前回も貴人清次濃茶を取り上げましたが、なかなか長いお点前で写真も枚数が多くなり難しいことでした。
今回はもう一度前回撮れなかった部分も撮れましたので載せる事にしました。
貴人清次とは、ご貴人にお供の方がおられる場合のお点前です。
明治のころに出来たお点前ですので、現代にはあまり流行らないとは思いますが、習い事としては天目茶碗の基本の動作と二服立ての変化とあって大切なお稽古の一つです。
お濃茶ですが、貴人にまず一礼して入ります。
つばを持ち替えて、勝手付に仮置きします。
茶入れを横に移動するとつばを持って持ち替え、置き合せします。
次に建水に柄杓、蓋置きを仕組んで入ります。
水屋にはお供の次茶碗を用意しておきます。お濃茶では一緒には持って入りません。
柄杓引いて総礼をします。
膝前に貴人茶碗、茶入れを取り込んで、茶入れを清めていきます。
茶杓を清めると茶筅、茶巾と出して釜の蓋を開け、お湯を汲みます。
中蓋はいつものようにします。
茶筅を入れるとつばを両手で持ち、手前に引きます。
最初の茶筅通しは2度上げて3度打ちます。
貴人茶碗は置くとき、取るとき手を添えます。
茶入れからお抹茶を入れるときは、もう一つ茶碗があるので全て掬いだしで廻しだしは最初はいたしません。
ここはいつもの濃茶の流れです。
茶が立つと台を両手で持って、客付きまで回ります。
客付で右向こうと廻し正面をいつものように向けて出します。
貴人茶碗を出すと左右と下がり、膝退といいます、手を付いて控えています。
貴人の一口でお服加減を聞いたら、無言で右左と進み、居まいに戻ります。
居まいで袱紗を腰に着けて、勝手付に移動して建水持って水屋に下がります。
水屋に用意してあるお供のお茶碗を右手に載せ、千鳥板も懐中して清めた建水を持って戻ります。
元の居まいに座り、茶碗と建水は使うところに置きます。
次茶碗の茶筅は建水の肩に、
千鳥板を懐中からだし炉ぶちの角の反対側に二つ目に置きます。
千鳥に畳んだ茶巾を千鳥板の上に置きます。
お供の茶筅は、間違えないように煤竹を使うのが正式ですが、なければ新品のものでないほうが良いと思います。
茶筅通しも間違えないように、一回づつ減って行きます。
お供の肩の茶碗では最後ですので廻し出しがあります。
次茶碗で飲まれた正客にお服加減を聞きます。
二服目の結構で茶巾を釜の蓋に移動します。
水差しの蓋も開け、水を釜に入れます。
水が入るのを合図に正客はお茶銘、お詰など聞きます。
中仕舞がないのが特徴です。
貴人のお茶碗が戻ったら、廻ってとり居まいで一礼します。
ご貴人にお仕舞いたしますと一礼します。
お供の茶碗が戻ると取り込み、一礼して片付けます。
最後の茶筅通しはサラサラと濯いで一度打ちで上に上げません。
千鳥茶巾を茶碗に入れるとすぐ千鳥板を懐中します。
拝見に出すのはお供の方が取りに来るので、いつものように出します。
貴人清次では、お薄もお濃茶も貴人茶碗を下げるときに一礼します。
少し、いつものお濃茶と違い難しいようですが、それぞれ理由を考えてみると理解が深まると思います。
長い、枚数の多いい記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
最近、当たり前のことだったんですが、私はカメラの設定をオートでいつも撮影していました。
バッテリーも早くなくなり、生徒さんにも永くピカピカと光る中でお稽古をしていたのです。
今回初めて高感度撮影を使い写真を撮らせてもらいました。
この頃は、なかなかお点前を撮ることが少なくなりました。
こんなに細かく撮ったのはしばらくぶりです。
生徒さんの協力にも感謝しています。