ユウレイが見えること以外は普通の高校生が死神になり、二次元の枠を超越したアクションが展開される人気コミックの実写映画『BLEACH』が7月20日に公開される。主人公・黒崎一護を演じるのは、数々のヒット作に主演し、映画『無限の住人』では激しい斬り合いをこなし新境地を開いた福士蒼汰。一護のクラスメイトで、滅却師(クインシー)と呼ばれる集団の生き残り・石田雨竜を演じるのは、漫画実写映画に欠かせないパーフェクトな美形で人気急上昇中の吉沢亮が務める。
二人は、「仮面ライダーフォーゼ」(2011~2012)以来、7年ぶりの共演。プライベートでも交流があるという福士と吉沢に、撮影でのエピソードや裏話を聞いた。
■髪を何度もブリーチして、役そのものに!
――原作のコミック「BLEACH」は、2001年に「週刊少年ジャンプ」で連載スタートしてから、全74巻、全世界シリーズ累計発行部数は、1億2,000万部を誇る超人気作品ですね。まずは、この実写映画への出演にあたって、率直な感想をお聞かせください。
福士蒼汰:本当に大人気の作品で、日本のみならず海外からも注目されているので。シアトルに住んでいる友人から、「『BLEACH』演るんだ!」って興奮した連絡が来て。作品の人気は世界に広がっているんだと実感しました。プレッシャーも責任も大きく感じると同時に、実写のここ良いよね!という何かを見つけていきたいなと思いました。
吉沢亮:シアトルとかさらっと言っちゃうんだから!本当に大人気の漫画で、それこそ僕もこのあいだベルリンに行かせていただいたときに、(福士「ベルリン~!かっこいい!」) ベルリンの店員さんが日本の漫画が好きと話していて。何を読むんですか?と聞いたら、「BLEACH」「NARUTO -ナルト-」と。やっぱりすごい人気なんだなと思いました。それに、僕自身は小学生の時から漫画もアニメもずっとみていて、「BLEACH」をみて育ってきたので、その作品に出られるというのは不思議な感覚でした。
――世代もどんぴしゃですね。福士さんは読まれていたのですか?
福士:自分は、漫画はハマっちゃって寝ないで読んでしまうのが怖くて、普段あまり読まないようにしていたので、今回実写化するということで、「ラッキー!」と74巻を一気読みしました。
――映画を拝見して、原作ファンの期待を裏切らない迫力で、お二人とも役柄そのもの!わくわくしました。役作りはどのように?
福士:まずビジュアルから入りました。やはり漫画が原作で、これが正解というものがあるので。一護って、「髪色はオレンジ、瞳の色はブラウン」って説明されているんです。監督が、実写だと髪色が制服に合わないんじゃないかと危惧されていたこともあったんですが、自分はいかに一護のキャラクターを投影できるかと考えていたので、挑戦したほうがいいんじゃないかなと。髪のブリーチとカラーを何回もして、オレンジ色を入れてという作業を繰り返して。やってみたら監督からも「いいかもね」と言っていただけて。瞳も実はカラーコンタクトを入れてたりするんです。
それから、アニメからのファンの方もいらっしゃるので、アニメの話し方や声の特徴、トーンを参考にしてみたり。内面では、母親が死んでしまったのは自分のせいだと思っているからこそ、自分を犠牲にしても誰かを守るんだという気持ちを持っている。家族への愛がある優しい気持ちを持ったお兄ちゃんだという部分を意識しました。
――大きな刀を手に迫力あるアクションシーンが見事でしたが、身体を鍛えたりもしたのですか?
福士:特別に身体を鍛えたりということはしていないのですが、大きな刀だったので、慣れる、うまくさばけるようになるというのをまずやりました。
――吉沢さんは、役作りはどのように?
