✏2/11(日)NHK俳句。選者=高柳克弘さん。ゲスト=前田航基さん。司会=岸本葉子さん。
※前田航基=子役としてデビューし、弟との漫才ユニット「まえだまえだ」としても活躍。現在19歳。俳優としても活躍する一方、大学で映画の自主制作にも関わっている。今回は子役時代に助監督からもらった宝物のカチンコをスタジオに持ってきていた。
〇題「春の星」
(題「春の星」にちなんだタイトル画)
添えられた俳句は、藤田湘子の
★春星をことごとく得しその瞑さ(藤田湘子)
でした。後に写真あり。
🔵今日の入選9句
〇ゲストの前田航基さんの特選予想句、1番句
★廃戦車は棺なりけり春星の(水戸市 福本羽心)
〇岸本葉子さんの特選予想句、3番句
★やがて来る探査機待つや春の星(長岡市 柳村光寛)
〇私…自分の選としたは、4番句かなあ。但し私の場合は「~遂に帰らず」ですけど😓
★春星のさざめく母郷つひに出でず(長野市 木原登)
高柳さんならたぶん、意外性はないけど映像性のある7番句か面白さがある6番句かな、と。
★指をさす春星どれと肩を寄す(高槻市 石垣政孝)
★来世は鼯鼠(ももんが)がいい春の星(堺市 石井宏子)
🔵高柳克弘特選3句
【一席】8番句
★名付親を受けし腕組春の星(兵庫県宍粟市 岩神刻舟)
人の営みと天の星という離れている物同士の取り合わせを切れで分けることによって逆に響き合わせている。「腕組」の滑稽感がいい。「春の星」という明るい希望のある季語。
【二席】9番句
★春星に惑ひをあづけ旅続く(神戸市 藤田雅子)
【三席】春星のイメージをやや裏切る内容と語順が面白い1番句
★廃戦車は棺なりけり春星の(水戸市 福本羽心)
🔵高柳克弘の添削コーナー
「まつげの先の春の星」と繋げてしまった。ここに切れを入れ、まつげという素材に新たな情報を入れてみると、
★リカちゃんのまつげびつしり春の星
🔴切り放った方が逆に響き合うのが俳句。
🔵高柳克弘の「大切なものから俳句」。
今日のゲストの大切なもの「カチンコ」から。
★カチンコの奧に広がる夏の憶(おぼ)え(前田航基)
「(カチンコの)奧に広がる」はなかなかいいですね。季語のところはどうでしょうかね?「夏の憶(おぼ)え」は「夏の記憶」ということなのでしょうが…。
高柳さんも「奧に広がる」は「俳句的感性」と誉めておられました。「夏の憶え」が漠然とし過ぎているので、一つに絞り、
★カチンコの奧に広がる夏の航
「夏の航」→「海」というイメージから読者が想像しやすいようにした。確かに。
🔵高柳克弘の今日の一言
「裏切りを抱いて詠め」(高柳克弘)
普通を一辺裏切って考えてみる。→新たな詩が生まれたり、広がりや面白さが生まれたりする可能性がある。(高柳克弘)
★春星をことごとく得しその瞑さ(藤田湘子)
★校長の机の上の夏帽子(岩田由美)
※入選者の俳号を見ると皆さん相当のベテランさんのように見受けます。
※「春の星」のすえよし俳句歳時記は↓
https://blogs.yahoo.co.jp/sueyosikawaoka/64412232.html
以上、本日のNHK俳句の私なりの記録でした。