わたしってばね、動物園ってこどものときからあんま好きじゃなかった
だって臭うんだもん。暑いし。
って小学生のとき思ったっきり、たぶんそれ以来一度も行ったことなかったと思う
そして昨日、まじでいつぶりだろうくらいに炎天下のなか動物園にいってきた
しかも、たぶん日本で一番有名な動物園「旭山動物園」へ!!
新陽高校の「探究コース」の世界史の授業でバス乗ってみんなで行くとのことで
「わたしも行きたい!」とごね続けたら、コース長のたけちゃんまん(校長の右腕)が同行させてくれた
ちなみに、この授業、世界史の先生の丸さんがどうしても生徒を旭山動物園に連れて行きたい園長の話をきかせたい!という強い想いがあって、実現した
その肝心な丸さんは、着いた瞬間から原因不明の激痛が足首に発症
思った以上に激痛すぎて歩けなくなったので、車椅子を動物園にお借りした
正直、なんで世界史で旭山動物園なのかわからなかった
なにか意図があるんだろうと思いつつ、分からずついてきた。行けばわかるだろうと思って。
結論から言うと、まじで大切な世界史の授業になった。価値観変わった。
動物園についてすぐに、1時間坂東園長さんのお話をきかせてもらった
この人やばい半端じゃない
この人が見てきたものって、わたしたちの想像をはるかに絶しているんだと思う
言葉の端々からそう感じた
記憶にとどめておかなくちゃこれはまじで!と思うことばっかりでメモが大変なことになった。これ全部書いてたら長すぎてきっとみんな最後まで読んでくれないだろうから、かいつまんですこしおすそわけ。
有害な動物なんて存在しない。人間が勝手に、自分たちにとって有害な動物をそう呼んでいるだけ。
人間は解釈を変える生き物である。
いまは動物の殺処分反対!と言う声もあるけど、何十年前はそんな声はなかったし、
10年後、人間の大多数がどう考えていてどんな声をあげてるかなんて、わからない
そうやって人間はいつも解釈を変える
でも動物は、何万年前からずっっっと、変わらない
動物は、人間と違って、絶対にブレたりしない
普遍的なものってなんだろう、といつも考える
坂東園長の言葉はひとつひとつ、きいてるわたしたちになにかの風景をイメージさせるような、そのくらい力強いものばっかりで。
いろんなお話をしてくれたんだけど、パーム油の話を備忘録としてここに書いておく
これ、パームというものだそうでここからとれる油でわたしたちは生活してる
裏の表記に「植物性油脂」と書いてあれば、パーム油のことだそうな
パン、カップラーメン、マクドナルドのハンバーガーやポテト、チョコ、シャンプーリンス、お化粧品、、
わたしたちの生活必需品の商品全てに入っていると言っても過言ではないくらい、パーム油はいまやわたしたち人間にとって、欠かせないものになっちゃっている
このパーム油を大量に作っているのが、マレーシアのボルネオ
きれいな線が入ってるってことは、人間の手によって作られた、自然ではないもの、ということ。
これによってなにが起きてるかというと、ここにもともとあった森が破壊されまくってきた、ってこと。
木を人間が切ってひらいたところが、畑になってきたということ。
そこに住んでいた動物たちの、居場所が、食べ物が、家族が、なくなってしまったということ。
例えば、オランウータン。
親は人間に殺されて、食べるものもなくなって、
オランウータンは基本木の上で生活をするのに、木がなくなっちゃった。
その結果オランウータンは、いまや絶滅危惧種でこのままいくとほぼ確実に絶滅すると言われてる
坂東園長は最初にこうやって言ってた。
動物園で命を預かっている意味とは。なにか。
動物園は、人を喜ばせるだけでいいのか?
そこにいる動物の、ふるさとの仲間のために、なにかすべきではないのか?