吉沢:今回はミステリアスな雨竜というところで終わるので、何を考えているかわからない男というのは意識しながらやっていましたね。その先にいくとツンデレ感が出ておもしろい役になっていくんですけど、今回はそういう人間感をあんまり出さないようにしました。僕の場合、弓で戦うのですが、弓が完全CGなので、弓を引くときに身体が出すぎないようにとか、手の角度、見え方などを意識して演じました。
――すごくかっこよかったです!CGは佐藤信介監督がこだわり抜き、撮影を2016年9月から2ヵ月間行った後、1年半をかけてCGを作り上げ、ド迫力で壮大な世界を作り上げたと伺いました。その完成した作品を見て、また、お互いについての感想をお聞かせください。
福士:雨竜がとても合っていたと思います。見た目のクールなイメージがぴったりで、雨竜としか思えない。世の中のイメージ的にもめちゃぴったりだと思います。実際の亮君はもっと破天荒で、自分や亮君のファンのみなさんはそれを知っていたりするんですが(笑)。でも、亮君自身も口数はあまり多くないので、雨竜も口数が多くないというところも、合っているなと思いました。
吉沢:(福士が)外見からもそうですし、ぴったり完全にはまっていました。殺陣がかっこよかったですね、本当に。彼自身サイズがでかいからとてもかっこよく映っていました。
福士:霊圧高めだった?(笑)
©久保帯人/集英社 ©2018 映画「BLEACH」製作委員会
■二人で食事したお店で、気恥ずかしい空気に…
――お二人は「仮面ライダーフォーゼ」(2011~2012年)以来の共演で、今回も相棒ともいえる役柄。キャストが発表されてから、ネットでもお二人の再共演が楽しみだと話題になっていました。
福士:役柄も、ライダーのときと似ているんです。撮影中もそういう話をしていて。背中合わせのシーンがあるんですが「懐かしいね」と話していました。
吉沢:ライダーぶりなので、単純に楽しみでしたね。共演していない7年の間にも、たまにごはんに行ったりとかあったっちゃあったけど、共演は久々だったので。ライダーが終わってからの福士君が、ガーッといっている(主演など急増)のを見ていたから、福士君、どんな感じになってるかな?って思っていました。そしたら、いい意味で変わってなくて。
福士:自分も楽しみでした。一度共演しているということもあって、安心感のようなものがありました。それに、亮くんがやってくれるだろうという期待感もあった。実際、予想通り素敵な雨竜になっていました。
©久保帯人/集英社 ©2018 映画「BLEACH」製作委員会
――共演されていない間も会われていたり、仲が良いのですね。
福士:同い年だったので。今も同い年なんですけど、(吉沢「そりゃそうだ笑」とツッコミ) 一番話しやすかったです。仮面ライダーの撮影の後もちょこちょこ連絡を取り合っていますね。
吉沢:前にさ、二人で、変な横並びの席のカラオケ行ったよね。
福士:行った!カップルシートみたいなところで(笑)。
吉沢:恵比寿(東京)でごはん行こうってなったけど、全然お店を知らないから、千葉(雄大)君に電話して「福士君が行っても変じゃないお店ある?」って聞いたんです。そこが、二人が横並びに座る席でカラオケもついているお店で。何か気まずい思いしたよね。
福士:なんかね、へんな空気でした(笑)。
■吉沢亮の“死んだ目”がすごい!
――今回、お互いのお芝居を見て新たに刺激を受けた部分はありましたか?
福士:いつも思うことなんですが、亮君はどっしり感があるんです。あまり余計な雑念がないんじゃないかなと。自分の場合雑念ばっかりでいろいろ考えてしまうんですが。(吉沢は)いれこんでからシャットアウトして、その瞬間お芝居ができる人。それがすごくうらやましいなと思います。
吉沢:いやいや、雑念だらけだよ。全然違うこと考えちゃうもん。(福士は)それこそライダーの時から思っていたんですけど、ちょっとした、くだらないギャグがうまい(笑)。さっと入れ込んでくる感じが、クスッてなるし、うまいなと思いますね。今回の役でも、ツッコミのテンポとか、「生きているよ」のセリフとかも、面白いです。それと、真ん中に立ったときにあれだけ映えるのは役者として強いと思います。
福士:吉沢亮は目がいいよね本当。死んだ目できるじゃん。自分も死んだ目を練習したことがあるんですが、生き生きした目になってしまう。死ねねぇな~と思って。
吉沢:死んだ目はわりと得意だね。今回の役では、あまり目の表情を変えないという部分は意識しました。それこそ、変えるのは最後にフッと笑うところや、「よろしく」と言っているところぐらい。それ以外は基本、ぼーっと死んでいるような感じで演っていました。
――今作で、これまでの自分とは違うところ、挑戦になった部分はありますか?
福士:こういう明るいキャラクターを演じさせていただくときは普段の自分と全然違うので、毎回挑戦だなと思っていて。でも周りにはそういう明るいイメージがあって不自然じゃないらしく。底抜けに明るくて、ぐいぐいみんなを引っ張っていくという役をよくいただくんです。そういうときは毎回挑戦です。
吉沢:たしかに。見ているイメージとしてはそういうイメージがあるかもしれないね。
福士:素を知っていくと、お互い本当はクールなんです。冷たい二人(笑)。
吉沢:(笑)僕は、クールな役だけどほかの作品と似てはいけないし同じことやっていてもしょうがないので、見せ方のバリエーションを意識しました。あえてほかの作品とは違うようにしようと。あと、監督の想像している画のこだわりとかに当てはめていくという意味では、自分の感覚だけじゃない部分で演っていたところがすごく多かったので、そういったところが挑戦でした。
―ありがとうございました!
Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba
映画『BLEACH』7月20日全国公開
©久保帯人/集英社 ©2018 映画「BLEACH」製作委員会
【STORY】
高校生・黒崎一護はユウレイが見える霊感の持ち主。
ある日、家族が人間の魂を喰らう悪霊・虚<ホロウ>に襲われてしまう。そこに現れたのは死神を名乗る
謎の女・朽木ルキア。彼女は一護に究極の選択を迫る。このまま家族とともに殺されるか、
世の中の全ての人を虚<ホロウ>から護る《死神》になるか――。
《死神》として生きていく道を選んだ一護の先には、想像を超えた闘いが待ち受けていた。
出演:福士蒼汰 杉咲花 吉沢亮/真野恵里菜 小柳友/田辺誠一 早乙女太一 MIYAVI/長澤まさみ 江口洋介
監督:佐藤信介 脚本:羽原大介 佐藤信介
原作:「BLEACH」久保帯人(集英社ジャンプ コミックス刊 )
製作:映画「BLEACH」製作委員会 制作プロダクション:シネバザール
配給:ワーナー・ブラザース映画