「好きなことする」が「売れることする」にすり替わる落とし穴〜ゲーム感覚で売上増やす快感

こういう人、結構多い。
好きなことをしていたはずが
いつのまにか売れることだけが至上目的になり
好きかどうかとか関係なく
お客さんに喜んでもらえるかどうかなど関係なく
テクニックやノウハウを使って
売上の数字を上げていくことだけが
至上目的になってしまう人。

これ、個人事業主でも会社員でもそうだけど
この仕事が好きかどうかとか
お客さんに喜んでもらえるかとかより
単純に自分の営業成績や売上が
上がっていくって快感なわけです。

まるでゲームみたいに。
ゲームで得点を争うみたいに。
ただ得点が増えれば増えるほど
自分すごい、自分楽しいってなっていく。

私は好きでもない、何の興味もない
サラ金会社に就職したけど
予想外に楽しかった。

まるでプロ野球選手みたいに
営業成績が張り出され
ほぼ数字だけで判断される部署に行き
自分が先輩社員を次々に抜き
融資する金額を増やし
部署内での順位が上がっていくのは快感だった。

だから好きでもない
興味もない仕事だったけど
めちゃくちゃ楽しかった。
自分の営業成績を積み上げていく
楽しさがあったから。
歩合じゃなくて固定だったので
営業成績上げたからといって
給料は増えないけれど
営業成績が上がっていくって
すごい快感だった。

でもそれでいいのだろうかって
思い直して、好きなこと仕事にしたいと
ライター業・カメラマン業に転身した。
しばらくは会社員で
ライター・カメラマン業していたけど
2012年に独立した。

独立した２年間は数字ばかり追い求めていた。
１つには会社員と違って
働かないとお金がもらえないから。
もう１つはやはりゲーム感覚で
自分の売上が上がっていくのが
楽しかったからだ。

特に会社員とは違って個人事業主になれば
数字はそのまま収入としてはねかえってくる。

たとえば会社員時代に
土曜日に仕事なんかあったりすると
社員間で押し付け合いになるわけですよ。

誰もやりたくない。
しかもやったところで
給料が増えるわけではない。

しかし個人事業主なら違う。
土曜日も仕事をすれば
その分、売上も収入も増える。

「この仕事すれば10万円
売上が増える！」
「よしこれで売上2000万円まで
あと150万円だ！」みたいな
モチベーションになるわけですよ。

この仕事がおもしろいのか
つまらないのかとか関係なく。
この仕事が社会的に意義が
あるものなのかどうなのかとか関係なく。

いや自分にとっては
取引先から信頼され
仕事の依頼がくるだけで
極論すれば中身などどうでもよく
それが承認欲求を満たす
最上のものとなるわけです。

そうやっていつしか
数字だけを追い求めるように
なってしまう。
売上だけを追い求めるように
なってしまう。

でもまたそこではたと気づくわけです。
「ほんとにやりたいことなの？」
「そこまで全部引き受ける必要あるの？」
「休み削って売上増えてかっこいいの？」

生きていくには今のところ
お金が必要だ。
（10年ぐらいで変わるかも）
まして会社員でないなら
働いて稼がないと
お金がもらえないから
数字や売上ももちろん大事だ。

でもそれほんとにしたいことだったのか？
ただゲーム感覚で数字増えることだけに
喜び感じてるだけじゃないのか？

そしてそういう働き方をしていると
どこまでいっても満足ができない。
次は1000万円、次は2000万円、
次は3000万円・・・。

たとえばフェイスブックの
アルゴリズムを悪用して
わざとコメントさせるように仕向けて
集客するような残念な人って
数字だけを追い求めているだけで
客のことなんてどうだっていいし
自分がこの仕事をしたいとかって
こともどうでもいい。

ただ稼いだもん勝ち。
数字が増えたもん勝ち。

こうした売上ゲームが楽しいのは
私もよくわかる。
でも「ほんとはそんなこと
したいんだっけ？」とか
「少し稼げる仕事は抑えて
儲からないかもしれないけど
本気でしたいことに取り組んでみては？」
ってことを時々立ち止まって
考えた方がいい。

コロナは立ち止まる機会だったはずが
逆にコロナだからこそ
数字を上げるために手段を
選ばない人も増えている気がする。

生活費がないから必死なら
仕方がないのかもしれないけど
そうじゃないなら
売上ゲームの働き方を
見直してみてはどうだろうか。