"この星のことがとってもスキになれる"みたいな話 | 肯定ログ

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好きなものは好きと言います。肯定ペンギンなので。備忘録。

皆様こんにちは。
以前から書きかけて放置していたぶんがあったのと、Aqours 2nd Live HAPPY PARTY TRAIN TOUR名古屋公演も終えたこともあり、ちょうどいいかなと思って合わせて書いてみました。

タイトルからお察しのように、「GALAXY HidE and SeeK」のこと、そしてすこし名古屋公演のこと。
いつものように「この世界にはこんなことを思う人間もいるんだな」程度に思って見てください。

もしよければ最後までお付き合いくださいませ。


・「GALAXY HidE and SeeK」の魅力

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Aqoursユニットシリーズ 「AZALEA」2ndシングルとして2017年5月31日にリリースされた「GALAXY HidE and SeeK」。
6/12付の週間オリコンランキングで4位にランクインしました。

宇宙的な時空旅行を想起させるメロディ。
宇宙という想像もつかない大きな存在から「あなた」へ収束する、マクロからミクロへの世界観。
初めて聞いた時から一瞬でこの曲の世界に惹き込まれていました。

結論から言うと「GALAXY HidE and SeeK」という曲の魅力は、「"何か"や"誰か"との運命的な出逢いの喜び」と「自分の生まれや運命・人生の全てを肯定させてくれる」ところにあると思っています。

それについて、「キャラクター」と「歌詞」、そして最後に「実体験」の観点からこの曲について考えてみました。


1.「キャラクター」から見るGALAXY HidE and SeeK

・松浦果南

彼女のプロフィールには、趣味に「天体観測」とあります。
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内浦で見ることもあれば、山の上で見ることもあるようです。
"さみしかったずっと こころ通じあう人はどこでしょう?"
と歌われているように、1番は孤独感を感じさせるものになっています。
僕の住んでいる街からそう遠くない場所に天文台があるのですが、随分むかし天文台にて星を見ている時、自分はなんて小さな存在なんだろうと、孤独感のようなものを感じたことがあります。
もしかしたら果南にもそんな思いがあったかも、と考えました。

そして、果南といえば欠かせない要素として「海」があります。
スクフェスのサイドストーリーで彼女はこんな事も言っています。
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"おーーーっきいよね、海って 私がいてもいなくても、海はいつでもそこにあるっていうか……とっても安心する 嬉しいことも辛いことも、海ならなんでも受け止めてくれるんじゃないかなって思う"

果南は海を見てこんなことを考える感性の持ち主です。
天体観測をして「星の海」を見ている時、果南はこれと似たようなことを感じるのではないでしょうか。

これはまた「歌詞から見るGALAXY HidE and SeeK」にて後述しますが、果南の趣味が天体観測であることと、HAPPY PARTY TRAINでセンターを務めていることにも意味があります。


・国木田花丸

花丸といえば、趣味が読書の文学少女であることは有名ですね。
そんな花丸の愛読書に、静岡県沼津市出身の芹沢光治良 著「人間の運命」があります。
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そして彼女自身も「人間の運命」ということばを気に入っているのか、色々なところで発しているのです。

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"これも人間の運命と思ってがんばるずら!"

"それにしても人間の運命って不思議なものだなぁ オラがまさかアイドルになって歌ったり踊ったりするなんて"(1stSG 君のこころは輝いてるかい?/はじめましてのご挨拶)

"ひろい世界 それは運命"
GALAXY HidE and SeeKのなかにも「運命」というワードがあり、花丸と「運命」的な何かには切っても切れない縁があると言って良いでしょう。

花丸にとっての運命的な「何か・誰か」は、TVアニメ4話のインパクトもあり、黒澤ルビィとの出逢いだったのではないかと考えています。
幼少期には津島善子との関わりがあった描写がありますが、アニメ1話にて幼稚園以来会っていなかったことが言及されています。
花丸が本の世界に閉じこもるようになったのは、善子と離れてからの小学生から。
中学生になり、"こころ通じあう人"、黒澤ルビィと出逢えたことは花丸にとって運命だったのではないかと考えています。

