今回も当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。 さて今回ご紹介するのは、建物の見上げた感じを修正できるシフトレンズです。前玉が大きく出っ張っているので、前枠にフィルターを取り付けることはできず、フロントキャップは15mmレンズと共有のかぶせ式のものとなっています。イメージサークルが通常レンズに比べて大きいそうなのですが、普通のレンズと比べてみて画像はどうかな、と今回チェックしてみたいと思います。

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このレンズは、Kシリーズに属しており、オリジナルは1976年(40年前!)に発売されています。それ以来、マウントが変更されることなく2003年のカタログでも販売されていたことを確認しました。終売の時期についてはよくわかりません。途中で大文字の「SMC」から小文字「smc」に変更されているようで、私のものは小文字タイプです。この個体は、オークションでかなり安値で放置されていたものを救出しました。思ったより状態がよく(前のオーナーさんもあまり使わなかった?)、でもどうやって使ったらいいの?ということで、防湿庫の肥やしになっています。
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後ろから見ると、シフトをするときにレンズが移動するレールが確認いただけます。後ろの赤のマークは、レンズ着脱指標ですが、これが360度ぐるぐるクリック付で回転します。緑色のところから上のリングを回転させるとレンズが左側に移動します。つまり、上下、左右にこのレンズはシフトできることになります。が、どう使ったらよいのか、いまだ理解できておりません。
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カメラに取り付けたイメージですが、明らかに普通のレンズと違うバランスです。この写真は右側にシフトさせています。このほか特徴あるのは、このレンズは実絞り込みとなっているので、最初に上下段の絞りを両方希望の絞り値に合わせ固定し、一旦下段の絞りリングをf3.5に合わせてピント合わせをしてから、おもむろにシャッタ―を押す前に上段の絞りリングに合わせて絞り込むという手順になります。三脚を使うことが前提になっているということですね。今回は、シフト機能を使わないこのレンズの実力をチェックしたいと思います。使い方を習得した後、シフト機能を使った作例をアップしますので、ご了承を。。それでは、テスト撮影した画像をご覧になっていただこうと思います。遠景から撮ってみました。上段からf3.5、f8です。(共通:K-3、ISO100、上段:1/500、下段:1/100)
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f3.5から、色調はクリアで描写自体は画面全体で均質です。隅に行っても光量が不足したり、像が流れたりしていません。描写自体は線が太く柔らかくなります。文字とかは、拡大してみると若干滲んだりしています。とはいっても、実用になるレベルと思います。f8まで絞ると、画面全体が引き締まってシャープな感じが向上します。とはいえ、びしっとした感じではなく、少し柔らかいところが残っている感じです。次に近接撮影です。上段からf3.5、f8です。(共通:K-3、ISO100、上段:1/100、下段:1/20)
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f3.5から、合焦部分の描写は素晴らしいです。全体的に若干露光が不足している感じになりました。ボケは、広角レンズではよくある輪郭が目立つ傾向があり、背景はちょっとうるさいですね。ボケはF3.5ということもあり、あまり求めるのも酷かと思います。f8に絞ると、画面全体のシャープネスが一段向上します。このレンズは、絞って使うのが吉なんでしょうね。
今回は通常機能だけでしたが、安定した性能のレンズということを確認しました。なるほど、21世紀まで生き残っただけのことはあります!いつか、シフト機能を使った作例をご覧になっていただきたいなと思います。もう一本確かKマウントの28mmレンズがあったはずなので、次回はそれをご紹介したいと思います。