福井県 オーディオスペースコアさん訪問記♬ | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 



福井県のオーディオスペースコアさんを訪問しました。

 

 

 

店主の筏さんは日本人最高峰レベルの 「優れたオーディオ人」 でした。

 

 

 

福井県は関西圏から行くにしても遠いのですが、ズバリ遠くても行く価値はあり!

 

 

 

筆者がお聞かせ頂いたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

YBA signature CD Player FM155mkⅡR FM411mkⅢ YG acoustics Hailey2.2 というシステム
ケーブルはヨルマデザインのユニティで統一されていたと思います。

 

 

 
 

 

 

 

FM acoustics FM411mk3¥8,521,200

 

 

 

FMは鮮度感やS/N比が飛躍的に高くなって、独特の濃さが薄くなったけど、全く味気なくないです。
間違いなく人生最高のハイエンドの音をお聴かせ頂きました。
FMは間違いなく進化していますね。本当に素晴らしい音です。最高の音が出ています!
現代のハイエンドサウンドと比較しても鮮度感やノイズフロアーなど劣っているパラメータがなくなりました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

YGのHailey2.2は存在感がある。3way機で値段は700万以上もするのに、18.5cmウーファーなんて
ちょっとありえないと思っていましたが、実物を至近距離で見てしまうと大きくて存在感があります。
バスドラをバンバン叩きつけるような激しいソースでは流石にDD66000とは土俵違いだけど、
YGは超高分解&ハイパーリアリズムの世界で、広大なサウンドステージ、極めて高い鮮度感や透明感が持つ

クオリティの高さは極めつけで、ウーファーの音がスパッと消える収束速度など圧倒的によくて、

ハイスピード。小音量での反応が抜群で、静寂感やグラデーションの描写が得意で、表現が緻密なスピーカー。

仮想同軸のSonjaはもっと押し出しが強くて、Haileyはそれに比べてスッキリしている。

筏さんも仰っていたけど、YGは高性能ゆえに使いこなしが難しく、セッティングが上手くできないと
大したことがないと感じてしまいがちですが、この音は本当に凄い。

日本一の音を出しているハイエンドオーディオショップといっても過言ではないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーディオスペースコアさんの試聴室は天井高2.45mで、広さは15畳となっております。

 

 

 

 

以下は筏さんと筆者との会話を抜粋したものです。
 

 

 

筏さん 「このFM411の下に敷いているYGのボードは共振点を合わせているんですね、

なのでここで振動するものは一瞬にしてパッと消えているんですね、で、ここで

使われているオーディオリプラスのインシュレーターは瞬時に加速するインシュレーターで、
パッパッパ!と消えているんで
(ボードはフローティング構造になって浮いています
触ると前後左右に動きます)
FMなんかはとくに高いんで、是非こういうボードの
上に載せたほうがいい。FMは昔のゴム足はダメです。FMはいまはゴムやめましたけど。
足を外しても良いんですけど、ちょっとリンギングが出る事がある。

「リンギングとは?」 硬い物同士が重なり合うような、キツイ音が出ることがある。
お客さんの家の場合によっては外さない場合もあります。
ケースバイケースで、音を聴きながらやります。FM411が乗っている
YGのオーディオボードは税別83万です。YGのスピーカーの下のボードは
もう絶版だけど、ドイツのコプラーレのボードとオーディオラックを使っている。
これもアイソレーターの位置と数で共振点を合わせるので、
あとコアでは凄くノウハウの蓄積があります。なので通販で送る場合は乗せる機材に

合わせて筏がノウハウ書を書いて送ります。特別の取説を作るんですよ(笑)」

 

 

筏さんの出張費は遠方だと大体五万円くらいかかってしまう。

 

 

FMだと高価なので出張料は掛からないが、通常出張は料金がかかるので

 

 

その場合は説明書を作って差し上げているそうなのです。

 

 

「それでキチッとお客さんの方でセッティングが出来るようにしています」

 

