アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

帰ってきた!どうぶつ大行進

テーマ: 観シュランガイド2020

先日7月11日に大々的にリニューアルオープンした新生・千葉市美術館。

そのオープニングを飾るのは、

8年前に開催された伝説のコレクション展  “どうぶつ大行進” をバージョンアップさせた展覧会。

その名も、“帰ってきた!どうぶつ大行進” です。

 

(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)

 

 

実は、本来予定されていた企画展は、

新型コロナウィルスの影響により、延期となってしまいました。

しかし、諦めたらそこで、展覧会は終了だよ、とばかりに、

急ピッチで一から準備を進め、この展覧会の開催に漕ぎつけたのだそうです。

柔軟性と企画力、行動力、そして、約10000点のコレクション。

すべてを兼ね備えた千葉市美術館だからこそできた展覧会といえましょう。

 

 

展覧会の冒頭で展示されていたのは、たくさんの鍾馗様。

 

 

 

展示室に入る前に、もちろんアルコール消毒をしますが。

それだけでなく、疫病破邪の力を持つ鍾馗様によって、

新型コロナウィルスを退散させようという狙いがあるようです。

というわけで、身も心もすっかり清めた後に、いよいよ沢山のどうぶつたちが待つ会場へ。

 

出展作は、実に230点以上!

ガッツリとどうぶつが描かれた作品もあれば、

 

 

 

画面のどこかにちょこんと描かれたものまで。

 

 

 

パターンはさまざま。

さらに、肉筆画もあれば、浮世絵や装丁など、ジャンルもさまざま。

まさに、大行進。

パレードのような展覧会です。

 

もちろん量だけで勝負しているわけでなく、質も申し分なし!

伊藤若冲や円山応挙を筆頭に、

 

 

 

葛飾北斎、尾形光琳、狩野探幽、竹久夢二、藤田嗣治、田中一村などなど、

日本美術界のスーパースターたちがどうぶつを描いた名品・珍品が勢ぞろいしています。

 

また、ただ作品を並べているだけでなく、

『あつまれ!どうぶつ大行進』 や 『麒麟はまだか?!』 といったように、

 

 

 

章立てのタイトルがユニークで、遊び心も満載でした。

大人から子供まで、皆が楽しめる展覧会となっています。

 

急遽企画された “場繋ぎ” の展覧会と侮るなかれ!

むしろこの展覧会がリニューアルオープン1発目で良かった。

そう心から思える展覧会でした。




さてさて、オススメしたい作品は多々ありますが、

その中から特に印象に残った作品を厳選してご紹介いたしましょう。

まずは、「象がきた!」 のコーナーから。

 

 

 

こちらには、森一鳳が描いた 《象図屏風》 (写真左) や、

 

 

 

小林清親が描いた珍しい 《象図》 をはじめ、

 

 

 

江戸から明治にかけて、当時まだ珍しかった象を主題にした作品がいくつも紹介されていましたが。

その中でもとりわけインパクトが強かったのが、

歌川国芳の弟子にあたる落合芳幾が描いた 《写真鏡 大象図》 です。

 

 

 

ダースベイダーじゃん!!

 

何を見て描いたら、こんな風になるんだよ。

しかも、鼻の先をよく見てみると・・・・・

 

 

 

鼻の穴が、なんと4つもあります。

レンコンと同じシステムだと勘違いしていたのでしょうか。

そりゃ左の男も驚くわ・・・・・な1枚です。

 

 

続いて紹介したいのは、ベルギーの詩人エミール・ヴェルハーレンによる 『日本の印象』 (画:鈴木華邨)

そこに描かれていたのは、なかなかに衝撃的な光景でした。

 

 

 

1匹のミミズを奪い合うスズメたち。

ここに描かれているスズメたちは、可愛さの欠片もありませんでした。

生まれてからこの方ずっと日本に住んでいますが、一度もこんな光景を見たことなし。

スズメがミミズの争奪戦を繰り広げる様が、

ベルギーの詩人にとっての日本の印象だなんて・・・・・・。

いや、もしかしたら、スズメは日本人の比喩なのかも。

数少ないマスクやトイレットペーパーに群がる日本人。

実は本質を突いているのかもしれませんね。

 

可愛さの欠片もないといえば、渡辺小華の 《牡丹花下戯猫之図》 も。

 

 

 

これまで猫が描かれた絵を数多く観てきましたが、

この作品に描かれた猫は、群を抜いて可愛くないです (笑)

「可愛く描けないなら、描くなよ!」 と、説教すらしたくなりました。

 

 

今回の展覧会で、個人的に最も興味を惹かれたのは、明治時代の教材。

ツッコミどころ満載で、これだけでお腹いっぱいになってしまったほどです。

例えば、《流行英語尽し》

 

 

 

だいたいの訳は合っていたのですが。

『Refreshing』 が 『涼み』 だったり、

『Writing』 が 『ちょっと一筆』 だったり、『Song』 が 『浄瑠璃』 だったり。

訳のクセがスゴかったです。

 

 

それから何より衝撃的だったのが、

明治時代の小学生たちが実際に学んでいたという教育掛図。

 

 

 

向かって右の図では、「イ」 と 「井 (ヰ)」 「ヒ」 、

「エ」 と 「ヱ」、「へ」 の使い分けを紹介しています。

 

 

 

糸は 「イ」、井戸は 「井 (ヰ)」。

犬は  「イ」、イノシシは 「井 (ヰ)」。

イカリは  「イ」、イモリは 「井 (ヰ)」。

・・・・・・・・・・・・ルールがまったくわかりません (汗)

あるなしクイズか!

そもそも、小学生に『燭臺』 や  『蠑螈』 という漢字を読ませようとするところからしてスパルタ。

明治時代の小学生の学力や恐るべしです。





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