしまいが、

その道が確かにあなたの幸せに続いているのか、それを見極めなければならないのです。

同上

とのことで「その道」は人それぞれきっとすべて違うはずです。幸福は100万人いれば100万通りあると私は思っているので。。。。

手に入れるべきは、幸せを感じる心の方です。そのためには、自分の心がいつどんな時に喜びを感じるか、つぶさに観察する必要があります。これを私は「欲望の整理」と読んでいます・・・

同上

でも著者もいうように、それってなかなか難しい。なので著者的には「欲望の棚卸し」をしてみたらどうでしょう、と提言しています。幼い頃からの記憶を辿って自分が心地良かった瞬間、嬉しかった瞬間、楽しかった瞬間を棚卸ししてみよう、ということです。

▪️競争から離れて、自分の「心」に矢印を向ける

(特にキャリア志向の人の場合)私たちは、小学校に上がって以来、ある意味ずっと椅子取りゲームをし続けているわけで、会社に入っても、個人的にはバブル入社だったから同期が大量にいて、出世競争や花形職場の獲得競争で、タイヘンでした。

 

(でも、これは社会としてのあるべき姿でもあって、競争あってこその発展であり、イノベーションが生まれ、社会を幸福に導く要因の一つ)

 

「出世はそこそこでいい」と思っていても、出世ランクや職場の種類(仕事の中身ではない)でレッテルを貼られるのが大企業の宿命。この競争から脱落すると、ある意味「人間扱い」されなくなってしまうのが非常にツラいところなのです。

 

だから、本人はその気が無くても、その大きな渦に巻き込まれざるをえない。そんな社会が大企業の社会。

 

でも本書によれば「これではいけない」として、その事例を「第二部」でドキュメンタリー制作のケーススタディで詳しく紹介してくれています(衝撃的内容ですが)。

 

特に競争(=名誉の獲得といってもよい)やオカネに巻き込まれて自分を見失うと、人間は「ズル」をしがちになります。

バレないだろうと思って手元の帳簿をちょっといじってみる。すると自分の財布にお金がポンと入ってくる。その味は人を虜にする。ズルが成功すると、脳内に報酬系の快楽物質が溢れ出る。どうしても金が必要で、というパターンはほとんどない。もはやズルをして金を手に入れること自体に夢中になって、正規の給与だけでは不当に思えてくる。

同上

実は著者の提言はシンプルで、どんな職場で、どんな仕事で、どんな立場で仕事をしようが

 

誠実に仕事をすれば、きっと幸せはやってくる

 

ということです。というか「仕事」だけでなく「生きる」ことそのものが、そうなのかもしれません。

▪️単純作業も無駄ではない

個人的に会社で時給1000円でも良さそうな単純作業を散々やらされたのですが、著者によればそんな単純作業でも決して無駄ではない、といいます。

 

(これは人によります。私は好きではないですが、ずっと単純作業すれば面倒臭いことも考えなくてよくて時間が過ぎるだけだからその方がいい、という人もたくさんいるしそれはそれでOK)

 

今の仕事が「自分でなくてもいいいのに」と思えてしまうものであればあるほど「あなたは幸運だ」といいます。それは最高に「割りのいい修行」だから。

 

なぜならあらゆる仕事において、成否を分けるのは「忍耐力」だから。

 

個人的には、仮にその仕事が失敗したとしても忍耐力を持ってやり切れば後悔がない。

 

そしてその失敗を糧として次の仕事に活かせます。でも忍耐が続かずに途中で諦めてしまうと中途半端になって、成功しようがしまいが、後で「やっときゃよかったな」と思ってしまうのです。

▪️「世界は私に興味を持っていない」から始めよう

ここは、特にテレビマンならでの提言。例えばYouTuberに向けては

 

あなたがアップロードするその動画は、猛烈な速度で流れ行く茶色く濁った水流に浮かぶ一枚の落ち葉

本書[各論]

だったらどうやって「興味を持ってもらうか」のノウハウがいくつか紹介されています。

 

⑴自分より哀れな人を見たい

これもなるほどなと思ってしまいます。よく言われる「ニュースは人の不幸をみるためにみる」というやつです。著者的には「自分は世界で一番不幸な存在ではないのだ、ということを人は確認したい」ということ。

 