 

「こちらのYGスピーカーですが、音が出て音波エネルギーが音像フォーカスを結ぶ
適正な試聴位置までの距離はどれぐらいですか?」

 

 

「それはメーカーではとくに言ってないです」

 

 

(この試聴室ではスピーカーから試聴距離までレーザー距離計で2.65mで天井の高さは2.45mだった)

 

 

「うん、やっぱり僕らがセッティングの技術を習得して、独自にやれということです
うちの店にヨアヴさんは3回くらい来ましたけど、試聴会だとか、
遊びにも来てくれたけど、もうウチの音はパーフェクトだ!って言ってくれましたよ(笑)
うちもねぇ、耳でだけでやってないんですよ、測定したり、シミュレーションで
計算したりしています。定在波の影響を受けない場所にスピーカーが置いてあったりとか
この部屋を作るときにねぇ、最初はこれぐらい欲しいなっていうんで、
なにも考えずに作ったんです。そしたらもう、最悪の部屋になっちゃって。
もう最悪(笑) もうどうしようかなと、70Hzがね、もう15dBぐらい盛り上がっちゃって。
なぜかというと窓がひとつもないでしょう?遮音シートは絶対よくないんで、
入れてないんですけど、プラスターボードを"ちどりばり"にして共振点をずらしてやったのを
ちょっと遮音してるんで、空気が逃げないんですね、そうするとなおこう、
空気が逃げないんですよ。最悪の部屋だったから、工事も三回くらいやって
いまはもうお客さんからも
「この部屋良いですねぇ~」 って言ってもらえるようになって。
そういってくれるお客さんが凄く増えて。この時のノウハウをお客さんの部屋造りに
活かしてやっていますけどね。三角のコーナーチューンはリプラスですね。
細長い長方形のやつはエイスナーブですね。考え方は拡散なんで一緒なんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の家はエイスナーヴコーナーRCです(笑) リプラスの方が明らかに良いそうですよね」


そう、コーナーはリプラスの方が全然良い。リプラスのはコンピューターで
シミュレーションして相当高い倍音まで歪みなく拡散する技術を習得して作っている。
なので、ぜんぜんもう音が違いますよ!(笑)物凄くこう、密度が高くて
立体的になって。QRD リプラス エイスナーブ このラックなど四つを使ってもらって
あとアンクは沢山入れるんじゃなくて、ちょっとだけ入れるに留めています。
あんまり一杯いれると"アンクの音"になっちゃうんですよ。素材の音って絶対出るんで、
たとえばQRDだったら、QRDだけズァーとやっちゃう人いるじゃないですか?
絶対QRDの音になっちゃうんで、素材の音になっちゃうんで。僕は沢山使わないですね
入っているんですけど、種類は分散させるようにしています。コーナーの四角、つまり四本
はアンクが一番良いですね。ASCも昔相当売りました、う~ん、あれも効果あるんですけど、
定在波をきちんと整頓してやると、ASCの時は低域に形が出て、結構どっちかというと
スリムになっちゃうんですよ。すごいなと。これだけ整頓すると低域もスリムになるし
音落ち着くんだなと、でも逆にアンクを使うと低域がズーンと出るんですよね
ASCはスリムになって低域が痩せすぎ。ASCはファブリックで、けっこう吸音しちゃうんでね
あれも回して吸音/拡散って言ってますけど、やっぱりファブリックは基本音吸うんで。
(ファブリックとはごっつい灰色の布の事)ASCの吸音/拡散の見分け方は金属のチョボ/ボタンが
付いているんで、チョボをリスナー側に向けるんです。けど倍音も結構吸っちゃうんですね。
そこがどうも僕はネックに感じまして。」「アンクの方が良いですね、単純に優れています。
コーナーアンクはなかなか置けないという方もいらっしゃるけど、置けないなら
置かないと言うのもありかなと。僕はお家に行ってセッティングする場合はまず
図面を送ってもらって、測定して、定在波の分布をこう調べといて、こう事前に
プランニングするという。で設置した時は音聴いて、スピーカー動かして、
セッティングまでやるんですけど。そうすると大体音響チューニング材は少ない数で
ピタッと収まりますね。
床のアンクはお客さん入れてるお客さんいるけど、
あれはずっと後で良いと思います。YAMAHAのパネルですか?YAMAHAはお客さんに
使っている方結構いらっしゃって、まあ値段の割にはね・・良いかと思いますね。
考え方も中にレゾナンスっていうかね空洞作って消滅させるという(ボイド共鳴管)
悪くないんですけど、やっぱりどうしてもこう固有の音は出ます。あと低域には反応しない」

