所長の伊藤です。
ここ数日、Twitterを見ていると、かぎ針の持ち方についてのツイートをよく目にします。
かぎ針の持ち方については、当ブログでもこちらの記事で言及したことがあります。
かぎ針の持ち方は、大きく分けて2つあります。
まずは、日本ではメジャーとされるペン型。
ちょうどペンを持つように、親指・人差し指・中指でつまんで持ちます。
対して、欧米の編物動画などでよく目にするナイフ型(フォーク型)。
ナイフを持つように、かぎ針の柄の部分を握ります。
先のブログでもある程度言及しましたが、両者はそれぞれ特徴があります。
ペン型は、あまり力を入れずに扱うことができ、また、細かく動きを制御しやすいので、繊細さを要求されるときに有利な持ち方とされています。
また、編み目の頭が締まりやすく、形のいい編み目(と日本では言われる)が編みやすいです。
一方、ナイフ型は力を入れやすく、太めで硬めの糸をガシガシ編むのに適していると言われます。
また、人によっては編むスピードが出やすいという人もいます。
しいて言えば、編み目、とくに頭が緩みやすいので、緩ませたくないときは、通常使う号数よりも下げるなど、ちょっとした工夫が必要なときがあります。
これはあくまで大まかな特徴ですので、人によってどちらのほうがやりやすいとかきれいに編めるとかいうのは当然あります。
ですから、この2種類の編み方を臨機応変に使い分けるというのが、最も賢いやり方なのではないでしょうか。
ところが、このところのツイートでは、このかぎ針の持ち方で嫌な思いをしたというのが吐露されていたのです。
要約するとこうです。
「ナイフ型は変だ、間違っているって言われた。でも、正しいとか間違ってるとかはないのでは?」
どうも、ナイフ型で編んでいるクロシェター(crocheter、かぎ針編みをする人)が、ペン型が当たり前だと思っているクロシェターから、まるでいびられるように言われてしまった、というのらしいのです。
確かに、長らく日本ではペン型に持つのがメジャーでしたけれど、だからと言ってナイフ型の人を「変だ」「間違ってる」「だから直せ」みたいに言うことはできるのでしょうか?
私も含め、そのツイートにコメントしている人たちの意見は、「間違っていない」です。
間違っているとしたら、その根拠は?
ペン型だろうがナイフ型だろうが、編んでできた編地の組織(糸の構成)は同じです。
ですから、正しいという根拠はあれど、間違っているという根拠は見当たらないのです。
変だ、というのは主観の問題なので、なんとも言えませんが、変だから変えろ、あるいは排除する、というのはクロシェターとして望ましい姿勢でしょうか?
このツイートで登場するナイフ型クロシェターのなかには、手首を傷めているがために、ペン型では痛くて持てないから、ナイフ型でかぎ針編みを楽しんでいる、というクロシェターも何人もいました。
それなのに、ナイフ型は間違っている、変だ、なんて言われたらどうしろと言うのでしょう、かわいそうに…
なかには、日本ではペン型が主流と言うことに対し、根拠をもって異を唱えるクロシェターもいました。
なんでも、今出版されているかぎ針編みの基礎本は、ほとんどがペン型の図や写真が載っていますが、昔はペン型もナイフ型も両方載っていた、とのこと。
また、編み針メーカーのHPには、どちらの持ち方の画像も掲載されている、とのこと。
また、登場していたクロシェターの多くが言っていたのが、持ち方云々よりも編物を楽しむということを重視したい、ということ。
誰でも、突然自分のやり方を「間違ってる」「変だ」と言われたら、不愉快になるか、少なくとも不安になります。
そうでなくて、こういうやり方もあるよ、などと言ってくれれば、ギスギスするようなことはないはずです。
なんかね、編物の世界はこういったことが結構あるみたいでね…(これについては後日言及します)
もちろん、こうしたほうがいいものができる、キレイに編める、というのはある程度あるかもしれませんが、各人が何を重要視しているか(完璧なものを作りたいのか、楽しみたいのか、etc.)を無視して決めつけてしまうと、悲しい結末になってしまいますね。
ちなみに私は、普段はペン型ですが、麻ひもやズパゲッティなどの太い糸を編むときは、手を傷めるのでナイフ型で編んでいます。
また、気分によっては通常の場合でもわざとナイフ型で編んだりします。
これについてとやかく言うヤツには、噛みついてやる!(笑)
※)提案、おススメにはありがたく耳を傾けますよ。
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