最後に、花丸と「宇宙」について。
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"図書室はいつしかマルの居場所となり そこで読む本の中でいつも空想をふくらませていた"(TVアニメ第4話 ふたりのキモチ)

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"マルとあなたの2人だけが、違う星から来てるみたいじゃない?"(スクフェスサイドストーリー/2人だけの星)

花丸は宇宙にも憧れがあるのか、たびたび宇宙的要素が見受けられます。

そして、TVアニメ5話「ヨハネ堕天」のなかでこんなセリフも発しています。
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"これが本当の自分なのかな?って もともとは天使みたいにキラキラしてて、何かのはずみでこうなっちゃってるんじゃないか?って"(TVアニメ第5話 ヨハネ堕天)

このセリフは、GALAXY HidE and SeeKの歌詞にある"もしかして本当のわたしは地球じゃないところで生まれたかも"と同義だと捉えました。

自分の運命というより、宿命を悲観しているかのようです。

国木田花丸というキャラクターが「運命」や「宇宙」に関わりの深いものであること、自分の人生に悲観的な面を持っていたこと。
ここにGALAXY HidE and SeeKを歌うメンバーとしての意味があります。


・黒澤ダイヤ

ラブライブ!サンシャイン!!BD5巻をお持ちの方は、付属の小冊子をご用意ください。
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Aqours' Sea Side Diary 黒澤ダイヤ編 を交えてお話したいと思います。

"わたくしの生まれた黒澤の家は──この内浦で十五代を数える、古い網元の家です。"
"そんな家に生まれたからには義務もあることを──昔から教育されて育ってきたわ。"
"だから、一見恵まれた環境に生まれたように見えても──わたくしに将来の自由はないの。この家を継いで、──内浦を守っていかなくては。それが、他の誰にもできないわたくしの──多分1番の義務。"

"その運命に逆らうことは──この内浦を捨てることになるのだもの。"

"生贄は1人で十分。"


中略していますが、要点を抜粋しました。

はじめてこの小冊子を読んだとき、高校生の女の子が自分のことを「生贄」と呼ぶことにひどくショックを受けました。

自分のことを「生贄」だなんて言ってしまう人生って、それこそ"本当のわたしは地球じゃないところで生まれたかも"と現実逃避に至るのではないでしょうか。

本音か建前か、向いてないという理由から妹には生贄の役目を押し付けようとせず、代々続く家系という"迷路"のなかにひとりで居る箱入り娘。

僕はサンシャイン!!のキャラクターの中では黒澤ダイヤが一番好きなので、好きなキャラが自分の人生について悲観的であり、あまつさえ既に達観している様子がひどく悲しくて、どうにか救われてほしいとさえ思いました。

このダイヤ編のことが心の奥に刺さったまま数ヶ月が経ち、GALAXY HidE and SeeKの発売を迎えました。

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"その日の夜。自室のテラスから夜空に輝く星を眺めながら──。思いました。" (Aqours' Sea Side Diaryダイヤ編)

夜空の「星」を眺めるダイヤ。

Sea Side Diaryについて思っていたことを思い出し、GALAXY HidE and SeeKを聴いて思ったことを擦り合わせた結果、たどり着いたのが「GALAXY HidE and SeeKは黒澤ダイヤを救う歌なのではないか」ということでした。

冒頭でも書いたとおり、GALAXY HidE and SeeKは自分の生まれや運命・人生の全てを肯定させてくれる曲だと考えているので、黒澤家に囚われているダイヤの身上や心情を考慮すると、より深いものになっていくのではないかと思います。
これもまた「歌詞から見るGALAXY HidE and SeeK」にて後述します。

自分のことを生贄と呼び、"もしかして本当のわたしは地球じゃないところで生まれたかも"と言いたくなるほど自分の人生を悲観(もしくは達観)し、いつかくる「あなた」の出逢いに助けを求める遭難信号が"I'm calling calling you."という言葉であり、彼女のメーデーなのではないかと考えています。

