よろこび

 

ろこぶと読む漢字には、悦び、喜び、慶び、歓び、いくつかある。

内発的=「歓び」「慶び」「悦び」
外発的=「喜び」

感情的=「喜び」「歓び」「悦び」
理性的=「慶び」


前提あり=「喜び」「歓び」「慶び」
前提無し=「悦び」

 

■喜び
最も一般的な「喜ぶ」という字の語源は、太鼓を打って、歌い踊ることで神の機嫌を良くさせることだそうだ。

 

他者から何らかの物や行為を「与えられてよろこぶ」という外発的な感情を表している。

 

要するに「喜ぶ」には、何かを「頂いた」という前提が必要なのである。

■歓び
「歓」は、古代中国の鳥占いが関係しており、願いが叶った時の感情を表している。

 

つまり「歓」を使うときは、前提として「願望」が無いとならない。

 

「歓び」とは、その「願望」が叶ってうれしいと言う意味なのだ。

■慶び
「慶」は、お祝いの品を持って行くときの明朗な感情を表している。

 

古代中国では鹿の角をお祝いの品にしたらしいが、それを届けようと歩いている時の心が「慶び」なのだそうだ。

 

つまり、この字を使うのはお祝いに限られる。

■悦び
「悦」の語源的な意味は、神がかりして恍惚とすることだそうだ。

 

「悦に入る」という言葉があるが「悦」は心の中におけるよろこびの感情である。

 

従って「悦び」は、何の前提も無く、自分の中から湧き上がるよろこびを表現するときに使う。

 

子どもの時の理由なく楽しい感覚を思い出せば分かり易い。