ども、アメンボ赤いなあいうえお岡田達也です。

 

 

 

『アンフェアな月』

深川麻衣ちゃん(通称・まいまい)が観に来てくれた。



 

相変わらず可愛い。

『スキップ』という芝居で私の嫁さんを演じてくれたが、実際は嫁というより娘みたいなものだ。

どんな女性にも冷たいと評判の私が、まいまいに「おかださ~ん!」と手を振られただけで「よしよし、うんうん、何でも買ってあげよう」という甘々でダメダメなおじさんになってしまう。

アイドルというのは実に恐ろしい存在だ。

今さら気付いたぞ。

 

 

そのまいまいに

「岡田さん、本当にセリフが聞き取りやすかったです!」

とお褒めの言葉を頂いた。

 

これが、嬉しくもあり、辛くもある。

 

 *

 

基本的なことだけど……

セリフは聞き取りやすい方がいい。

 

特に若い頃は演技力もそんなに高くないのだから、せめて脚本の言葉を丁寧に伝えるという意味においてもキッチリしゃべれるほうがいい。

だから滑舌練習は必要だし、若い頃からその鍛錬をやってきた。

 

なんだけど。

年齢を追うごとに自分の滑舌が衰えているのがよくわかる。

しゃべりにくい、あるいは苦手な言葉が増えていく一方なのだ。

 

これが、とてもしんどい。

 

「隣の竹垣にーー」

「青巻紙赤巻紙黄巻紙」

「坊主が屏風に上手にーー」

などの難しい早口言葉ならともかく、ごく普通の言葉がしゃべりにくくなる。

 

普通の日本語なのに。

ただの言葉なのに。

 

 *

 

今回、元・劇団四季の下村青(通称・しもさん)さんも出演している。

 

 

しもさんは毎日『母音法』というメソッドを使って発声練習をしている。

それを見るたびに「すごいなぁ」と感心する。

 

母音法というのは、劇団四季を率いていた浅利慶太さんが取り入れていた訓練法で、美しい日本語をしゃべるための発声法。

これが、また、非常に難しいのだけど

(細かく説明している時間がないので割愛します)

しもさんは丁寧に繰り返す。

 

この“美しい言葉を操る先輩俳優”に愚痴をこぼした。

「しゃべりにくい言葉が増えてきてるんですけど……」

 

「そりゃね、しゃべりにくい言葉なんていっぱいあるわよ。人間だもの。よほど滑舌に自信がない限りはそれが普通よ。私も大変よ!(笑)」

と、しもさんらしいオネエ言葉で返答してくれた。

 

 *

 

ちゃんとしゃべる。

それは仕事なのだから当たり前だ。

 

できることならより明確にしゃべる。

それは理想だ。

 

そして、それは意外と大変で繊細な作業。

まいまいに褒められて嬉しいけど、さらにプレッシャーがかかる。

 

でもなぁ

言葉を届けるのが仕事だからなぁ

頑張らねばなぁ

 

ふぅー

 

 

おそらく。

舞台に立つ俳優さんの多くは同じ悩みを抱えているかと想像する。

 

頑張りましょう、同胞たちよ。

 

 

 

では、また。