黒澤ダイヤというキャラクターとGALAXY HidE and SeeKの世界観に深い親和性があり、やはりこの曲を歌うメンバーとして意味があります。



2.「歌詞」から見るGALAXY HidE and SeeK

まず「GALAXY HidE and SeeK」というタイトルについて。

直訳すると「GALAXY=銀河、HidE and SeeK=かくれんぼ」。

銀河、宇宙という壮大なスケールでまだ見ぬ「誰か」や「あなた」とめぐり逢うなんて、とつもなく無謀なものです。

しかし「かくれんぼ」というゲームは見つけることによって決着がつくゲームであり、「めぐり逢う=必然」ということになります。
一見無謀な「何か」との運命的な出逢いを予感させるような歌詞の端々から滲み出るような「希望」感は、あえて「かくれんぼ」というゲームにしているところにあると考えました。

「キャラクターから見るGALAXY HidE and SeeK」の松浦果南の項目で触れましたが、2ndライブツアーのタイトルにもなっていて、言わずもがな松浦果南がセンターを務める「HAPPY PARTY TRAIN」。
この曲にも「GALAXY HidE and SeeK」と同じように「"何か"や"誰か"との運命的な出逢い」を歌っている曲だと思っています。

"あしたが呼んでる僕たちを 期待でかがやく瞳なら見えるよとおい駅で きっとなにかが待ってるね"(HAPPY PARTY TRAIN)

"ココだよって誰かの声が聞こえる優しいその声で導いてください"(GALAXY HidE and SeeK)

この2曲のこのフレーズはどちらも運命的な"何か"に呼ばれていて、自分自身もまだ見ぬ"何か"に呼応しており、近い未来にある出逢いを予見しているものになっています。

近い未来にある出逢いを予見する歌詞は他にもあり、
"その人もわたしを探して 旅してるはずだって何故か分かるの"
"見つけなきゃきっと 心通じあう人よ待ってますか?Ah 出口は 近いの"
と繋がってゆきます。

そして、"繋がるならいまが奇跡のはじまり"と続きます。

繋がること、出逢うことで自分の人生が豊かなものになるという確信から"これからのわたしはこの星でもっとステキな思い出を作るの"と次々に紡がれていくのです。


次に"わたしはこの星のことがとってもスキになれるみたい"という歌詞について。

GALAXY HidE and SeeKという曲のタイトルや歌詞から察するに、「この星」というのは「地球」だということになります。

「星」という言葉を使った慣用句に、「〜〜な星の下に生まれる」というものがあります。
例えば「良い星の下に生まれた」とか「不幸な星の下に生まれた」など。
「星=自分の宿命や運命」ということになりますね。

冒頭でGALAXY HidE and SeeKは
自分の生まれや運命・人生の全てを肯定させてくれる曲だと述べました。

つまり、"わたしはこの星のことがとってもスキになれるみたい"という歌詞は、「どんな生まれや宿命を背負っていても、なにかひとつ運命的なものと出逢いがあればこの人生の全てが愛せるように、肯定できるようになる」という意味があると考えました。
「屋烏の愛」の究極系、と言ったところでしょうか。

GALAXY HidE and SeeKは歌い出しからサビ前までダイヤのソロで始まり、「あなた」を見つけた時の嬉しそうな声も、ダイヤ。
「キャラクターから見るGALAXY HidE and SeeK」の黒澤ダイヤの項目で触れたように、ダイヤ自身の「生まれた星=生まれ持った宿命」を肯定できる歌であり、歌詞だけでなくパート分けからもダイヤの要素が強い曲だと感じたので、より一層「黒澤ダイヤを救う歌なのではないか」と思った次第です。

では結局、黒澤ダイヤは何に救われたのか?という話に行き着くのですが、僕には答えを出せません。
でも確かに近い将来、「運命的な何かとの出逢い」があることが約束されている歌詞に、僕はただ安心しているのかも。

サンシャイン!!1期の事もありますし、ダイヤには幸せになって欲しいという思いが強いです。
だからより一層GALAXY HidE and SeeKという曲に惹き込まれてしまうのかも知れません。



3.「実体験」から見るGALAXY HidE and SeeK

この項については考察というより、「こんなことがあったおかげでこの曲のことがもっとスキになった」という余談になります。

先のHAPPY PARTY TRAINツアー名古屋公演にて、はじめて披露されたGALAXY HidE and SeeK。

幸いなことに座席や友人に恵まれ、これまでの人生で無いくらいの近さで、自分の好きなキャラを演じている人が好きな曲をすぐ目の前で歌っているという状況になりました。
こういった人や機運のめぐり逢いもまた自分の人生を肯定できるようになるひとつの要因だと思いました。