 

 

「FM255の音に不満がありますか?FM255はきちんとセッティングすれば化けますね」

 

 

「FMはきちんとセッティングしたいですね。パッと置いて、ああFMいいね!

じゃあぜんぜん勿体ない(笑)」

 

 

「代理店のブースでは聴いてたんですけどFMはmk3になって本当に鮮度感や

S/Nも良くなりましたねぇ~びっくりです」

 

 

「FM155mk2Rも本当にバランスよくなりましたよね。もうリモコン無しも無くなったらしいですよ
頼めば作ってくれると思うんですけど、FM社は小ロットで小規模生産で作っているんでね」

 

 

「YGは最初スキャンスピークから買っていましたけど、ユニットがアルミの削り出しになって
から飛躍的にもう良くなりましたね。スピーカーの作り方って技術って三つあって、
まず一つはユニットですよね、そしてネットワークの技術、エンクロージュアの技術。

そのみっつのうち、まずユニットから音でるじゃないですか。
このユニットがまずちゃんと作られていれば!設計はずーっとつながっていくらしいです
ユニットがこうゆがんじゃったりとか、ひずんじゃったりすると、いくらこう
ネットワークを組んでも、あとエンクロージュアをきちっと設計しても、
上手く鳴らない。まずユニットありきというところがあるので、
アルミの削り出しのユニットを使うようになって、YGのヨアヴは
飛躍的にこうネットワークとかエンクロージュアの技術が反応してくれるように
なったという。削り出しで作るようになったおかげでユニットの剛性が
凄く上がったおかげで全部計算通りに行ったという」



「なんか95%理詰めで作って、あと5%の段階でちょっとだけ音聴くっていう」


「そうそうそう(笑) 殆どのプロセスは設計上で、あとは音聴かないっていう(笑)」


「けれど、これだけの音楽的な音が出ると言う・・・・・すごいですよね(絶句)」


「マジコは音が 「重くて暗い」 と思うんです」

 

 

「うんうん、そうね」


「そういうネガティブな要素って、後に影響が大きくて、結局弱点が大きいと手放しちゃうと思うんですね」


「マジコとYGとの比較はどうですか?」

 

 

「YGの方がもう断然情報量が多いです。僕もマジコとYGどっちにしようかなって、

エレクトリさんからこう何台も借りて試聴するんですけれど、パッと聴き、こう良いんですよ。
バシーッとね、締まったような音で。でも、どんなアンプもってきても、
マジコサウンドなんですよ・・・(笑)」



「ああ~・・・あのマジコはQ5とか昔風のアメリカンサウンドというか力強さだとかが

やけに目立つ、非常に筋肉質の音ですよね。偉そうな音、尊大な音ですよね、
腕っぷしの強さばかりが目立つというか」

 

 

「そそそそそ、そうなんです(笑) 」


「バアーン!バアーン!」 とくるんで、クラシックとか聴くとちょっと
荒っぽいし・・・・繊細な音も出したいじゃないですか?
マジコの設計って
YGと近いようで全然違うんですよね。マジコはねアルミのね、こう中も
ギヂーってステンレスフレームが一杯入ってね。ガチガチで動かないように

