以下、マクロビ・ビーガン食で、お子さんを生まれたときから20歳まで育てたアメリカ在住日本人女性と、南天とのメールのやりとりです。お子さんの名前をAくん、女性をBさんとします。
私の下世話な質問から始まります。


南天

「息子さんのA君は、子どもの頃、お友達がハンバーガーやお肉料理を食べるのをどう思っていたのでしょうか?お食事に招かれたりお友達とパーティのときとか、食べるものについてどう感じていたのでしょうか?差し支えなければ教えていただけますか?日本の一般的な男の子とあんまり違うので、興味を持ってしまいました。」


Bさん

そうですね。 環境が大違いと言うのが有りますが...。  ビーガン天国台湾で育ったので、どこのレストラン、結婚式、友人宅、お祭りに行っても素食と言えばサッと用意され、また仏教の背景が強いため、肉食の人でも「素食ができるってうらやましい、えらいね、自分はなかなか止められないんだよ」と敬意を示してくれる人がほとんどでした。 一般食の人も新月と満月は素食、身内がなくなってから一週間は素食、太陽の出ていない間は素食、などと、スタイルがあれこれありました。

一方、学校は台北アメリカンスクールで、エコ、ベジタリアンの週、果物を推奨する週、一食抜いてその分のお金を恵まれない人に募金する日、などがあったり、学校の先生と生徒にベジタリアンが多かったのでカフェテリアには玄米、野菜、ベジバーガーなど選択は多かったのです。 息子は毎日お弁当を持っていってましたが。

日本に帰ってからも学校は大阪インターナショナルスクールで、理解は簡単に得られました。 でも食堂は全くの日本風で、食べられるものは梅干のおにぎりくらいしか有りませんでしたよ。 この間もずっとお弁当。 

ボストンではホームスクーリングなので似たようなベジタリアンがとても多く、外食も大抵どこでも何か食べれたりします。

高校は州立高校で、Aの人生の中で一番ひどいカフェテリアを体験。 一切手を出さずでずっとお弁当。 この頃はとても美意識が高く、誰よりも綺麗な肌と髪と体形を維持したかったのです。 マクロビオティックで育っているので何でニキビが出る、何で身体がどうなると、もう大体頭に入っていたので、最低限動物食には手を出したくなかったそうです。


環境はこんな感じですが、一番大きなポイントは!
息子が物怖じせず人見知りも全くなく、中立な立場でとにかくどこへ行っても友達が大勢できる性格でした。 高校でも生徒会長になったり、サッカー部のキャプテンになったり、幼い頃も中心人物だったりリーダー的存在でした。  

なので常に周囲が彼に合わせてまで食事を手配してくれたり、作ってくれたり、彼にパーティー食のメニュー(雑食とビーガン)を構成させたりしていました。

Aは大多数である雑食の人と、徹底的に分け隔てなく付き合い、なつき・なつかれ・しながら自分のスタイルを曲げずにやってこれたのです。

有名人や人気者になると周囲が認めてくれる。 この哲学?がAの中ではとても速い頃から無意識に成り立っていたようです。 


面倒な場面や人に出くわしたときは、潔く一食抜いて帰ってきたり。 それでもベジタリアンやビーガンであることが彼にとっては優先順位の上位に入っているらしいのです。 


長々と書きましたが。
周囲の理解
菜食がどんな場面でも常に手に入った
本人が生き物を食べたくなかった
リーダーシップ・権力・人気
人と(食)を無視して普通に付き合う


妹とは随分違う性格なんです。

息子もFBにいます。 Aで、フォトの2000年頃をクリックすると、大勢の友人達と常にいる本人が載っています。

南天

「Aくんの食生活について教えてくださってどうもありがとうございました。「環境がよかった」と仰っていますが、やはり息子さん本人の資質や性格、才能がものをいっているのですね。これが日本の給食で「自分はビーガンだから卵・乳製品・お肉食べない。お弁当だけを食べる」と宣言したら、かなり目立ちます。先生もビーガンの知識なんかろくにないですから・・・。先進国の人口のせめて半分でも、Aくんのようなやさしさを食生活に反映してくれたら、世の中の問題がずいぶん減るのではないかと思います。