人の幸せだけを追求しているだけじゃ、未来の幸せは手に入らないんじゃないか
「いきもの」全部をいま、かんがえなくちゃいけない
そうでないと人間の幸せは得られない
わたしたちの生活を楽にしてくれるものの代償として、数えきれないオランウータンが犠牲になってきた
人間はたくさんオランウータンに助けられて生きてきたのに、そのことを知らずに、気づいたらオランウータンが人間のせいで絶滅しちゃった、なんてことが何年後かにあってはいけない
ちゃんと、「知ってる」ことが絶対絶対必要で、「知らない」はもう罪だ、そういう時代。それくらいやばいことになってる
「自然保護」が遠い存在になってないか?自分にはそんな大層なことできないと思い込んでなにもしないでいないか?
「知る」ことから始めて、ほんの小さなことでいいから、自分ごとにしなくちゃいけない
それを伝えていくのが、教育の役目と思う
こどもたちのこころに、どう、そのことを届けるか?それが大人の役目と思う
こどもたちが、アンテナを張れる教育を。
でもやっぱり、教育って楽しくなくちゃいけない。でもひとそれぞれ価値観って違う。みんながそれを「楽しい」と思えるかはわからない。
だから、いろんなことを体験させてあげなくちゃいけない。原体験を、たくさんあげなくちゃ。
園長はこうも言ってた。
教育って、飼育と一緒だ。
どれだけ信じてやれるか?
管理してるなかで、どれだけ解放してやれるか。
そこには、「管理してる人」の能力が問われる。
みんなみんな、言ってることが一緒だとおもった。
わたしのお母さんも、わたしの人生を変えてくれた塾のせんせも、日本の教育を本気で変えようとしてる高校の校長せんせも、本気で学校をいちから作ろうとしてる校長の右腕のひとも、日本で一番有名な動物園の園長さんも。
みんな、言ってることが同じなんだ。
なんだか昨日は、久しぶりに心を揺さぶられまくって泣きそうになった。
もっと世界をみなきゃいけない。
めのまえのことだけじゃだめなんだ、って思ったの心から本当に
そのことをもっと、こどもたちに伝えていかなくちゃ地球の未来はないんだ、世界ではこんなことか起こっていて、それはわたしたちの日常に直結してる
ひとごとじゃないんだ、ってみんなが知らなくちゃなにも変わらない
教育って、ほんとに責任重大だ!たいへん!
たけちゃんまんが、園長の話のあとに一言だけ、付け加えてた
「無知で無能な状況でいないで」
旭山動物園を筆頭に、多くの方の想いが集まって10年前から始まったプロジェクトがある
「ボルネオへの恩返し」
そのお金で旭山動物園が寄付してくれた人たちに変わってボルネオの動物を守るために活動する、というもの
パーム油を一切使わずに生活するのはもはや無理に近い
だったらせめて、恩返しをしよう!というもの
とりあえずこの自販機でみんなで飲み物を買った
このとき、丸さんの足はもう動かなかったけど、丸さんこう言ってた。
「動物園に来てる人をみてると、同じ動物の前で立ち止まってる時間を図るとだいたい20秒くらい。そんな一瞬ではなにも、わからない。じーーーーっと同じ動物をしばらくみてると、いろんなことが見えてくる。そうやって見てほしい」
動物園の存在意義、そこにいるひとたちの思い、楽しみ方を30歳にして初めて知った
丸さんのおかげです。ありがとう丸さん。
正直いうと、わたしもたけちゃんまんも、
丸さんばっかり診ていて、
動物を全く見ていない
ギリギリ、顔はめは、した。
また改めて、プライベートで旭山動物園に行こうと思う。
生徒たちよりもむしろ、わたしたち大人が感動しまくってしまった旭山動物園。
動物へ、いや、いきもの全部への、ふかーい愛を感じられる場所だった。
園長が、最後にボソッとつぶやいた一言が忘れられない。
「オランウータンをあんなに殺してまで、生きてる意味あんのかな、って思うんだよね」
たけちゃんまんが、帰りのバスで言ってた
「今日から、人間、じゃなくて、いきもの、で考えよう」
ほんとそうだ。
つい、熱く語ってしまった。
待って、最後に一言だけ言わせて。
丸さん、素晴らしい機会を、心からありがとう。
どうかお大事になさってください!!!!!!