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日経 偶然生まれる変異ウイルス ワクチンで加速の恐れも

テーマ: コロナ 変異株

偶然生まれる変異ウイルス ワクチンで加速の恐れも

2021年1月28日 日本経済新聞

 

(ウィルスは感染を続ける限り変異する。ウィズ・コロナでは変異株を生じ続けるので、ゼロ・コロナ状態にしなければ脅威はなくならない。)

尾身茂への対案⑤児玉龍彦教授 変異株の怖さ 悪循環からの出口戦略 ゼロコロナへの工程表

変異した新型コロナウイルスが世界で急速に広がっている。世界保健機関(WHO)によると、英国に続いて南アフリカやブラジルからも見つかった。なぜ変異が起きて、一気に拡大したのだろうか。

 

 

ウイルスの変異は珍しいことではない。ウイルスは自力で増えることができず、人などの細胞に入り込み複製しなければならないからだ。複製では体内に持つ「RNA」や「DNA」といった遺伝情報を記録した物質をコピーする。その際にコピーミスが起きて生まれるのが、変異したウイルスだ。感染を続ける限り避けられない。

 

新型コロナの遺伝情報はRNAに刻まれている。RNAは4種類の塩基という物質が数珠のように並んだ構造をしており、新型コロナは約3万の塩基からなる。コピーミスが起きる頻度はウイルスによって違う。

 

ただ変異しても必ず人などに感染するわけではない。コピーミスしても、ウイルスとして増えないこともあるからだ。変異したウイルスがうまく増殖できれば体外に出てほかの人に感染し、変異は受け継がれていく。いわばサイコロを振った出た目で変異が決まるような偶然の産物だ。新型コロナの変異が受け継がれる間隔は平均15日。約3万ある塩基が1カ所ずつ変わる。

 

ウイルスのゲノム(全遺伝情報)を分析するサイト「ネクストストレイン」によると、中国で最初に見つかったウイルス以降、これまでに最大38の塩基が変異したウイルスが報告されている。

 

同じウイルスのインフルエンザも変異する。インフルエンザにはウイルスの表面にあるたんぱく質の種類から「H1N1」「H5N1」など複数のタイプがある。「亜型」とも呼ばれ、RNAにある表面たんぱく質の遺伝情報のうち3~6割が変わった巨大な変異だ。このため亜型が異なるとワクチンは効きにくい。

 

こうした変異がやっかいなのは、まれに感染力や病原性が強いウイルスが誕生するからだ。感染力が強まると、同種のウイルスとの競争に勝って一気に広まる。専門家の分析によると英国型や南アフリカ型などの変異ウイルスが現在は全体の約4割を占め、勢力を増している。

 

変異したウイルスの感染力が高いかどうかは、どこの遺伝情報が変異したかで決まる。英国型や南アフリカ型はウイルスの表面にある「スパイク」というたんぱく質で変異が起きている。スパイクはウイルスが細胞に侵入する際に細胞表面にあるたんぱく質とくっつき、感染の足がかりになる重要な役割を持つ。

 

英国型はスパイクと細胞表面にあるたんぱく質がくっつきやすくなる可能性があるとされている。英国政府は英国型の変異は従来に比べて感染力は最大7割強いと公表している。

 

この変異で感染者が増える恐れがあると専門家はみる。東京大学教授の飯野雄一さんは英国政府などが公表したデータから英国型の感染力がどれほど強いか分析した。1人の感染者がうつす平均人数(実効再生産数)は従来型の1.48倍になるとして試算。仮に従来型の1日の新規感染者が300人の状態で英国型に10人が感染すると、4カ月後の新規感染者は従来型で1000人、英国型で7000人まで増えるとした。

 

飯野さんは「人の接触を大幅に減らさないと感染拡大は防げない」と指摘する。

 

1910年代に世界で大流行したスペイン風邪では第2波の死亡率は第1波に比べて大幅に上昇した。変異が原因とみられ、新型コロナウイルスも流行が長引いて感染者が増え続けると、致死率の高いウイルスが出現しても不思議ではない。

 

一方、昨年末から接種が始まったワクチンの効果はまだ失われていない。英ファイザーなどは開発したワクチンは変異したウイルスにも効果があるとしている。ワクチンを接種するとスパイクの様々な場所に対する免疫ができるため、たった1つの変異で効果が大きく減る可能性は低いと考えられる。

 

今後心配されるのは、大きな変異をともなった新型コロナの誕生だ。ワクチンや抗ウイルス薬の普及によって変異が加速する恐れもある。北海道大学教授の迫田義博さんは「今後ワクチンなどで変異が今以上に出現すると、新型コロナにも(大きな変異を伴う)タイプが生まれる可能性がある」と指摘する。

 

ただ東海大学講師の中川草さんは「免疫や抗ウイルス薬から逃れる変異ウイルスが広がると、感染力が逆に弱まることもある」と指摘する。実際薬剤耐性のエイズウイルス(HIV)が出現した際、その治療薬の使用をやめると、もとのHIVが広まったという。(藤井寛子)

 

ウイルス たんぱく質の殻の中に遺伝子が入った小さな病原体。自力では繁殖できず、生き物に侵入して寄生しないと生きられない。ウイルスは細胞に潜り込んで自身をコピーした後、細胞を壊して外部へ飛び出し、ほかの細胞に入り込む。新型コロナのように遺伝子がRNAからなる場合、変異しやすいとされる。殻の外側に膜がない「ノロ」などはアルコールを与えても生き残れる。

同じ病原体である細菌は自力で分裂して増えるため生き物であるとされるが、ウイルスは自力で増殖できないため非生物とされている。

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