奈良交通
奈良交通
撮影地:京都府
撮影日:2011/09
車両詳細:奈良交通旧々塗装 いすゞ BA20 川崎重工ボディ
車両撤去済
以前掲載いたしました京都交通の廃バスと同じ敷地内に存在していた奈良交通のいすゞ BA20のツーマン車。中扉だけの大変珍しい車両です。ネット情報より場所を特定し、現地に赴き、所有している企業様の社長様も快諾してくださり一部車内の撮影も叶いました。この場を借りて撮影の許可をいただけた企業様及び社長様にお礼申し上げます。
この車両は恐らく奈良交通の長距離路線であった奈良大仏前~新宮駅を結ぶ特急バスであったと推測いたします。当時は熊野市駅を経由する「北山ルート」という新宮駅まで行く路線の2路線があり、そちらは三重交通と協議し熊野市駅までの急行バスを新宮駅まで延長運転を行っていました。
当時の奈良交通は長距離の路線を次々と開設し、多くの長距離路線を保有しておりましたが、北山ルートのような奈良県~三重県~和歌山県と3つの県を跨ぐような路線は全国的に見ても異例だったのではないでしょうか。この車両は「山城」と名称がつけられています。奈良交通はBA20を大量に導入しており、主に山岳および狭隘路線で活用していたようですが、この車両も例外では無かったようです。
車体は特徴的なマルーンのカラーが色褪せて社紋は無くなっておりますが、ライト類なども残っており面影を十分残しています。
敷地内ということもあり、真っ先に欠損しやすいウィンカーが残っているのは大きいですね。運転席側はカバーこそ外れていましたが地面に落ちていました。
ワイパーは片側のアームのみ残存。
外された社紋。サイドの奈良交通の文字も消されておりますし、一旦は解体屋にでも置かれていたのかもしれません。
方向幕は抜かれています。ツーマン車両ながらワンマン幕がありますが、過去の写真を見ると「特急」の表示で運行されている写真を見かけました。
当時らしいブルーのルーフマーカーが残っておりました。
なんと運転席側はミラーが欠損せず残っていました。
ツーマン車で前扉は無く、安全確認窓が設置されています。
扉のエアーコックの下に「山城」の文字。
この鹿のシンボルだけで分かる人にはどこの事業者かバレバレですね。
この車両につきましても、同様に内部の撮影許可が出ておりましたので失礼することにいたします。しかしながら、車内は倉庫として活用されており、荷物の量が多く部分部分でしか撮影しておりません。
ステップ部分には整理券車の文字。
バスを降りてすぐの道路横断は危険です
優先席のステッカーもそのままです。
備品で隠れてしまっておりますが、当時の路線図も残存していました。
降車ベル。
照明は円形のスピーカーと一体の物。
車内の掲示物やステッカーがそのまま残されていることから、当時の面影がうかがえますね。
当時の広告です。
運転席周辺はこのように物が大量に置かれてしまっておりほとんど確認できませんでした。前扉があったらこうはならないんでしょうが・・・。
外へ。建物と、もう一台の京都交通の車両があるのでサイドビューは撮影できません。現在は撤去されていますが、これは撤去も大変だったのではないかと思います。
奈良交通の文字は塗りつぶされています。
ホイール。
敷地内からでは、リアはこのカットが限界でした。このリアスタイルということはBA20のド初期のモデルのようですね。
バス発進にご協力くださいの文字。
いすゞのエンブレム。
敷地外より。実は、このタイプ、全く同じ中扉のみのBA20の奈良交通の車両が倉庫として残存しています。特殊用途の車両が複数残っているということ自体奇跡のような話だったのですが、残念ながらこちらの車両は老朽化もあり撤去されてしましました。
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