これは私見ですが、もう先進国は、知識人やネット庶民などが知恵を出し合って世の中をよくしていける、どうこうできるレベルではないようにおもいます。

国会「紫陽花革命」デモなんて、もてはやされていますが、参加者は帰りにマックやケンタで工場畜産の産物を頬張り、「政府はひどい、自分たちは英雄だ」と陶酔しているのでしょうか。そうなら気持ち悪いです。実験動物たちの福祉や、毎日食べている畜産動物の福祉はどうでもいい、あれは弱い動物だから、でも原発は許せない、だって人間様に被害を及ぼすんだから、なんて、私には理解できないです。

罪のない弱い動物たちを踏みにじって当たり前と思っている人間たち、自分たちより強いものに踏みにじられるのも覚悟したら?って思います。

畜産動物や実験動物の苦しみを思うと、やはり先進国なんか滅亡してしまったほうがよいのではとさえ思います。

自分が人を苛めるのはいい、だけど苛められるのは許せないといっているのと同じです。

カミサマか自然か、宇宙かわからないけれど、人間の横暴を上から眺めている「誰か」は、数え切れないくらいたくさんの、罪のないかわいそうな動物たちの苦しみを見て、先進国の人間たちを自滅に追いやってやろうと決心しているのではないかと思います。

知恵を出し合う余地なんてないと思う、と先にも書きましたが、いま地球上で一番頭がよく、努力家で、勤勉で、社交的で、政治のプロで、最も大きな権力を持った人は誰かといえば、アメリカの大統領ではないかと思います。あれだけの能力をもってしても、「原発肯定推進」「東京駐在アメリカ人ビジネスマンを異動させるな」「TPPで日本の医療保険制度を破壊し、食い物にする」「オスプレイを配備させろ」「モンサントのGM作物を流通させろ」と、この有様です。あれほど優秀で、善意もありそうなひとが、実務に即したら、こうするしかないというのです。

先進国が滅亡に向かっている理由は、私は無数の動物たちの苦しみを踏みにじってきた報いだと思っています。知識人たちの頭ではもう解決できないレベルだと思います。

A君のような思いやりのある人間を増やすことだけが、救い・希望になるのではないかと思えてなりません。」


Bさん

日本の給食、今となっては有難迷惑な質と仕組みですね。 戦後しばらくは確かに必要だったでしょうけど。

先々週一杯、NYのはずれでマクロビオティック・カンファレンスという夏の一週間集中クラスが行われました。  私は参加しませんでしたが、友人は数人参加し、お土産話を持ち帰ってきてくれました。

86歳くらいになるクシ・ミチオ先生が何百人もの人々を目の前におっしゃったことは「(要訳すると)人間がいつまでも奴隷以下に扱われ、惨い殺され方をしている動物性の食品を食べ続けている間は、この世に平和なんて来ない。 それらのエネルギーを体内に摂り入れ続ける人間に喜びや幸せや愛や尊重などが巡って来るはずが無い。」   と。

私達は負のピンポン現象を続けています。 南天さんの仰るとおりです。 日月神事の訴えている通りです。 クシ先生の静かなる叫び通りです。 間違いないと私も思っています。 

未来あるはずの子供が二人もいて、自分なりに親としてベストを尽くして育ててきたし、子供達も心からこのビーガン/マクロビオティックの食生活をなんて平和な考えだろうと同調し続けながら今に至るので、本当に悔しいです。 私は生まれてから21年間雑食をしてきたし知らずに沢山の命を踏みにじってきたので、私がツケを払うのなら仕方の無いことです。 でも自然の摂理に沿って生きてきた動物達や、AやAの妹のような食生活の子供達が少数派とは言え大勢います。 このツケがこんな純粋な動物と子達に及ぶなんて後悔し切れません。  (この部分は完全に私の”我”です)


