ブラッド・ピットが地上に降り立ち人間の女性との恋に落ちる死神に扮したロマンティックなファンタジー。
事故死した青年の姿を借りて、一人の死神がマンハッタンに現れた。
ジョー・ブラックと名乗るその人物は大富豪パリッシュの元を訪れる。彼の死期が近いためであった。
だがパリッシュが天命を全うするまでにはまだ少しの時間が残されている。
死神ことジョー・ブラックはそれまでの短い間を休暇とし、パリッシュの案内で人間界の見学を始めた。
しかしパリッシュの娘スーザンはジョーの姿に驚く。
彼の姿は先日出会った魅力的な男性その人であったのだ。
そしてジョーもスーザンの好意を気にかけるようになっていく……。
ニューヨークのメディア会社「パリッシュ・コミュニケーション」の社長・ビルことウィリアム・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)。
人生のほとんどを仕事に費やし、実績も富も築きあげましたが、ここ最近は、どこからともなく響いてくる声に悩まされていました。
ある日、ビルは愛娘のスーザン(クレア・フォーラニ)と共にヘリで仕事に向かう途中、「ドリューを愛しているかい?」と尋ねます。
スーザンはマンハッタンで医者として働いており、ビルの会社の役員ドリューと恋人関係にあるのですが、父の目からみても情熱的な恋をしているようには見えなかったからです。
曖昧な反応をする娘にビルは話します。
恋とは情熱だ!
相手なしでは生きられないという想い、
無我夢中で互いにのめり込んでいく、
頭じゃない…ハートの声を聞くんだ!
その声が聞こえるかい?
その経験のない人生など…恋を知らない人生など意味がない。
その努力をすることが〈生きる〉ってことだよ。
稲妻に打たれるのを待ちなさい。
その後スーザンは、休憩時間中に仕事場近くのコーヒーショップで一人の青年(ブラッド・ピット)に話しかけられます。
最近この街に越してきた、という青年の気さくな態度に好感をもつスーザン。
ま、ぶっちゃけナンパなんですけどね、全然そんなチャラい感じがしないんですよ~。
本当に気さくで感じのいい青年、結構グイグイ来ますよ。
フォーリンラブ!
二人はお互いに好意を持ちながら、また会う約束をすることも連絡先を交換することもなく、名残惜しそうに振り返り振り返り店を後にするのですが…
その直後、青年は自動車事故に!
その夜、家族と共に食卓を囲んでいたビルの脳裏にまた同じ声が聞こえてきます。
「私に会えるよ・・・ビル」
声に導かれるまま招き入れた来客。
以前から体調のすぐれないビルが問う「死期が近いのか?」の言葉に、青年は「イエス」と。
彼は青年の体を借りた死神だったのです。
人間の生活に興味をもった死神は、ビルを連れて行くにはまだ時間があるから、しばらく人間界を案内していほしいとビルに頼みます。家族への説明に困ったビルは、青年をジョー・ブラックだと紹介します。
その青年を見て、スーザンはビックリ!!!
今日、コーヒーショップで出会った青年ではありませんか!
出会った時とかなり印象の違うジョーを見て初めは困惑していたスーザンでしたが、次第に彼の不思議な魅力に惹かれていきます。
父親のいう“情熱”を始めて感じたのです。
ともかく!anyway!
当時35歳のブラッドピットがカッコよすぎる!!
人間の時のいかにもアメリカンな気さくな青年、究極の爽やかさ。
無敵!
死神の時の、不思議な透明感。
何も感情がない冷たい感じや万能の神のような落ち着き、誰もが魅了されてしまう魔力のような気配もあるんですけど、色々なものに興味を持って探り回る姿が、まるで子供みたいに無邪気で超カワイイ!
死神って何百年も生きてて、世の中のこと知り尽くしてんじゃないの?って思うんですけどね(笑)
一番有名なのが、この「ピーナツバターを初めて舐めた時!」
その後も、24時間ビルにずーーーっと付いて回って、会社の会議室にもちゃっかり座っちゃうし、だんだんポーズまで似てきちゃうんです。
そしてスーザン役クレア・フォーラニの美しいこと!
彼女もとっても透明感に溢れています。
ふと目線をそらしたり、睫毛を伏せたり、そういう目の演技がとても素敵だし、柔らかい表情と優しい声、指先の動きまでもが洗練されています。
この二人のラブシーンがまぁ綺麗なんですわ!
もうほんっとーーーに綺麗なんですわ!
35歳、百戦錬磨のブラピが、超絶にウブなんですわ!
もちろん、この映画は男女の愛の物語でもあるんですけど、もう1つ大きなテーマは父親の愛ですね。
死神の心をも、変えてしまうほどの深い愛。
名優アンソニー・ホプキンスの素晴らしい父親像、そして数々の名言にメッチャ感動します。
なんかこの時のアンソニー・ホプキンスがどうも今のロジャーと雰囲気が似ているような気がするんです。お医者さんの愛娘がいるというところも…
スーザンを愛してしまったジョー・ブラックは、自分の世界にスーザンを連れて行くと言い出すのですが、それに対してビルは厳しく諭します。
愛の本質とは、奪うことではない。
生涯をかけて相手への信頼と責任を全うする
そして相手を決して傷つけぬこと。
それに、無限と永遠をかければ愛に近づく。
好きだから…手放したくないから、という身勝手な理由で、愛する人を道連れにしてはいけない、と語るのです。
そして最期の時が来たと悟ったビルは、愛娘の姿を遠く見つめながら、こう言い残してジョー・ブラックと共に旅立ちます。
去りがたい、それが人生だ
成功したものの、どこか虚しさを覚えていたビル。
生きる情熱を知らなかったスーザン。
人生とは、愛とは何かを知らなかった死神。
それぞれが答えを見つけ、
それぞれの道を歩んでいく
「もう…ほんとに…良かったねぇ…ウワ~~~ン」
ラストは号泣です!
第19回ゴールデンラズベリー賞最低リメイク及び続編賞にノミネートされ、ブラッド・ピットは人間と死神の演じ分けができていないなど、海外ではかなりこき下ろされたようですが、私はとっても好きな映画でした。
「今夜、ロマンス劇場で」がお好き方なら、絶対ハマりますよ!!
ブラッド・ピットは意外と恋愛モノに出演していません。
「甘い二枚目」のイメージが付いてしまうのを意識的に避けていたとも言われています。
なので、こういうロマンティックな映画は貴重かもしれませんね。
それにしても若き日のブラッドピットの美しいこと。。。
20代のディカプリオも相当美しかったですけど。
「金髪に碧い目の白人男性」これもまた一種の差別なのかもしれませんが、こういう典型的なイケメン俳優って最近少なくなったと思いませんか?
昨今の20代の俳優たちはもっと個性的で様々な雰囲気の人が増えたな、という感じがするのですが、いかがでしょうか?