作っているんだけども。似ているようでね、話を聞くと設計思想はまったく違いますよね。
ガチガチで固めればいいっていうのはマジコの考え方なんですけど、
YGは共振しないように、共振点をズラすというかね、だからね
アルミも一枚じゃなくて二枚使って共振点をズラして、で中を台形にして
これもコンピューターで全部シュミレーションして、だから吸音材はないんですよ
で、一か所だけ周波数がポンと出っ張るんで、そこだけレゾネーターっていう
弁当箱みたいなものが入っています。つまり共振する箱ですね
つまりその周波数帯域になると箱がパッと反応して消してくれるんですよ。
普通もうキャビネットの中って定在波だらけなんで、吸音材いれるじゃないですか?
なかで定在波を消すために。吸音材ってあれノイズ源なんですね。
吸うけど、吸うまでに時間かかったりとか、なので、YGのヨアブさんは
定在波を吸うんじゃなくて定在波が出ないように設計すればいい。
だけど他のメーカーは定在波が出ないように設計ができないんですよ
なんでかっていうと、いいシュミレーションソフトがないのと、
あとコンピューターでシュミレーションしても理論通りに行かないって言う。
なので剛性が極めて高いこの削りだしのユニットになって全部が
計算通りに行くようになったと。だから全然技術的に他のメーカーとは
レベルが掛け離れてしまったと。
同じぐらいの価格でマジコはウーファー三発
使っているじゃないですか?でもYGの方が低音は低い所まで歪みなく出ている

んですよね。それはもう技術差以外のなにものでもないのと、あとマジコって
カーボンウーファー使っているでしょう?ヨアヴに言わせると
カーボンはプリクレブっていう繊維状にできている部分を繋いでいる接着剤、
あれは最初は良いんだけど、あとでほどけてきちゃうんですって。

 

 

「ああそうか!だから使わないのか!」

 

 

