『バカがつける化粧品』  | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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という本があります。

これは今から10年以上前に刊行された本で、

著者は「小澤 王春(たかはる)」氏。


この本以外にも数々の化粧品評論関係の著作を手がけています。


化粧品の効果効能に対して

当時としては画期的な持論を展開して消費者から大きな支持を得ていました。


『化粧品に頼りすぎると肌の状態をかえって悪くする』


というメッセージを消費者に発信してきた先駆者でもあります。


実際にいくつかのその著作に目を通すと

大部分でかずのすけの主張と合致する点もあります。


「化粧品で肌を若返らせることはできない」

「化粧品の役割は薬効効果ではない」



などなど、

その当時としてはかなり鋭い指摘をしてきた人物なのは間違いありません。





ただかずのすけとしては、

この小澤氏の主張はちょっと問題があるな、と感じるところも多いのです。


丸々反対というスタンスではありませんが…。



特に「合成界面活性剤」についての氏の主張は

とにかく『過激』と一言で称せることでしょう。




例えば氏に言わせれば

「クレンジングオイルと台所用洗剤は同じ仲間」
(小澤王春「バカがつける化粧品」p.4より)

ということです。



その『同じ仲間』ということを示すために行われているのは、


「水とミネラルオイルを入れた試験管にクレンジングオイルと

台所用洗剤を加えて撹拌すると、どちらも乳濁して混ざり合う」

という非常に簡素で取り留めの無いものです。

 

 



確かに界面活性剤の何たるかをよくしらない人にとっては

このような実験を目の前で見せられれば驚く気持ちも分かりますが、


ある程度界面活性剤を知っている人からすれば

クレンジングオイルに用いられる界面活性剤は

『非イオン界面活性剤』

という皮膚刺激が弱く安全性の高いものであったのに対して、

台所用洗剤に入っているのは

『陰イオン界面活性剤』

でやや刺激があるものの発泡性が高い性質の種類のものです。


しかもクレンジングはベースが油で界面活性剤も油に溶けやすいもの。

台所洗剤はベースが水で界面活性剤は水に溶けやすいもの。



確かに界面活性剤が入っていることは間違っていませんが、

それを同じくくりにしてしまうのは科学者としてどうかと思います。




また様々な記述について、

とにかく合成界面活性剤は全て悪となるようです。



ただの塗布化粧品に入っている高分子の非イオン界面活性剤すら、

「合成界面活性剤だから肌バリアを壊す」

の一言で、まるで辻斬り状態です。


今では幾多の論文で安全性が認められている

『アミノ酸系界面活性剤』も、

「合成界面活性剤だから危険」

と一蹴していますし、


単に溶液をゲル化するだけの『合成ポリマー』についても、

「ポリマー中で皮膚常在菌が生きていけないから危険」

と言って否定しています。


実際にはポリマーなんて1%程度しか入っていないので、

化粧品の塗布面積の1%しか存在しないということです。

そんな微量成分で常在菌が死ぬなど言いがかりも甚だしいのですが…(-_-;)




あと、かの悪名高き

『毒性判定』

という考え方を最初に提唱したのもこの小澤氏です。


この考え方では、

『合成界面活性剤』と『合成ポリマー』をとにかく悪く考えており、


本来は全くその刺激性などを考慮する必要のない成分まで毒性有りと評価されます。


これによって一体どれくらいの消費者が誤った認識を植え付けられたことでしょう。


『合成界面活性剤・合成ポリマーは危険!!』


という考え方に踊らされ、

そういった考えを悪用したメーカーの作る低品質の化粧品に手を伸ばして大変な目にあった消費者は

恐らく10や20では無いと思います。





化粧品の問題点について鋭く指摘するというのは素晴らしいことで、

僕もその姿勢には賞賛を送りたいと思います。


ですが

科学的な情報を相手にするならもっとちゃんと勉強してくれと言いたいです。


この人の本を読んでいると、


界面活性剤については

非イオン系も陰イオン系も両性イオン系も全部まとめて「合成なら✕」。

でも石けんは合成でもOK。


ポリマーも合成は✕。

でも合成エステル(合成オイル)は○。

(1%の合成ポリマーの中では生きられなくても、
5%の合成エステルオイルの中では常在菌は生きられるのでしょうか。)



その主張は一貫しているように見えて、

全く統一性がありません。

統一性も無ければ科学的な根拠にも乏しく、

さらに専門性にも欠けると感じます。



化粧品に頼りすぎることで肌が弱っていくという主張には僕は概ね賛成ですが、

「合成だから悪いんだ」という主張は肯定しかねます。


僕からすれば石けんだって使いすぎれば十二分に肌バリアを破壊しますし、

合成の界面活性剤も使い方次第でとても優秀な働きをすると言えます。





この小澤氏は現在の「合成物質=危険!」という風潮を作り上げた仕掛け人の一人でもあり、

主張は似ていますが

僕にとってはある意味対立関係にある人物と言えそうです。




…とは言えもう結構良いお歳でいらっしゃいますので、

今後何か活動することは無いと思いますけどね…。。苦笑







ちなみにご本人は「ゼノア化粧品」の代表取締役。

結局これだけ化粧品の問題を延々語っておきながらしっかり化粧品売ってます。


ゼノア化粧品 公式ホームページ


ただの石けん1個1000円。

エタノールベースの化粧水100mlで4500円。


…なるほど善良的な価格でいらっしゃいますね…(苦笑)







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