きよの漫画考察日記1183 からくりサーカス第27巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

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この勝の涙の意味があなたには分かりますか…?

お月様

さてさて。さんざん過去を振り返ってきたからくりサーカス、それもついに終わりです。あとはこのピースをはめ込むだけです。
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これさえハマれば全ての物語が繋がります。逆にこれさえハマっちゃえばからくりサーカスはそんな複雑な物語ではありません。

そんなわけで貞義の記憶をダウンロードされた勝の口から、ついにその人物の名前が語られます。
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からくりサーカスの物語から完全にその気配を消していた白金こそが才賀貞義でありディーン・メーストルだったんです。だけどね、これが最後のピースだというわけでもないんです。最後のピースはもう一個あるんです…


つーわけで物語は再び230年前へ。
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やはり全ては銀と金の兄弟がフランシーヌと出会ったところから始まっておるんですよね…

そんなわけで兄である銀がフランシーヌを奪う瞬間を目撃してしまった金。
「あんなに…あんなに…」
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白金の心が壊れた瞬間ですな。彼の心はここから230年間壊れっぱなしです。


そしてここからが核心。フランシーヌを攫い、そして永遠に失った白金でしたが、ある計画を思いつきます。
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クローンの人間は作れます、現代科学で絶対に作れます。がしかし問題はその記憶を伝達できないという点です。この点を解決する時、その時こそ人間が不老不死を手に入れる瞬間なんでしょな…

さて計画は思いついたものの、それを実行するには年老いていた白金、この手段に出ます!
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アクア・ウイタエに自ら溶け、それを飲んだ人間に全人格を伝達する、たしかに生まれ変わりです。白銀、白金、フランシーヌの3人から始まった物語は、それぞれが溶け込んだアクア・ウイタエを飲んだ鳴海、ディーン、エレオノールの3人の物語へと紡がれたわけですな…

そんなわけでディーンへと生まれ変わった白金、フランスへ戻り彼女と出会ってしまうわけです。
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ディーン=貞義がアンジェリーナ及びエレオノールに固執していた理由、それは彼女たちがフランシーヌの生まれ変わりだったから。これでようやくからくりサーカスの過去の全ての物語が現在に繋がったわけです。ここまで読むのに挫折した読者も結構いそうな気もしますが、ここまでを理解してしまえばあとは楽です。

つーわけでからくりサーカスの主要人物全員の過去がこれで出揃い、それを見てきた勝。
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「ぼくは、全部見てきたよ。ぼくにおきた全部の理由がわかったよ…」
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「みんな…普通の人達だったんだ…それが…小さな…ほんの小さな歯車のズレで…どんどん大きな不幸になって…みんなちょびっとでも幸せになりたかっただけなのにさァ…そして最初の不幸が二百年たっても続いてる…自動人形…ゾナハ病…なんだよォ!」
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だからこの先勝は闘うんです。誰も幸せになれなかったからこそせめてエレオノールだけは幸せにするために。鳴海が最後にエレオノールのために闘ったのは愛のためですが、勝はその動機がちょっと違うんです。白金の記憶と正二の記憶の双方を見てきた勝にとって、からくりサーカスの主要登場人物全ての身に起きた不幸を知ってしまった勝にとって、その闘う動機は「不幸の連鎖の断絶」なんじゃないかなぁ…



つーわけでこの後ホントの最後の1ピースがハマります。ディーン・メーストル=才賀貞義=白金だったということは分かりました、じゃあ今白金はどこにいるんだというと………すでに登場済みだったんです!
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漫画史上に残るぶっとび展開です。当時これを初めて読んだ俺は間違いなく「マジかよ⁉」と唸ったはずです。これほどの意外性を含んだストーリーの漫画は他には無いと思ってるんですがね、俺は。この真実を踏まえた上で最初からからくりサーカスを読むとまた面白いもんですよ…