ライブ終演後、利用しようと思っていた路線にて人身事故ががあり、予約していたホテルまで2時間ほど歩く羽目に。
平時であれば2時間なんて大したことはないし…、とはいえ人身事故に腹を立てていたことでしょう。
しかしその日の僕は12時間に及ぶ夜勤を終えそのまま名古屋へ直行し、3時間半に及ぶライブのあとの徒歩2時間。

ライブが非常に楽しかっただけに、人身事故に腹を立てて気分を害するのもよくないので「仕方ない」と考え歩くことを決意。

早めにホテルを取っておけばよかったな、とか、タクシー呼んじゃえばよかったな、とか色々考えながら歩きました。

ヘトヘトになり道中何度も挫けそうになりながら、1時間半ほど歩いた頃でしょうか。
ふとこんなお店を見つけたのです。



「居酒屋 かくれんぼ」

運命を感じずにはいられませんでした。
もしあのホテルを予約していなければ。
もし人身事故で電車が止まらなかったら。
もしタクシーを使っていたとしたら。
一本でも違う道を歩いていたとしたら。

色々な偶然が重なってめぐり逢えたんだな、と思ったら何故か泣けてきてしまって。

大袈裟かもしれませんが、この時の僕は「この出逢いだけでここまで歩いた甲斐があった」とさえ思っていましたし、全てのめぐり逢いに感謝をして、ちょっとついてない事があっても自分の人生を肯定してみようと思うようになりました。



・「誰か」から「あなた」へ

1stライブの感想 の記事にて、「知らない」から「知ってもらう」ことが、プロジェクト発足から1stライブまでの「1st Step!」だと言うことを書きました。

後になって振り返った時の「1st Step!」のコンテンツ軸の強さがあまりにもしっかりしていたので、「Next Step!」にも必ずコンセプトがあるのだろうと考えています。

ただの予想に過ぎませんが「Next Step!」は「出逢い」「身近に感じる」といったものがテーマとして存在しているのでは、ということ。

「Next Step!」の皮切りとなった「HAPPY PARTY TRAIN」も先述したように「出逢い」がテーマになっていて、現在行われているHAPPY PARTY TRAINツアーなんてまさしく、彼女達のほうから「出逢い」に来てくれるのです。
Aqours CLUBなどの特典映像では、普通の女の子としての一面をより見ることが出来てちょっぴり親近感が湧いたりして、デュオトリオコレクションCDは今まさにこの季節しかない!というタイミングでのリリースで、いまの日常に寄り添っている感覚さえあります。

今後予定されているファンミーティングは、彼女達が「出逢い」に来てくれること、普段見ることのできない面がたくさん見られるなんてことは想像に易く「身近に感じ」させてくれること請け合いであること、「Next Step!」の到達点になるのではないかと予想しています。


「Next Step!」プロジェクトのテーマソングである「Landing action Yeah!!」の歌詞にも"誰の声かはわからない"、"君の声ならうれしいな"とあるように、「誰か」という不特定の存在から、「君」という特定の存在へ昇華する"出逢いの喜び"を歌っています。


運命的な何かや誰かとの出逢いは人生を豊かにすること、その出逢いがきっかけでいまの境遇をすこしでも肯定できるようになること。
はじめに結論と銘打った、"何か"や"誰か"との運命的な出逢いの喜び」と「自分の生まれや運命・人生の全てを肯定させてくれるということなのです。


僕は間違いなくGALAXY HidE and SeeKという曲と出逢ったことで人生観を変えられ、肯定され、救われています。
曲や歌声が単純に好みというのもありますが、この歌のことを考えると自分の境遇だとか全部ひっくるめて"この星のことがとってもスキになれるみたい"なんです。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
大袈裟、というよりもアイドルアニメのユニット曲ひとつでここまでこじつけて考えられるなんておめでたい頭だな、と思われる方がほとんどだと思います。

でもいつか、「何か」でも「誰か」でも、何でもいいです。

「あなた」にも、人生の価値観を変えるような出逢いがありますように。