こちらはご存知の国連旗。
国連旗は青地に白で染め抜かれた世界地図を、オリーブの葉で囲むデザインになっています。
今回の注目はその世界地図なのですが、この世界地図、北極を中心としたデザインとなっています。
国連は世界平和を掲げながら、北半球の国々を中心と考えている、そんな誤解があっても仕方のないデザインです。
なぜ国連旗、このようなデザインになったのでしょうか。
ヒントは国連旗が採択された時代背景にあります。
国連旗が採択されたのは第二次世界大戦終了間もない1947年の第2回総会でした。
当時すでに東西冷戦が始まっており、世界地図を平面図で描くと、米ソどちらが大きく見えるか、もめる可能性がありました。
例えば世界地図をメルカトル図法で描いた場合、より高緯度に領土を持つソ連の方が圧倒的に大きく見えることでしょう。
そんなわけで北極から地球を見たときのデザインにすれば、そのような問題もだいぶ緩和されるということで、現在の国連旗のデザインになったといわれています。
円形に描かれた世界地図の上下方向を示す経度線は、本初子午線を配置することにより、反対側には日付変更線が来ることにより、これにより、米ソが東西にバランスよく配置されることになります。
南半球については、南緯60度までをカバーすることにより、南アメリカのアルゼンチン、チリもしっかりと収まります。
国連旗のデザインには東西冷戦に配慮した歴史が刻まれているのです。