宮崎駿氏と「侍ジャイアンツ」 | 映画屋のおすすめ 山田秀哉

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独立アニメプロ・東京ムービーが「旧作ルパン三世」とほぼ同じスタッフで制作したのが「侍ジャイアンツ」 

この時の「監督」は、「Aプロダクション演出グループ」という、独立プロが担当していました。

このAプロの中に、東映動画を離れた宮崎駿氏、高畑勲氏等が所属していました。本作もコミックス原作があるのですが、作画監督の大塚康生氏(旧ルパン担当)が、原作とはかなり「絵」の違う作画をしており、東京ムービーが過去に制作した佳作「巨人の星」の「呪縛」から解き放たれ、かなり自由に制作されたテレビアニメでした。

宮崎駿氏も放送回の浅い頃は、自由に演出をしていたのですが、主人公の番場蛮が巨人に入団し、かの有名な「ハイジャンプ魔球」を編み出した回で、演出から手を引いたそうです。マウンドからジャンプして空中から投球する「意味」が見いだせないとの弁だったそうです。

これがルパン三世ならOKだったしょうが、仮にも「野球」という実在するスポーツ内の描写には無理があると、宮崎駿氏は、演出陣から降りたそうです。

「自由奔放」と「荒唐無稽」とは違うもの。と、宮崎駿氏は考え抜いたのでしょうか?