1-1 更新世と日本

 

原始時代についての混乱を避けるためには、まず、地質学上の年代区分と歴史学・考古学との関係を正確に把握しておく必要がある。

下の表をみてほしい。

 

地質年代と人類の進化

 

更新世とは、約260万年前から約1万年余り前までの期間をさす地質学上の言葉で、この時代には、寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期がくりかえされた(氷河時代)。

今からおよそ700万年前に出現したと考えられている人類は、この間に、猿人→原人→旧人→新人へと進化し、日本列島にも数十万年前から人類が生活していたと推定されている。

 

 更新世における氷期

氷期には海面が下降し、日本列島は北と南でアジア大陸と陸続きになった。

 

 更新世の化石人骨

日本で発見された更新世の化石人骨は、港川人(みなとがわじん)(沖縄県)や浜北人(静岡県)など、いずれも新人段階のものとされている。