叔母 (母のすぐ下の妹) が当時、交際していた男性の話です。
仮にAさんとしておきます。
Aさんはある時から、腹痛に悩まされ始めました。
最初は、腹が痛いなー、程度だったらしいのですが、徐々にひどくなっていきました。
不思議なことに、日中は何ともないのに、夜になると症状が出ていました。
しまいには、激痛で眠れないほどの重症になりました。
痛みを我慢している時に、必死でつかんだシーツを破いてしまった、というエピソードがあるくらいの激痛です。
Aさんはお金持ちの実業家でしたので、ツテを頼って、あちこちの有名病院で精密検査を受けました。
でも、どこにも悪いところはない、健康である、という結果ばかりでした。
Aさんは怒り狂います。
「実際にこんなに痛いのに何ともないわけがないじゃないか!」
すると医者は、 「体に悪いところはありません。一度、精神科へ行かれたらどうですか」 と言ったそうです。
Aさんは無神論者でした。
霊の存在もまったく信じていませんでした。
叔母が、霊の仕業かもしれないから、一度見てもらいにうちに来て、という提案も一蹴していました。
が、これだけ検査をして体に異常がないのに、この痛み、この現象は変だ・・・と論理的に考え、初めて叔母の意見を取り入れて、祖父母のもとにやってきたのでした。
来たのは夜だったのですが、タクシーを家の前で降りてから玄関に入るまでに、かなりの時間がかかりました。
痛みで歩けないのです。
私の父と祖父に肩を貸してもらってようやくちょっとずつ歩ける、という状態でした。
家に入るなり、すぐに祖母がAさんの手を取って神棚仏棚の前に座らせていました。
ここで、 「子供は二階に行ってなさい」 と母に言われたので、残念ながら調伏の現場は見ていません。
終わった後に、階下に降りていったら、祖父母が 「ヘビじゃった」 と話していました。
Aさんについていたのは生霊で、ヘビの姿をしていたそうです。
祖母の体からニョロっと出て、そのまま這って玄関までいき、開けていた玄関の隙間から逃げていったそうです。
生霊は、説得してわかってくれる幽霊とは違うので、大変だったようでした。
Aさんに憑りついていた生霊は、Aさんに横恋慕していた女性でした。
Aさんはバツイチでしたが、お金持ちだし、カッコイイのでモテていました。
Aさんが言うには、ちょっと遊んだつもりの女性、だったそうです。
その女性が、Aさんに彼女がいることを知り、どうして私を選んでくれないの! と恨んだようです。
その、 「悔しいー!」 という強い念が、あのような激痛を起こさせていたのです。
怖いですね。
私が二階から降りていった時、Aさんは本当に不思議でたまらないという感じで、お腹をあちこち押さえていました。
「あれっ? あれっ? 全然痛くない・・・」 と、腹痛がすっかり解消されたことが信じられないようでした。
このように、生霊は強い身体現象を引き起こします。
ここまで強くなくても、 「虫持ちの人」 に、妬まれたり羨ましがられたり、憎まれたりすると、何かしら現象が出ます。
「虫を持っている人」 というのは、祖父母や母・叔母たちが使っていた言葉ですが、一種の体質というか、霊質です。
これは性格には関係ないです。
明るく社交的な性格の人でも虫を持った人はいますし、文句ばかり言ってる人だからといって、虫持ちとは限りません。
なんというか・・・波動が一種独特なのです。
こういう人は、生霊になるほどの激しい念を飛ばさなくても、 「あいつ、ムカつくー!」 「失敗すればいいのに!」 「羨ましくて腹が立つ!」 等、嫌な感情を持つと相手に霊障が出ます。
でも、生霊ほどひどくないです。
そこまでの威力ではないのです。
そして、 「ムカつくー」 という感情が和らげば、霊障も消えていきます。
私の職場にも、1人、虫持ちの人がいます。
仮にBさんとしておきます。
私とは別の部署なのですが、上司のCさんとよくモメています。
Cさんは性格がよろしくないので、ほかの人ともしょっちゅう問題を起こしている人です。
Bさんは明るく朗らかで、性格は悪くありません。
ですが、虫を持ったタイプの霊質です。
CさんはBさんと口論した翌日に急にアトピーが出たり (アトピー体質ではないそうです) 急に首が回らなくなったりしています。
先日は右目が腫れていて痛いと言っていたし、肩が痛くて振り向けないという日もあったし、めまいがするという時もありました。
本人も周囲も過労とストレスからくるものだと思っていますが、違います。
不仲が解消されると体調は良くなり、険悪になると不調になっています。
でもこの不調も生霊ほど強くありませんから、数日もたたないうちに消えていきます。
もちろんBさんは意図的にやっているのではなく、本人に自覚はありません。
ですから、Cさんが目が痛いと言っているのを聞いて、病院に行った方がいいよ、大丈夫? と本気で心配しているのです。
悪気がないだけにやっかいです。
もし、特定の人と険悪になった時や、特定の人に羨ましがられている時に、体調が悪いことがよくある、というのなら、その人は 「虫持ち」 かもしれないと思った方がいいです。
虫持ちっぽいな、と思ったら、その人の感情を逆なでしないことをオススメします。
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