人事や給与をブラックボックスにしておくメリットとデメリット | OWNDAYSの社長のブログ

人事や給与をブラックボックスにしておくメリットとデメリット

 

なんで世間の会社は人事や給与を

ブラックボックスにして

社員たちの目から隠すんだろうか?

 

「誰々をマネージャーにしようと思っている」

 

「誰々を役員から降格させようと思う」

 

「誰々の給与は5万円アップさせた」

 

「誰々の給与を10万下げた」

 

別にやましいことがないのなら、経営陣は正々堂々と

全ての人事考課の過程や給与をオープンにすべきだし

その方が、社員からも余計な不信感も持たれず

経営は安定するじゃないか。

 

きっとオープンにしないのは

経営者は依怙贔屓とか、やましい事があるからだ!!

 

そんな風にずっと思っていたのだが

最近なんとなく一般の会社が人事や給与を

ブラックボックスにしている理屈が

わかったような気がするので

今日はそんなことをメモがわりに書き留めておこう。

 

 

OWNDAYSでは最近、店長の人事制度を根本的に刷新した。

今までは「大型店」と「一般店」の2職種だけで

大型店の店長は管理職店長で残業代込み35万円

一般店長は普通職で残業代別の基本給25万円という設定だった。

 

しかし、この2職種だけだと

国内の店舗数も150店舗を超え

店舗の売上規模も下は3000万円台から

上は1億円以上と3倍以上の差が出てきていて

担当店舗の規模によって

所属スタッフ数もかなりの差があり

店長業務の負荷や、与えられた予算の責任などにも

差が出過ぎるようになった。

 

そこで、新たに【Jリーグ制】という制度を設けることにした。

少し細く説明すると

店舗の規模を売上別に5段階に分け

それに合わせて店長の階級も5段階に分ける。

店長の給与ベースや待遇も

世間一般の大手小売りチェーンと比較して

見劣りするようになっていたので

このJリーグ化の移行に伴い

全体の給与水準も1段階引き上げて

採用競争力のある給与体系へと変えることにした。

 

Jリーグ制の内訳は簡単に説明すると以下の通り

J1全体の5% 年収540万円~

J2全体の25% 年収480万~

J3全体の40% 年収420万円~

J4全体の20% 年収384万円~

J5全体の10% 年収360万円~

 

給与以外にも上のクラスになる程

店長の裁量権は増え

J1だと採用や販促の計画立案等々

地域を統括するSVと同等の決済ができるようになる。

 

そしてこの10月から

新制度への移行に伴い

一度、全店の店長を対象に解散総選挙を行い

改めて各店舗ごとに立候補を募り

プレゼンを行い店長と本社スタッフ

管理職で投票を行い人事を決めなおす事にした。

 

早速、10月には

まず第一回目としてSVとJ1店長の解散総選挙が行われた。

 

この選挙をやってみて冒頭の

 

「なぜ世間の企業が人事や給与をブラックボックスにするか?」

 

の理屈が少しわかったような気がする。

 

今回のSV&J1解散総選挙は

候補者それぞれの人生が如実に垣間見えて

僕の経営者人生20年の中で

最も胃が痛くなる選挙だった。

 

 

社員は皆、立候補をするにあたって

「どこそこのお店指定で店長になりたい」

「九州や沖縄など希望の地域内ならどこでもOK」

「全国どこでもOK」

 

など、個人の希望を先に宣言してから

選挙に臨んでもらうことにした。

 

 

 

 

当たり前だが

候補者それぞれに、それぞれの事情がある。

 

親の介護や、障害者の子を持つなど

家庭の事情で長時間の通勤ができなかったり

引っ越しができず今住んでる街から出られない人。

 

独身で身軽な為

チャンスがあれば全国どこにでもいける人。

 

降格になって減給になると

家のローンで生活が苦しくなる人。

 

子供が産まれたばかりで

数年後なら移動できるが、今は居住地域を変えれない人。

 

重い病気を克服して

通院闘病しながら会社に復帰してきた人、etc....

 

立候補者それぞれの想いや事情を聞いていくと

単純に現在の仕事内容だけを見て

優劣や順位をつける事に躊躇う場面が山のようにあった。

 

今は良いパフォーマンスを出せていないが

OWNDAYSが苦しい時代に大きな貢献をしてくれた人もいる。

 

ここで、普通の会社なら

その時の実力や結果だけでなく

個人個人のこうした事情を鑑みて

バランスを重視した人事をするのだろう。

 

あの人はベテランだが、最近パフォーマンスが悪い。

しかしここで降格減給させてしまうと生活もあるし

余計に本人のモチベーションを下げてしまうのではないか?

場合によっては退職も考えるかもしれないから

もう少し様子を見てチャンスを与えようか…

 

 

あの子は新人で勢いもあるしパフォーマンスも良いが

まだ経験も浅いし年齢も若いから

いきなり昇格せても

周りがついていかないかもしれない

ここはもう数年様子を見て

段階的に昇給昇格させるのが良いだろう…

 

 

こんな感じで経営陣は

数字では割り切れない部分を

感情も交えて判断していった方が

組織運営上は「無難」なのだろう。

僕もそうしたい場面が山のようにあった。

 

 

今まで

人事や給与をブラックボックスにするのは

経営陣にやましいことでもあるんじゃない?

