羽生選手とデニス・テン選手の騒動について | A skater's soul ~髙橋大輔応援ブログ~

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フィギュアスケーターを愛してます。
中でも、別格なのは ”高橋大輔”

フィギュア世界選手権にコーチとして帯同していた田村岳斗さんのブログより。
こんな収め方の出来る、大人になったヤマトせんせ、素敵o(^-^)o
選手に対する愛情とユーモアが溢れていて。


試合前はいろいろあったようですが、試合後の2人です。
来シーズンに向けて、またスタートです。


そんな2人に、ちゃっかりオレも!



終わったことを蒸し返すのも如何なものかとも思いましたし
当事者のどちらか片方をつるし上げたい訳ではありません。
日本という世界の一部地域に於いて、テン選手に対し「妨害男」という不名誉なレッテルが
張られたままであることを憂えて、この記事を書きます。

今回の「妨害」騒動、カザフスタンの報道機関Kazinformに、カザフスタンスケート連盟からの発表があり、一旦収束した、というところでしょうか。
カザフスケ連は日本スケート連盟から公式に謝罪があった、と述べています。
http://www.inform.kz/eng/article/2888838


騒動内容はご存じのとおり。
デニス・テン選手が羽生選手の練習を「故意」に妨害し羽生選手が激怒した、という事。
この報道が日本を駆け巡り、スケートファンのカテゴリーを大きく超えて、日本国民の中にテン選手に対する偏見が生まれました。
そしてレイシストまでがこの騒動に首を突っ込み、テン選手に対して、出自や所属事務所についてまでヘイトするという異常事態に発展しました。


そもそも、テン選手の行動は「意図的な妨害」と言えるのか。

羽生選手が声を荒げたという練習時の動画は発見できません。
代わりに上っているのは主に前日までに行われた公式練習の動画です。(昨年の映像もあります)
中国の羽生選手ファンが撮影し、羽生選手の主張を代弁する目的で編集されています。

この映像を以て、「事件日」以前からテン選手は羽生選手を妨害している、というところでしょうか。

私が見て、うん、確かにテン選手、近寄りすぎてるかなぁ・・とは思いますが
妨害しているとまでは感じませんでした。
羽生選手を追って撮影しているので、他の選手は当然、突然にフレームインしてきます。
そして羽生選手のすぐ後を追って4回転ジャンプの軌道に入り同じようにジャンプするシーンを「ストーカー」と評しているブログも拝見しましたが、ジャンプの邪魔はしていないと思います。
中国杯の惨事は皆が知るところなので、本人も他の選手も公式・6分間練習は衝突事故についてナーバスになっていると思います。
相手の軌道を遮るようにジャンプのタイミングを計るより
(一番気を遣っているであろう)羽生選手の軌道の後について、同じようにジャンプするのは
衝突を避ける賢いやり方かな?とも思います(ちょっと近すぎますけどね)

他の選手の曲掛けの状態や、もっと全体が分かる引きの映像を見ないとこれだけでは
デニスの傾向は分からないしフェアではないと思いました。

そして当日の様子に関しては
羽生ファンは羽生君の心情に沿った見方をしますし
テンファンはテン君よりの見方をしますし
アンチは対象に対して否定的な見方をするので
贔屓フィルターがかかった判断をしがちです。

こういう時は第三者だったりスケート関係の方の言葉を聞く方が実態が見えたりします。

・羽生選手のコーチはテン選手が不注意だった、としながらも、故意ではないと思うと発言しています。
・テン選手のコーチも故意ではない、と反論しています。(これは当然でしょう)
・佐野稔さんは「それぞれが自分の演技を控えて真剣に集中力を高めているわけで、故意に人の邪魔しようとする選手なんていない。偶然です。」と言っています。
・現地で見ていたスポーツライターの青嶋氏はラジオ番組の電話取材で
「曲かけ選手が優先というルールはあるが、スピンをしている場合は周りが見えないし、物凄くやっていはいけないことかと言われればそうではない。よくあること。 
そこまで大きな声を上げるほどではなかったのでテン選手、他の選手もびっくりした。
わざということは絶対にない」と答えています。
・ICENETWORKが今回の件を記事にし、海外の方が意見交換していますが
テン選手の不注意、無作法を指摘する意見は確かにあり、安全への配慮が足りなかった事実はありそうです。
しかし、プロスケーターの男性は「優先権がある、と言っても明文化されたものではない。皆そんな中でやってきたことだ」と言います。

テン選手は不注意だったが、やはり故意ではない、というところでしょうか。

そしてオーサーコーチが、フェルナンデス選手にも同じようなことがあったが彼はやり過ごした。
彼はゆづほど感情的ではない。
とも言っています。
(逆に言えばゆづは感情的なんだ、と愛弟子を戒めているようにも聞こえます)


そして次の記事では、カザフスタンスケート連盟のタチヤナ・ルシノワ国際部長のコメントが紹介されました。

http://www.inform.kz/rus/article/2889625
画面は多分カザフ語ですが、ロシア語、英語、中国語他複数言語で発信しています。

こちらが英語版
http://m.inform.kz/en/article/2889688

ポイントは
・日本スケート連盟はISUに対していかなるクレームも申し立てないでほしい、と要請してきた。
・スキャンダルにしないでほしい、と求めている。
・オリンピックチャンピオンとは言っても一選手の行動の為に日本と争うつもりはない。
・日本スケート連盟は、その選手に自分の行為を反省するよう最善を尽くしている。

というところです。
(こちらのコメントからは日本スケート連盟が公式に謝罪した、とは読み取れません)

他に日本のスケートファンからのメッセージを紹介していますが
(それはデニスの尊厳を傷つけたことを詫びつつ、かなり辛辣に羽生選手とその妄信的なファンを批判しているので)これをカザフのスケ連関係者が表に出したのは、かなり強硬的な印象です。
日本と良好な関係を維持したいのであればここまで出さないのではないか、と思いますが
デニスのインスタグラムに書き込まれた言われなき誹謗中傷を目にして、腹に据えかねる思いがあったのだと思います。


諸々の情報を集めてみて思ったのは、確かにデニスの不注意な印象はあったようなので
連盟関係者同士での選手に対する注意喚起が先にあれば良かったのではないか、と。
(したのかもしれませんが)
そこに、かなりナーバスな状態にあった羽生選手の心理が勘違いを生み
失言という地雷を踏んでしまった、というところでしょうか。

ただ、「故意に」という発言をマスコミに向かってしたことが
思わぬ方向に波及し、一人の選手とその祖国を酷く貶め、傷つけることになってしまったこと。

これは誰かが謝罪すべきだと思います。


カザフスケ連が世界向けに発したコメントに対し、日本スケ連が沈黙を貫いている事、
ISUに対して苦情の申し立てをしないでほしい、と要請したことから
日本スケ連は羽生選手の行動に非があると認めていると判断できます。

当事者がコメントするのがベストでしょうが、既にスケ連預かりの案件であるならば
日本スケート連盟がマスコミを通して一言発するのが
国際社会で日本スケ連の存在感を尊敬に足るものにできるのではないでしょうか。

それが人の道でもあると思います。


当事者二人も禍根など残したくないでしょう。
お互い自国を代表する人物で、スケート界なんて狭い狭い世界ですから。
そして二人共凹んだことでしょう。




ここから、トップのヤマトせんせの写真に戻るのでした^-^;