F1のシャーシなんかもそうらしいんだけど、やっぱりカーボン繊維は

何戦かしているとほどけてきちゃって剛性落ちちゃうんですって」


「あと、マジコの方がメーカーとしては少し規模が大きいと思いますけど?」


「うんうんまぁ大きいけどね・・・・で、あとなんか安いの出したじゃないですか?」


「ああ、Magico A3!あのモデルは結構売れているようで、でもマジコの音ではないような気もしますね」


「あれはもう・・・うちでも持ち込んで試したけどあれはヒドイですね(笑)ぜんぜんダメですね。
まっったく設計していないですね(笑)で、話聞いたら、とんでもない話聞いちゃったんですけど、
なんとネットワークを部品メーカーのムンドルフが設計しているんですって(笑)
ええ!?それは・・・・ダメでしょ。マジコが設計しないと。要するに
何が言いたいかと言うと、フォステクスの、長岡さんの考え方と同じなんですよ(笑)
箱の容量が何リッター、ユニットの特性がどんだけ、クロスオーバーがどんだけだから
このネットワークで良いというですよと、ムンドルフが設計して組み上げただけなんで(笑)
だからぜんぜんダメですね(笑) 僕も造りからいうと安いんで、店に入れようかと思いましたけど
でもあんなんいれちゃったらそれこそアンプの選別も間違っちゃいますよね(笑)
YGは性能が高いだけにセッティングきちっとしてやると、生きてくるんで。
そこはうちはノウハウもってるんで、お手伝いさせてもらえると思いますから。
FMにしてもYGにしてもウチは長いことやってますからね(笑) 全部積み重ねなんですよ。
僕は理詰めでやって、最後は聴感で追い込むっていう。ヨアヴと考え方は一緒なんですよ
だから仲が良いんですよ(笑) ヨアヴはもう僕の事を凄いリスペクトしてくれて
僕は位相 (各ユニットのスピード感の揃い) 関係すんごいうるさいんで、
ちゃんと作れよと、発注させてもらってだからワイヤリングもバイワイヤではなく
シングルワイヤになりましたけど。シングルワイヤもうちからの発注で、
世の中にバイワイヤが多いのは、アンプメーカーに都合がよくてアンプが倍売れるから(笑)
ヨアヴはもともとネットワークの設計者でしたでしょう?ネットワークはもともと
しっかり出来上がっているけど、ワイヤリングの長さだとか、数とかによって
レスポンス(反応)変わっちゃうんで。バイワイヤ端子の場合、僕はクロスにして
繋ぐことが多いんですけど (襷掛け接続) 基本、バイワイヤの場合はぜんぜん位相の事
考えてないでしょ?って。ヨアヴも最初、バイワイヤで出してくるから」
「こんなもん、ダメじゃん」 って言って、彼も分かってて、
「ダメだよ」
「ダメだけど、ディストリビューターが、スピーカーもこの方が売れるし、アンプが倍売れるから
バイワイヤにしろって言ってくるんだよ」
だからそれで作ってる、本当はシングルの
方が良いに決まっている。じゃあうちのもシングルで作ってよって
言ったら
「分かった、分かった」 と。カーメルって小さいYGあるでしょ?横浜の
お客さんが自宅試聴したいというので、
(コアの筏さんが)東京のAccA(代理店)まで
行って、試聴機をもって一緒に行ったわけです。それはバイワイヤのデモ機でした。
YGの木村さんにどっちから繋ぐのがいいの?って聞いて、こっちだよって聞いて
繋いで音出ししたら、お客さんも
「ああやっぱりYG良い音だよね」
その後コアでシングルワイヤで発注して納品したらすんごく良い音で!
思わずヨアヴに電話して 「これなんか換えただろ?」
「いやなにも換えてないよ
シングルにしただけだよって」
木村社長もこの音を聴いてビックリして
それからもうデモ機は全部シングルワイヤリングにしちゃったっていう(笑)
コアではお客さんには「シングルで作りますか?バイワイヤで作りますか?」
っていう選択は出来るようにしているんですけど。さきほどの話、
バイワイヤだと位相狂っちゃうんで。
「アンプ二台は必要ないんですね(笑)」
「アンプ二台にしちゃうと、駆動力だとかは良くなるし、確かにユニットの

干渉はなくなるんだけど、アンプのレスポンスの違いがモロに出ちゃいますね」

 

 

「同じアンプでも?」

 

 

「同じアンプでもダメですね・・・シリアル揃えてもダメ」

 

 

「だってアンプの中何百って部品入っているでしょう?部品の個体差がでちゃう」

 

 

「FMくらいだったらねぇ、選別して特性揃えて作ってるんで、シリアル連番で
作ってって言えば限りなく合うんでしょうけど」

 

 

「ほかのメーカーだったら・・・・・僕ねぇ、色々とやったっすけど、ダメっすわ、バイアンプ」

 

 

「合わない(笑) フッと一台のアンプでやるとものすごくまとまるんですわ(笑)」

 

 

「これなにかっていうと、やっぱりアンプは、ちょっとバラつくんでしょうね」


「筏さん、DD66000はどうするのが一番音がいいですか?」


「バイワイヤ―接続のシングルアンプですね。スピーカーケーブルは同じ長さで揃えてね」

 

 

「DD66000はシングルアンプで、FM411一台で鳴りますか?」


「鳴りますよ。僕は鳴らすところまで持って行けます。上位機種になれば

出力も大きいんで、低域の解像度も違いますし、もっといいですけど
電気的に鳴らせるか鳴らせないかというと鳴らせるんですよ、それはセッティング
による違いが出るんですよ。鳴るか鳴らないかを分けるのは電源の取り方もそうですし
インシュレーターもね、ダンピングがね、ゴム系の足使っちゃったりしたら絶対鳴らないし
ちゃんとセッティングすれば鳴ります」「マルチはね、僕のお客さんでマルチやってる
人は結局みんな嫌になっちゃって止めていますからね(笑)」




