オーストラリア発♪Shokoの映画と旅ノート

安楽死を考える。オーストラリア映画「ラスト・キャブ・トゥー・ダーウィン」Last Cab To

テーマ: [映画]
ここのところとても忙しくてブログ書けませんでしたが、昨日はとうとう今年の仕事納めでした!
お昼から職場のクリスマス・ランチにいって、おしまい!今日から夏休みです。
やった~。自由の身を楽しむぞ~

というわけで、まずは先日テレビでみた2015年のオーストラリア映画のレビューです。

原題は「ラスト・キャブ・トゥー・ダーウィン」Last Cab To Darwin。
直訳すると「ダーウィンへの最後のタクシー」です。

安楽死の問題を背景に、死生観やオーストラリアの白人と黒人との関係などが描かれたロードムービーで、人生のペーソスを感じるドラマです。
現時点で日本未公開ですが、高齢化社会の日本でも興味がもたれる内容だと思うので、せめてDVD化されればいいのに、と思います。



主人公は末期ガンで余命三ヶ月と宣告されたタクシー運転手のレックス。
身寄りのない彼は、ノーザン・テリトリーのダーウィンにあるクリニックで安楽死の処置がうけられると聞いて、ニューサウスウェールズ州のブロークンヒルから、3000キロ以上のドライブをして、ダーウィンに向かいます。


3000キロ、、日本列島横断が約3000キロといわれるので、一人でタクシーを運転していくのは本当に長旅だというのがわかります。それも日本のように充実した道の駅があったり整備されているわけではなく、砂漠のアウトバックを走る旅。

この話はマックス・ベルさんという実在の人物をモデルにして2003年に書かれた舞台劇で、それをもとに映画化された作品だそうです。

大陸横断してタクシーで向かう死出の旅、、。
映画賞も受賞し、評判がいいのも知っていましたが、あまり楽しみにしてみるようなテーマではないので、鑑賞が遅くなりました。
でも深刻で重いばかりではなく、オーストラリアらしいユーモアもあり、見やすい映画。
演技のクオリティも高く、本当に見てよかったです。

安楽死は人間の権利だとは思うけれどそれに伴う問題は確かに存在していて、一筋縄ではいきませんね。
旅の途中で会う人々との関わりから、自分の生き方を振り返り、死ぬ前にまず生きること、そしてそれを人と分かち合うことの大切さを認識していく主人公の姿をみて、いろいろ考えさせられました。

例えば母はもう10年も癌で苦しんできて、尊厳死協会にも加入していて、その時は頼むね、と私たち家族に言っているけれど、もし安楽死が許可されていたら、母はもうこの世にいないかもしれない。
母にとっては辛い闘病だったけれど、おかげで私は今もまだ母と会うことができる。
そんなことを思ったりもしました。

ところで安楽死、と書いてきましたが、安楽死と自殺幇助には違いがあります。
以下「したらば掲示板」より引用


第三者が意図的に死亡処置を行うことによって安楽死は起きます。
例えば、死亡注射や対象者を窒息死させるためのプラスチックバッグを投与することが安楽死だとみなされています。
一方で、もし対象者が自分自身で死んだ場合、それは自殺ほう助とみなされます。
医者により死ぬことを目的として薬を処方してもらい、それでオーバードーズを行って死亡すれば自殺ほう助です。
医者が死亡注射の針を患者の皮膚に刺した後で患者自身が薬を挿入すれば
その場合も自殺ほう助となります。


オーストラリアでは1995年にノーザンテリトリーで医師による末期患者の自殺幇助を容認する法案が可決され、4人の癌末期患者がニチキ医師の幇助で自殺しました。
でも1997年にこの法は無効になり、現在では積極的安楽死は違法になっています。

日本語の説明はこちらです。

ニチキ医師の開発した自殺装置がこの映画にもでてきますが、私は同じものを2013年にタスマニアのMONA美術館でみました。


この写真はネットからお借りしました。
MONA美術館のブログ記事はこちらです。



実在の人物マックス・ベルさんは、6日間の旅の途中で誰も同乗者を乗せなかったし、その頃、ノーザンテリトリーでは積極的安楽死が合法であったにもかかわらず、医療関係者などが合意するサインが必要で、三週間ダーウィンの病院で待ったにもかかわらず、誰からのサインももらえず、失意のうちにまたボックスヒルまで自分でタクシーを運転して戻り、苦しみのうちなくなったそうです。

映画では、主人公のレックスは道中アボリジニの青年と英国からワーキングホリデーで働いていた看護婦の女性と出会い、ともに旅をすることになり、最後には自分が人には秘めていたアボリジニの女性との愛情を認めて心に平安を得る。

現実と比べると夢物語かもしれないけれど、こういう描き方をしてくれてよかったです。
主人公を演じるマイケル・ケイトンさんはオーストラリアの俳優で、私が大好きな「The Castle(ザ・キャッスル。1997年製作。エリック・バナのデビュー作でもあります)」というオーストラリア映画で超ポジティブで愛すべきお父さんを演じていた人。コメディセンスのある彼が、それを抑えた素晴らしい演技でこの映画に深みを与えてくれたし、助演俳優さんたちもとてもよかった。アボリジニの青年のマーク・コールズ・スミスさんはなかなかのイケメンで、これからもっとブレイクするかもしれません。

4つ星です。いつか日本でも見られるといいですね。




Last Cab to Darwin - Official Trailer

とてもオーストラリアらしいヒューマンドラマ。おすすめです。



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