短期間で地球上の大勢がビーガンに変わるなんて不可能に近いですが、それでも一人一人に愛情を持って前向きな想いを発し続け、なるべく大勢の人に届くよう、その姿勢で居ます。  罪を憎んで人を憎まず。私にそれができるでしょうか。 してみるしか無いですね。


この原発問題で突然菜食生活が雑食生活より、放射能から身体を守りやすいと噂が出始めました。 この際何でもいいので大勢の方に「動物性抜き食生活」を実行してみてもらいたいものです。

ふと憑き物が取れたように何かが変わっていくでしょうか。 私はそうでした。 先ずマクロビオティックに変わった時点で正反対にまで変わりました。  

ということで、MIXIメッセージの方で数人の方から菜食と放射能についての質問を受けているので、愛を込めて頑張って伝えてきます。


南天

「雑食・肉食の人たちを憎むのではなくそれでも一人一人に愛情を持って前向きな想いを発し続け、なるべく大勢の人に届くよう、その姿勢で居ます。  罪を憎んで人を憎まず。」
とありましたが、ほんとうにそのとおりですね。

私は動物サイドの情報に接していることが多かったこともあり、先進国の強欲な人間VSかわいそうな罪のない動物たち、という構図を作ってしまいがちです。ひとさまに自分の考え方を話してみるのって、大事だと思いました。自分ひとりで考えていると、偏ってくるみたいです。偏りを正していただいてどうもありがとうございます。m(_ _)m

肉食の人でも、社交界なら慈善パーティは常識ですし、日本では先年「タイガーマスク現象」などということもありました。

人のよいところを見ていく義務があると思いました。

かれらが地球の大迷惑、地球のエナジーバンパイア、地球の鬱の原因であることに変わりはないのだとしても。

よいところを見て関わっていかなくてはいけないのですね。

放射能防御のために菜食が広まる流れ、初めて知りました。それは不幸中の幸いですね。

Bさんの愛ある返信で、一人でも多くの人が動物たちや、飢餓のかたがたへの思いやりに目覚めてくれることと確信しています。


参考

マクロビオティックhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF
玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とし、独自の陰陽論を元に食材や調理法のバランスを考える食事法である。
おおむね以下のような食事法を共通の特徴とする[7]。


玄米
玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とする。
野菜、穀物、豆類などの農産物、海草類を食べる。有機農産物や自然農法による食品が望ましい。
なるべく近隣の地域で収穫された、季節ごとの食べものを食べるのが望ましい。
砂糖を使用しない。甘味は米飴・甘酒・甜菜糖・メープルシロップなどで代用する。
鰹節や煮干しなど魚の出汁、うま味調味料は使用しない。出汁としては、主に昆布や椎茸を用いる。
なるべく天然由来の食品添加物を用いる。塩はにがりを含んだ自然塩を用いる。
肉類や卵、乳製品は用いない。ただし、卵は病気回復に使用する場合もある。
厳格性を追求しない場合には、白身の魚や、人の手で捕れる程度の小魚は、少量は食べてよいとする場合もある。
皮や根も捨てずに用いて、一つの食品は丸ごと摂取することが望ましい。
食品のアクも取り除かない。
コーヒーは身体を冷やすので避ける。


ヴィーガンhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0
ヴィーガン (Vegan) 純粋菜食者 完全菜食主義者
倫理的、環境的な理由で 乳製品、蜂蜜等も含む動物性の食品を一切摂らず、革、ウール製品、そして娯楽等食用以外の動物の使用も排除する哲学、人々。
ダイエタリー・ヴィーガン (Dietary Vegan)
ヴィーガンと同様に、植物性食品の食事をするが、食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。日本語の菜食主義者のイメージは、むしろダイエタリー・ヴィーガンに近いと思われる。