「マルチは鮮度感とか音の濁りの無さとかユニットから出てくる音の勢いとか

全然違うんで、音質の改善という意味では、絶大に改善効果が大きいんで、

これしかないって思いますけど、やっぱりダメですか?」


「マルチはバラバラの音になる(笑)」

 

 

「ああ~!そうそう!それ!そうなんですよ(笑)」



「で、あるときネットワークに繋げてシングルで鳴らすと、あ!スッゲー!
なんか安心する(笑)ってなっちゃうんですよね(笑)あの一体感っていうかね。
マルチはだから、どこまで行っても音はまとまらないんですよ」

 


 

「YG XVjrを聴いたんですが、東京のインターナショナルオーディオショウでは鳴ってなくて

大阪サウンドコレクションでは感動しました。けれどあれだけ大規模なシステムで

ユニット一杯使っているからネットワークの音が濁っているようには思いましたね」

 

 

 

「僕はね、スピーカーって上位機種は音のクオリティが上なんじゃなくて
スケール感が上なんだと思っているんですよ。
だって、だってね?技術的には
全部同じもん使ってますからね?XVも今回お聴きいただいたヘイリーの2.2も
ツィーターもハイブリッドツィーターだし、ユニットのマグネットが違うわけでもないし、
ただね、広くてでっかい場所で鳴らす場合は、ヘイリーよりもXVの方がいいですよね、
ホラ、合わないじゃないですか?部屋の大きさに対してスピーカーの大きさがね。
だから日本家屋で、10畳とか12畳とか20畳とかでね、XVを鳴らすとしたらね、
僕はもっと広い屋でXVを鳴らしたいと思いますけどね。もっとリスニング距離を取って
やらないと、ユニットがいっぱい付いている分、合う距離がもっと遠くにあると思うんですよ。
近くにない。やっぱりユニットの数が少ない方が干渉も少ないし、エネルギーを出すために
ユニットの数を増やしているだけなんで、クオリティ的には絶対少ない方が良いんですよ。
ヘイリーの方が日本の部屋にちゃんとマッチしてるし、きちんとセッティングできるし」




「ソーニャ2.2の音に関してはどうですか?」



「ソーニャ?あれはユニットが小さくなってバーチカルツインで、中域に独特の濃厚な音があって、
捨てがたいんだけど、背が高くなって、広い部屋が欲しくなりますよね。値段も1100万を越えているし
価格と音でいうと、カーメル、あれは本当にビックリしますよ!奥行きなんてこんなちょっと
しかないし、2wayだけどね、カーメルを聴いた事が無いんですか?聴いたらビックリしますよ(笑)」

 

 

 

「昔ねぇ、3~4年前かな御茶ノ水かどこかで音展?なにかイベントがあって、
木村社長が快く、
「いいよ貸してあげる」 っていうからカーメルを借りてきたわけです
YBAシグネチャーのアンプやCDプレイヤーを売りたくて行ったのに、お客さんみんなカーメルの凄さに
びっくりしちゃって、
「本当にこれが鳴ってるの?こんなに小さいのにこんなに凄いの?」って話題になったんです」

 

 

「うちではお薦めはカーメルとヘイリーです」「で、最近バンテージっていうのが出たんですよ
3wayでヘイリーよりちょっと小さくて、ウーファーも少し小さい。日本家屋で
きちんと鳴らせる、うちでのお薦めは、
カーメル、バンテージ、ヘイリーです


(カーメルはヨアヴの小さい息子さんの名前で、ヘイリーは娘さん、ソーニャは奥さんですね。
最初のアナットって誰の名前だったか・・・・・バンテージはどこから命名したんだろう?)