と短絡的に考えていたが

確かに半沢直樹的な社内派閥みたいなものがある会社もあるだろうが

 

みんながみんな

必ずしもそうではないのかもな…

と改めて痛感した。

 

でも一方で、そんな個々の複雑に絡み合った

「仕事のパフォーマンスの外側」

にある事情を知らない人達から見ると

その人事は一部の人達にとってだけ都合の良い

不公平な人事に映ってしまい

 

働く皆んなにとって

バランスの良い人事を行った結果

それが会社に対する

不信感になってしまうという

大きな矛盾をはらんでしまうのだろう。

 

 

OWNDAYSは、そういう個人の事情は一切関係なく

完全に公明正大な選挙で

投票結果も含めて全てをガラス張りにして人事を決めているので

そんな個人の事情がもろにぶつかりあって

選ぶ方も、選ばれる方も皆んなで胃が痛くなる事になる。

 

 

 

今回の店長解散総選挙は

まさにそんなOWNDAYS的な人事の集大成だった。

 

今回の選挙で

自分の希望するポジションを得られずに

会社を去る人も出てくるかもしれない。

みんなに評価されていなかった現実を突きつけられ

腐ってしまう人もいるかもしれない。

 

またその逆に

普通の会社なら何年も待たないと回ってこないチャンスを

数段飛ばして手に入れてやる気に満ちている人もいる。

 

人事をある程度ブラックボックスにしておいて

情実を踏まえた人事を行い全体最適を図る。

その場合、安定して働ける人が増える一方で

やる気のある若手を腐らしてしまう可能性がでる。

 

人事を公明正大にして全員参加させることで

個人の事情によっては

本来の力を十分に発揮してもらえないベテランが出てくる一方で

やる気や実力のある若手の力を即戦力として活用できる可能性がある。

 

結局、どちらが良いのか正解はなく

どちらを選んでもメリットとデメリットのトレードオフは

絶対に発生してしまうので

最終的には経営陣がどちらのトレードオフを選択したいのか?

それしか判断のしようはないのだろう。

 

僕は、面倒臭い事や、非合理的な事が嫌いだし

性に合わないので

目を逸らしたい個人の事情から逃げないで

正面からぶつかり合わせて

勝ち残った人を会社の中心に据えて

システマチックに人事を決めていく方が

自分の経営のスタイルに合っているし

胃の痛い想いもするが、モヤモヤがなく

晴れやかでスッキリする。

ただそれだけだ。

 

 

でも結果、OWNDAYSは

僕が社長になってからの12年間

ずっと増収増益で成長できているのも事実なので

OWNDAYSのこの人事の選挙システムは

今のところOWNDAYSにとって間違ってはいないだろうし

このカルチャーを今から変えるわけにもいかないので

当面の間は今のやり方で進めていくつもりだ。

 

 

あまり人を傷つけずに

 

「和を以って貴しとなす」

 

それも日本的で良いのだが

僕が想うに真に強い組織とは

 

「競争と協力が共存できている状態」

 

ではないかと思う。

 

そのためには

時に傷つくことや

残酷なことにもしっかりと向き合っていかなければいけないと思うし

それが自分たちを成長させてくれる糧になると信じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の選挙で

落選した人達を救う唯一の解決策は

みんなで協力して会社を更に成長させて

今回落選した人たちが

1日も早く再び返り咲く場所を

新たに作ってあげることしかない。

 

選挙に勝った人たちも

目の前で落選した仲間を見ながら

僕と同じ感情を抱いていくれていると信じている。

 

コロナ禍で世界が大変動し

多くの大企業が守りに入らざるをえない今この瞬間は

OWNDAYSのようなベンチャー企業にとって

業界のパワーバランスを変え

一気に成長して世界の檜舞台へと駆け上がる

大きなチャンスの時でもある。

 

その為には

何がなんでも

「競争と協力が共存する強固な組織」

 

を1日も早く作り上げる必要がある。

 

 

ということで

人事や給与がブラックボックスなのも

そんなに悪いことでもないんだろけど

 

OWNDAYSが

そこをブラックボックスにすることはないので

ここまで読んで

 

「このコロナ禍で

自分の実力一本で一気にチャンスを掴んでのし上がりたいぜ!」

 

という血気盛んな方がいたら

是非OWNDAYSに転職してきてください。

 

特に大手チェーン店で店長や管理職経験のある方を大募集しております。

 

転職1年目は選挙までの猶予期間として

前職の給与をベースに支給しますので

そこは安心してください。

 

2年目からは実力勝負になりますので

あなたの実力次第で一気にマネージャー職や

経営層への昇進も十分可能性あります。

もちろん降格して減給される可能性もありますが。

 

頼もしく力強い仲間が加わってくれることを

期待しております。

 

 

以上、今回も華麗なる求人募集のステマでした。

 

 

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