インディーズゲームの楽曲制作について思うこと。 | やまもまや日記。

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作曲と歌で活動しているサウンドクリエイター
「やまもまや」こと山本由貴子の日記です。
音楽活動のお知らせや日々の生活のことなど。

寒くて床暖房の上でぬくぬくしながら紅茶を飲むのが恋しい山本由貴子です。

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて2017年10月10日にリリースされたAndroid/iOS用ゲーム「魔大陸の傭兵王」

の一部BGMの作編曲を担当しました。

 

 

Android版

https://goo.gl/iRBuv2

iOS版

https://goo.gl/bHNkxQ

 

ゲームを制作している「Team 犬も歩けば」さんはデザイン&企画担当と

プログラム担当の2名で制作している小さなインディーズのゲームチームですが、

ゲームとしてとてもよく作られているので、

デッキを組んで戦ったりファンタジーの世界観がお好きな方は

ポチっとダウンロードして遊んで頂けると嬉しいです(基本無料です)。

 

今回、曲を制作にするにあたりフリーランスの作曲家・サウンドクリエイターとして

色々思うことがあったので、ブログに書き留めます。長いです。

 

 

■BGM制作の経緯

前作「傭兵王」で過去に自分が作ったオリジナル曲をゲーム中に使ってもらったのを

きっかけに、「Team 犬も歩けば」の企画担当くたずみんさんより

「新規で戦闘中のBGMを作って頂けないか」とお話を頂きました。

1曲だけ依頼が来たのは予算に限りがあるからとのことでした。

 

仕事として考えれば1曲だけ作るのでも良かったのですが、作曲以前に

ゲームのサウンドクリエイターとしての情熱がぐつぐつと煮えたぎってしまい(笑)、

インディーズとはいえ限られた予算でどうにかして少しでも音で世界観を

表現できないかと思い、くたずみんさんに相談しました。

 

■サウンド作業を増やしてもらいました。

くたずみんさんが私の提案に興味を示して下さり、サウンド制作の予算を増やして

いただく代わりに私は以下の作業を担当することになりました。

 ・メニュー画面の追加BGM制作

 ・フリーのBGM素材を基本的に使用するが、ゲームで使用するBGM選曲も行う

 ・シナリオ中のBGMの実装(どのシーンでどのBGMを鳴らすかを指定)

 ・各所足りないBGMは私の方で制作して補完

・・・という流れになりました。

 

私が楽曲の「一部」のみを制作しているのはそういう経緯があったりします。

(BGM以外にもちょっとだけSEも作っています)

 

■制作した楽曲の、自身による発信

上記サウンド作業を担当する前にくたずみさんにもう1点相談したことがあります。

それは「制作したBGMの著作権を自分側に残して、素材として売っても良いか」

という相談でした。

 

ゲーム音楽の仕事は買取りなことが多いのですが、そうすると自分で

制作した楽曲を許可なく自分でSNS等に発信することができません。

(場合によっては何に携わったかも言えません)

 

有り難いことに上記相談についてはくたずみんさんより快諾頂き、制作した曲は

SoundCloudにアップすることが出来ました。

 

 

この施策は太鼓の達人のナムコオリジナル曲でも試しています。

やっぱり作った曲は自分から発信したい!

 

■ロイヤリティーフリー素材化してみた

また、今回頂いた対価は商業作品に比べてどうしても安くなってしまうため、

BGMを素材化することでペイできないかという考えました。

「インディーズだから安くていいよ!」と言いたかったのですが、

フリーランスとして自身を食いつなぐのに結構必死です。

 

というわけで、BGMの一部は素材用に編集してオーディオストックでも

販売してみることにしました。

オーディオストック・山本由貴子のページ

 

「魔大陸の傭兵王」用にカスタマイズしたBGMなこともあり、汎用性に乏しいため

「コレ素材として使えるのか?」・・・と私も手探りな感じですが、登録された次の日に

早速売れました。ありがたやーーー!!!

最初は5点しか素材を登録できなかったのですが、登録が無制限になったので

他のBGMやジングル、SEもこれから登録予定です。

 

制作の前提条件が「素材」となると途端にモチベーションが下がる私ですが、

折角なので自分で脳内設定を使ってちょっとずつ書き溜めようかと思いました。

 

 

■反省点

色々あります。

 ●やっぱり全曲作りたかった。

  もうちょっと曲を作るペースを上げたいです。

 ●効果音も含めてサウンドデザインしたかった。

  どうしても気になる個所だけくたずみんさんに指摘して、効果音を追加で

  制作したり「ここはこう鳴らしてほしい」とお願いしたのですが、それでも

  サウンドクリエイターとして気になることは一杯。

  もう少しサウンド面で商業作品に近づけたかったです。

 

久々に長文になってしまいましたが、作曲家としてだけでなくゲーム制作のクリエイター

として関われる方が何倍も楽しいなあと思い知らされる、今回の曲作りでした。