【今年も柿の接ぎ木をしてみました】
今年は菜種梅雨の様相を呈してきましたね、曇天&雨続きで玉ねぎなどはベト病の蔓延が心配になってきました。今月はもう一度予防の為ジマンダイセン水和剤を散布するようかもしれませんね。
さて、そんな曇天の合間を縫って、今年も昨年に続き柿の接ぎ木をおこなってみました。
昨年は興津20号柿を接いで見たのですが見事に成功!15年ぶりの接ぎ木でしたが無事に上手くいって良かったです(3本接いで1本成功でした)
今年は近所で甘いと評判の次郎柿を接いでみます。
この次郎柿は持ち主の先代があちこちから味の良い枝を貰っては接いで育ててきただけあって、ちょっと他にはないコクのある甘みを持った次郎柿なんです。もしかしたら、次郎柿の優良系統か?糖度の高い枝変わり?かもしれません。
これは気になるということで・・・
そんな次郎柿の剪定枝を年始に我が家の祇園坊の剪定枝と交換トレードでいただきましたo(^▽^)o
頂いた次郎柿の剪定枝(穂木)は乾燥しないように濡らした新聞紙で包み冷蔵庫で春まで保管。
今年の接ぎ木に備えて、一昨年、昨年と渋柿の種を蒔いて接ぎ木の土台となる台木も育ててきました。いよいよ育ててきた台木が活躍する時ですね!
接ぎ木をするにあたり、いくつか用意するものがあります。
・穂木(今回は次郎柿)
・台木(穂木を接ぐベースとなる渋柿)
・切り出し刃(無いときは小刀、かなり鋭い切れ味の物を使う)
・剪定ハサミ
・水を入れたコップ(調整した穂木を乾燥させないため)
・マスキングテープ(接木用テープ「メデール」の代わりに使用、ビニールテープは不可)
・接ぎ蝋またはキャンドル用のろうそく(接ぎ木テープの「メデール」を使うときは無くても良い、蝋でマスキングテープをコーティングして乾燥防水対策をする)
・綿棒または要らない筆(蝋を塗るのに使います)
くれぐれも刃物で指を切らないように注意してください。サクッといきますので慎重に願います。
1、まずは穂木の調整から始めて行きます。
穂木は芽を2芽残して切ります。写真の様に穂木と台木はなるべく太さが近いものを用いましょう。
芽のあるほうが外側、無いほうが台木と密着させる内側になります。
内側と外側では切り方がちょっと違います、角度の違いは写真の通りですよ。
台木と密着させる内側はこのように良く切れる刃物でスッと皮を削いで、形成層部分を出します。
この形成層同士が密着癒合すると接ぎ木成功となりますよ
調整した穂木は使うまでは水に漬けて乾燥を防ぎます。
3、台木に穂木を差し込むための切れ込み(くさび)を入れます。
この時力加減が難しく刃物がスッと滑って指を切りやすいので気をつけてください、慣れてない方は刃物の下側には指を絶対に置かないこと!
4、3で入れた台木の切れ込み(くさび)に調整した穂木を差し込みます。
台木と穂木を密着させることがポイントです、この時に隙間が出来たり合わない場合は穂木の調整をやり直しましょう。
台木と穂木の形成層同士をガッチリと噛み合わせるように差込みます。
5、差し込んだ穂木が動かないように気をつけながら、マスキングテープをキツク巻き付けて穂木と台木を密着させます。
隙間が出来ると乾燥するので、隙間が出来ないようにマスキングテープを綺麗に巻きましょう。
接ぎ木テープ「メデール」を使う場合はとても楽なのですが、今回は紙テープと蝋を使った古典的な方法でコーティングをしていきますよ。
丸印のところは隙間が出来やすいので特に注意してテープを巻いて下さい。
7、マスキングテープの上から溶かした蝋を塗り、隙間をしっかりと埋めます。
これにて接ぎ木は完了です。今後、穂木から発芽して順調に枝が伸びていけば接ぎ木は成功、もし芽が出てこなければ接ぎ木は失敗です。
今回は4本の台木に接ぎ木を行いましたが、接ぎ木は必ずしも上手くいくとは限らないので下手な鉄砲も数打ちゃ当たるというわけで・・・、渋柿「祇園坊」や不完全甘柿「禅寺丸」の一部の枝にも残った穂木「次郎柿」を接ぐ高接ぎ法も合わせて行ってみました。高接ぎ法だと台木が必要無い、早期の結実が狙えるといった利点もあります。
どれか一つでも接ぎ木が成功するといいな~(^▽^;)
昨年は確立1/3本でしたので、今年は3/7本あたりかな?さ~てお楽しみに(^_^;)