出資者募集について、よくある質問と解答②東京電撃映画祭プロデュース友松組新作「シザーチンP」

＞もし目標金額を達成しなかったらどうするのか、前もって教えて欲しいです。

＞今回、出資させていただきましたが、8月25日までに目標金額に達しない場合、出資金額を返金してください。当然ですが、仮にイベントが開催されても参加いたしません。

●目標金額に達しないことは充分に考えられますが、それで作品の製作がなくなるということはありません。ご説明しますと、映画の現場費用というものは、ピンキリです。我々が手掛ける低予算Vシネマと呼ばれる作品においてもそうです。例えば俺自身の監督作品で例をあげますと「STACY」（２００１）は、三千五百万円でした。まあ、加藤夏希が主演だったりして大掛かりですが。「ゾンビ自衛隊」（２００６）は一千五百万円です。「レイプゾンビ」（２０１１）は大きく下がって二百五十万円です。こう並べると、その予算で作れるんだ！　という印象を持つかもしれませんが、作れるわけです。もちろんキャスティングやスタッフ人員やセットや美術は大きく見劣りしますが、それでも作れます。この二百五十万円というのは２０１１年当時の低予算Vシネマの平均的な製作費と言えるかもしれません。さて、同じ「レイプゾンビ」シリーズで考えると、２０１３年と２０１４年に製作した続編２、３と、完結編４、５は三百万円の二本同時製作です。つまり、一本あたり百五十万円ですね。一本あたりの製作費としては百万の減額です。２０１７年現在、これはさらに下がることが予想されています。メーカーによってはすでに百万円を切っているという話も聞き及んでいます。同時に企画内容が採算の見込める無難なものばかりになりつつあります。ちょっとエッチな大人の女の青春ものとかどうですか、とか言われたりします。もちろん仕事であれば何でもやるのですが、もっと非常識で攻撃的で公序良俗に反旗をひるがえすのが好きな俺友松としては、どうにもつまらない。もっと自由に反社会性を持って作れないか、と常々思っております。だがそれではCSや海外に売れず、レンタル店からも敬遠されて回収できないとメーカーから嫌われます。だったら、自己資金、というのが今回の企画でもあるわけです。そのような不自由な製作状況を打開しようというわけですね。目標製作費を二百五十万円としたのは、２０１１年に立ち返った製作費なわけですが、これはあくまで理想です。これだけあれば、無理なく製作できるな、という金額です。でもそれは、これだけなければとても作れない、という金額とは言い切れません。格闘場面の擬闘にスタントを使うのをやめたり、特殊造形を新造ではなく他作品の借り受けて使い回したり、血糊をメイク用の高価なものを使わずに安価な食紅や水彩絵の具で代用したり、機材やスタジオや人件費を値切ったり踏み倒したり、まあ、屋内場面を河原のオープンに変更するだけでスタジオ代が浮いたりしますよね。ロケバスをレンタルせずに電車で現地集合にすれば車輌費も浮きます。その代わりスタッフキャスト個々の負担が増えたり、遠方ロケができなくなったり、そこを妥協するかどうかの判断になるわけです。各場面、ワンシーンワンシーンに妥協を重ねれば、製作費は抑えられます。忸怩たる思いで、断腸の思いで抑えるわけですが、やってできないことではありません。まずは作ることに意義があると考えております。だから、製作費が目標額に達しなかったからといって、製作を中止するということはありません。現場がそれだけ苦労する、スタッフキャストが大変になる、ということです。まあ、それでも足りなければ、あとは俺友松が自腹を切ったり借金したりすることにもなるかもしれません。繰り返しますが、目標金額に達しなくても「不成立」で製作中止にはなりません。だからこそ既存のクラウドファウンディングに頼らず、全部一から自分たちで仕切っているわけでもあります。

もちろん、それでも返金をご希望でしたら、返金します。

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