自分の発言に「うん」を多用する人がいる。
時折だと気にならないが多用されると耳障りだ。
耳障りでも止めてとはいえないから余計に耳障
りに感じ、結局言っていることが頭に入らない。

彼らは何故こうも「うん」を多用するのだろうか。

「うん」を多用する人の心理は心理学では
確認作業と考えられている。
ただしこれは、たまに「うん」を使う人の場合。

相手にちゃんと伝えようとか、
間違ったことを言っていないかな?とか、
あれ、何か言い忘れていないかなとか、
自分が行った発言の確認を行うために使われます。

本質的に間違いを嫌い、正しい話ををしようと
しているのです。
まあ、よそ行きの心理とでも言いますか、気のお
ける仲間での会話ではあまり使いません。

慎重に伝えたい、間違いたくない、正確に伝えたい
こんな諸々の心理が「うん」に凝縮されているの
です。

これが「うん」を多用するしだすと少しニュアン
スが違ってきます。

 否定されたくない
 指摘されたくない
 間違っていることを認めたくない

こんな心理が働いています。
あらかじめ自分で肯定することで相手の意見
を封じ込めてしまおうという心理が働いてい
ます。

本来「うん」は肯定するときに使う言葉です。
普通は相手の発言に対する相槌に使われます。
自分の意見を肯定する時には使わない言葉です。

にもかかわらず、自分で自分の発言に対して
使うということは、そこになにがしかの心理
が意図的に働いていると見るのです。

その心理とは、相手に意見を否定される前に
手を打つという心理です。
有無を言わさず自分の意見をねじ込もうとし
ているのです。

この場合の「うん」は自分の発言に対する肯
定文のあとに使われます。
たとえば

「昨日の晩は11時に寝たんだよ。うん」
(肯定文)
「昨日の晩ご飯は、秋刀魚食べたよね。うん」
(YESの可能性の高い疑問文)


答えが肯定的なYESとして、わかっているものに
対してわざわざさらに肯定する「うん」を使う
ということはそこまでして状況を固めないと安
心できない気持ちの現れととらえるのです。

「うん」を多用する人の傾向としては上記の
理由から

弱みを見せたくない
間違いなどで痛いところを衝かれたくない

と言う心理が隠されています。

このタイプの人は外見的には大まかに二つの
タイプに分けられます。

伏目がちで自信のなさそうなタイプの人と、
口数が多く虚勢を張ることでそれを隠そうと
するタイプ

今まで書いてきたように「うん」は、自分の
行為や結果を正当化するために使われます。
ですから、このタイプの人は成果や結果を重視
するよりは、自分の身を守ることを重視します。

裏を返せば、成果や結果を出す能力は劣ってい
ると考えているからこそ虚勢を張るのです。
つまり、能力が劣っていると自覚するがゆえに
「うん」を使ってしまうのです。

こんな人が、否定や指摘をされると、極端な
二つの対応タイプに分けられます。

一つは、気の弱い自信のないタイプ。
この人は指摘されると急速にしぼんでしまい
ます。表に出すか出さないかは別として、極
度の悲しみを胸の内に秘め、指摘した人との
付き合いの距離が遠くなる傾向にあります。

ナイーブですから表面上は何もなかったよう
にふるまいますが、心の中では相手に対する
強い憎しみが渦巻いているのです。

もう一つのタイプは
自分の弱みを虚勢で隠そうとするタイプです。
このタイプはプライドの高い人が多く、指摘
や否定を受けると、激しい怒りを示します。
しかし、人間関係を切る勇気まではなく、ず
るずると言葉を交わさない関係を続ける上に、
陰口を叩く傾向にあります。


いずれにせよ
「うん」を多用し続けると、長い目で見る
と周囲の信用を失います。
なぜなら、行動では示せないことを言葉で
フォローする態度がだんだんと明らかにな
り、周囲がそれにうんざりするからです。
深い関係の友人が減り、交友関係が定着化
しない傾向がでてきます。

では、「うん」を多用する人とはどんな風
に付き合えばいいでしょうか。

一番いいのは付き合わないことですがそう
もいきません。

このタイプが上司の場合は、当然指摘や
否定をするのは避けたほうがいいでしょう。
否定はこのタイプにとってタブーです。
虚勢を張るタイプであれば、プライドを傷
つけられたと思いどこか地方に飛ばされる
かもしれません。
長い物には巻かれろ。
我慢しかないです。

このタイプが部下の場合はどうでしょうか。
仕事や企画など、進める前と進行中の話し合
いがもっとも大切です。
自分が仕事を与る上司であれば、結果を出し
て仕事を完結する必要があります。
このタイプの部下に仕事を100%任せると、
結果は出ません。しかも、中途半端な結果を
後になって指摘し、否定し、責任を取らせよ
うとすると必ず反発を受けます。

陰性の反発なら、陰口や仕事の足を引っ張る
など。陽性の反発なら、怒鳴ったりさらに上
の上司に直談判をしたりなどです。
必ず、仕事のプロセスでよく話を聞き、結果
に結びつくように誘導してあげます。
任せる事が最悪の結果に陥る場合があり得る
のがこのタイプの人です。
協力し、それによって、成果が出た場合は
その功績を100%部下の力だと評価して、
結果を出すことに自信を持たせることが重
要です。

このタイプが恋人、夫婦の場合はやっかい
です。
本来避けたほうがいいタイプですが、意の
ままにならないのが世の中です。

自分を肯定しなければ不安になるこのタイプ
を、鬱陶しいと感じるのであれば、付き合わ
ない方が無難です。
その弱さを認めることができ、相手のことを
十分に思う気持ちがあるのであれば、リラッ
クスさせてあげることです。

 「間違ってもいいから、思うこと言って」
 「肩肘張らなくていいから、ゆっくり話
  してみて」

などと言って接してあげる必要があります。
相手に何かを求めてもロクな結果になりません。
全てはあなたの気持ちにかかっているのです。
あなたが妥協し、あなたが教育し、あなたの
優しさしか救う道はありません。

それができないのならば、別れるしかありま
せん。

救う方法は「うん」の多用をやめさせること
です。

二重肯定しなくてもいいと教えてあげましょ
う。
本人がきずいていない場合も多いのでまずは
それとなく教えてあげることです。

「うん」と言うのが癖みたいだよと。

しかし虚勢を張るプライドの高いタイプの人
にはこの方法は逆効果になる場合もあります。 
自分から変える気のない人には、どのような
アドバイスも耳に届きませんが、もし、本人
も気づいているのなら治る可能性があります。

でも本当は、人から教えられるのではなく本
人が気づき直すことが一番なんです。

それまではあまり露骨にこのことには触れず
当たり障りない対応を続けるしかないと・・

厄介なんです

うんを多用する人は。









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