「江戸時代に被差別部落民をおく」「インドのカーストで不可触民をおく」というのと同じ人間心理。

⑵他者の欲望を知りたい欲望

ついつい行列を見ると「なんだろう」と反応せざるをえないのが人間。ランキングが人気があるのも、YouTubeの再生回数についつい目がいってしまうのも同じ現象。

⑶伝家の宝刀「Q&A」

私も同じですが、興味をひいてもらうためにわざとブログのタイトルを「疑問文」形式にするのがこれですね。なんとなく「なぜか?」「どういうことか?」を言われてしまうと、ついつい人間は答えを知りたくなってしまう。

 

そして、特にその筋の専門家やプロの人、あるいは世間の大多数がどう思っているのか、意見を聞きたくなってしまうのも人間心理。


私の場合、今日のサッカーの試合はプロや専門家はどう評価してるんだろう、と思って小澤一郎や

 

 

レオザフットボールのYouTubeをついついみてしまう。

 

 

ご意見版的な立ち位置を確保している人物だからこそ、その発言を待ちたいと思うのです。「あの人はこれについて何て言うんだろう」と多くの人に思ってもらえる人をスタジオに置くのはそう言う意味があります。

同上

地上波テレビのバラエティで言えば、マツコデラックスみたいな人か。

⑷そのことはあなたしか知らない

これも強く同感。

 

一時期、企画書や報告書など人に読んでもらって理解してもらう仕事をしていた自分の場合、無意識に資料を作ってしまうと、自分しかわからない資料になってしまいがちです。

 

つまり「理解してもらう人」の立場に立った資料では無くなってしまうのです。相手に理解され、受け入れられない資料は「資料」ではありません。そんな資料はゴミです。

 

なので、何も私の仕事を知らない人(別の担当の同僚や妻など)に何度も読んでもらって修正していましたし、自分一人でも1回資料を作ったら「寝かせて」いました。資料を作成したらすぐに見返すのではなく、あえて翌日にまた読み返してみるのです(いわゆる時間をおいた「推敲」という方法)。

 

テレビ制作者だった著者の場合は、これを「前提知識共有幻想」と呼び、

視聴者は何一つ知らない可能性が極めて高いにも関わらず、あなたはいくつかの知識を共有している前提で物語を始めてしまう。

本書[各論]より

 

 

以上、私がここで書き留めたい内容を自分の感想・意見含め、整理しましたが、特に第二部は、一気に読んでしまう、心に響く内容なので、ぜひ最後まで読んでもらいたい好著です。

ホームに戻って、最高のコンディションの中で、観客も1万人近く入り、小林監督のチーム「らしい」戦いをしたにも関わらず「ドロー」で終わってしまった試合でした。

 

 

田口が復帰して、ボランチはどうするのか、と思いましたが、好調の品田をそのまま先発にして伸長著しい小林裕介もそのまま。

 

 

つまり前節と同じメンバーにも関わらず、前節とは真逆のジェフ「らしい」攻撃的な試合だったのが興味深い。

 

とはいえ、いつものハイプレスからの素早しパス回しによる攻撃ではなく、意外にもバックラインからのロングボールで裏を狙うシーンが多く、そのボールに対して両ワイドの田中&椿と、トップの小森が追っかける、という展開が多かったように思います。

 

 

決定力に関しては、昨年と大きく違うところはドゥドゥの不調か。

 

このような試合展開では、後半からドゥドゥが出ようものなら確実に決めたシーンがいくつかあったように思います。

 

その分、昨年は不発だった椿が数字を残しているので、イーブンかもしれませんが。。。

 

あとは徐々に横山の活動量が増してきて、前線の流動性が高まってきたことか。

 

昨年と違って小森もただ前線に張るだけでなく、下がって中盤のボール回しにも参画しているので、その分トップ下の横山も流動的になっているのかもしれません。

 

金曜日の早朝に小林監督もオフに練習を観に行ったと言うドイツの現時点の圧倒的首位「レヴァークーゼン」の試合をWOWOW観戦。

 

 

懐かしいシャビ・アロンソが監督に就任して特別なことをしているようには見えないものの、やはり確実にセットプレーで得点を決められる強さがあるな、と言う印象。

 

「流れの中で決められなければ、セットプレーで決めれば良い」

 

と言うことで、ジェフも鈴木キャプテン以外のセットプレーの得点のパターンを持っていれば、今日のような試合で勝ち切れたように思います。

 

【スタグルに不満】

大分の「とり天」800円買ったのですが、量もしょぼくてちょっと残念。揚げたてなのはいいのですが、あまりにも量が少ない。同じ値段の喜作のウインナーも800円なのに、あまりにも違いすぎる。しかも生ビールもカップが、他の店よりもワンサイズ小さくて量が少なすぎる。

 

 

来年の大分戦では、お店変えた方がいいように思います。