 

 

 

「FMは凄いです。うちはお店でやってるんで、一般のお客さんみたいに買わなくっても、
全国からメーカーがボンボン機材を
「試してくれ」 って持ってくるんですけど、
だから、物凄い数のアンプを試すんです。でもやっぱりFMにはまだ勝てないですね」



 

「筏さんは毎年インターナショナルオーディオショウにも必ず行かれている
熱心な方ですし、ドイツ ミュンヘンのハイエンドにも行かれていますよね」



 

「ミュンヘンは何百というブースがあるんですよ(笑)それで数日しかないから、
もうブース入って、ちょっと聴いて、はい、次、はい、次みたいな(笑)
そんな感じで次々聴いていくんですけど、音の良し悪しって入った瞬間分かるんです」



「マニアとしての経験があると、ブースに入った瞬間に音の良し悪しは判断できますよね」


「やっぱりFMには敵わないです。YGを凄い音で鳴らしているブースもありましたけど、
ちなみにそれはね、D級アンプでした」



「おお!それはFMと比べたらどうですか?」


「いやいや(笑) だってクラスDですよ(笑) 省エネアンプですよ(笑) アッハッハ(笑)」


「中古FMは個体差メチャメチャありますよ。だから本当に気を付けないと、
新品だと個体差はないように作って貰ってますけど、だからさっきみたいに
トランスが大きくなって、すごくダンピングファクターが上がっているのに
低音が膨らんで柔らかくなっちゃって、これはFMの音じゃないねって、
FMのマヌエル・フーバーからすれば本末転倒の話であってね、
それはセッティングちゃんとしてないだろ!って話になっちゃうんでね。
僕らはちゃんとお客さんのところまでヴォイシングしにいくんでね、
高い製品なんでね、運送会社で送ってハイ終わり、じゃなくてね。

キチッとしてお客さんにね、喜んでもらえるようにしないとね」

 

 

 

「FM411は200Vにすると凄くないですか?」

 

 

 

「確かにパワーアンプはいいんですけど、プリだけ100Vにしちゃうと、電源位相差ってのが
出ちゃってデメリットもでるんですよね。
だからうちではやってないんです」

 

 

「そういえば確かにお店さんだから簡単に200Vにできるのにやってないですよね」

 

 

 

「具体的にはどんな影響が・・・・?」

 

 

 

「ああ、モジュレーション掛かっちゃうんで、定位がね、パン!と良いときはねバァ~と広がったりね、

定位が良くなったりね。周期的にモジュレーションが掛かっちゃいますんでね。

気が付いていないお客さんいっぱいいらっしゃいますね。電源の取り方とかしっかり換えて

あげるとね。すると、「ピシーツとした音」 がするんですよね。ピントが合うんですよね」





「ヴァルハラのケーブルはパッと聴くとゴージャスで「うおおおおっ!」って
思うんですけど、ヨルマに戻すと、とっっても自然なんですよね。
僕はケーブルとかアクセサリー類で色付けしたくないんで、
ヨルマデザインのユニティっていうのが、一番忠実ですよね、
真ん中のクラスですけど」

 

 

 

「折衷というか、ヨルマとノードストのヴァルハラを混ぜるのはどうですか?」

 

 

 

「うーん、ケースバイケースですけど、一概にこうはいえないですよね・・・・・・
たとえば、同じヨルマだったらいいのかって、オリゴとユニティ上のクラス
を混ぜるとぜんぜんダメなんですよ・・・・・・」

 

 

「ユニティだけで独立して使っていって、それは合うんですよ。オリゴが
合わない・・・・・」「一個だけオリゴだとかデュアリティとか№2だとか
混ぜると全然ダメなんですよ。あたらしく出たトリニティってのも
そういう傾向にあるんですよね。トリニティも合わないんですよ」

 

 

「例えばFMでRCAとXLRのケーブルを作ってくださいって言われると
ほとんどのお客さんはユニティを選ばれますね」

 


コアの音は確かに自然で長時間ずっと聴いていられる音なんですよね。

切れもあるし音像リアリティも高いし、さり気ない高級感が漂う極上の再生音にわざとらしさがない。

 

筏さん、素晴らしい音と、貴重なお話し本当にありがとうございましたm(__)m