韓国は元祖キムチ王国と自負し、キムチとなれば他に譲ろうとはしない。日本語ではキムチと書くが、韓国語では김치と書く。発音は少し違う。ローマ字にすると、日本のキムチは、ki mu chiに、韓国のそれはKim chiになる。韓国人は、自国の歌手が日本に来てki mu chiといったとして大騒ぎになるほど、kim chiにこだわる。別に何の意味があるのか私には分からない。


日本でもキムチはよく食べられる食品の一つであることは確かである。日本では漬物として年間100万t生産されるが、そのうちキムチが約3割を占めている。キムチは漬物のなかでも最大の品目となっている。


1990年代にキムチの国際規格をめぐって、日本と韓国は世界を舞台に競り合ったことがある。国連のFAO・WHOが共同設立した国際食品規格委員会によって、キムチの国際的な名称はKimchiと表記され、定義、材料、作り方、食味など詳しく決められた。こうして2001年、キムチの国際規格をめぐる議論は決着がついた。


さて、韓国と日本におけるキムチの生産量・消費量はどうなっているのか。2005年前後、韓国のキムチ需要量は140万tから150万tと推定されている。これは、韓国人1人当たり年間消費量(約30kg)に総人口をかけたものである。


一方、日本のキムチ生産量は2004年31万t、2007年24万tとなっている。日本のキムチ消費量は、これに輸入量を合計しなければならない。韓国は3万t前後を輸出しているが、そのうち8割強は日本向けである。したがって、2007年の日本のキムチ消費量は、国内生産量と韓国からの輸入量を合計すれば、26万tから27万t程度と推測される。(もちろん韓国以外の国から輸入したものがあれば、総消費量はさらに増えるが、多くはないと思われる)


このようにしてみると、年間のキムチ消費量は、韓国は140万t、日本は27万tほどで、韓国が日本より5倍も多いことがわかる。一人あたりでは、韓国人は約30kgで、日本人の約2kg強に比べて、10倍以上もキムチを消費していることになる。やはり韓国はキムチの王国といっても言い過ぎではないと思う。


なぜそれほどにキムチを食べるようになったか、不思議に思う。キムチの味、材料、色、栄養、気候風土などが韓国人の生活や気質にぴったりあったということなのだろうか。


地球市民ー平和・環境・教育ー 


(参考)韓国キムチ協会 www.kimchiworld.kr  世界キムチ研究所 www.wkimchi.re.kr

京幾北部市民新聞2010.10.18 www.simin24.com  

品目(生産統計)漬物 www.office1.com