放送があると観てしまう、興味が尽きないが不可知なテーマ(苦笑)

 

5/8(日)23:30~24:00 NHK-E 「サイエンスZERO選」の「宇宙の果て」。

 

「サイエンスZERO」#521「徹底解説!"宇宙の果て"に迫る!」


初放送: 2015/10/18(日)23:30~24:00


 

私の関連ブログ
NHK-BSプレミアム「コズミックフロント☆NEXT」#10「宇宙の果てのミステリー」(2015/06/25放送)

 

 

出演:竹内薫、南沢奈央
ゲスト: 松原隆彦 (名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構准教授)
語り: 筒井亮太郎

 


“宇宙の果て”は一体どうなっているのか?
アインシュタイン「始まりも終わりもない。果てもない」(定常宇宙)というのは誤りのようだ。

そこには壁があるのか?行き止まりか?はたまた無限に続いているのか?
最新観測と理論から、この究極の答えに挑む研究が進められている。

 


宇宙の果てを解き明かすためのキーワードは“三角形”。宇宙に三角形を描くことで、宇宙の果てを知ることができる。
そこから見えて来た驚きの宇宙の果てとは? 
宇宙大好き竹内薫による徹底解説で、想像を超えた宇宙の果てに迫る。
宇宙の果ての向こうにも宇宙がある!?
研究者でも“無限”はイメージできない。
空間膨張=レーズンパン?
松原隆彦准教授が、難解な宇宙論を分かり易い例え話を交えて解説する。

 

 

*

 

 

■ 観測で分かった宇宙の果て

 

 

国立天文台では宇宙の果てに迫るコンピュータープログラム「Mitaka」が開発された。
Mitakaにはこれまで観測で明らかになった宇宙の全てがプログラムされている。
太陽系⇒銀河系⇒銀河系の果て⇒どんどん先へ行く⇒別の銀河の集まり⇒観測の限界の宇宙に辿り着く。
現在観測されている中で最も遠い天体は「EGSY8p7」。光の速さで132億年もかかるほど離れた場所にある。

 


この先、観測技術が進歩すると私たちはどこまで遠くの宇宙を見ることができるのだろうか?

私たちが現在観測できる宇宙には限界がある。

 

 

 

(宇宙誕生の38万年後の光源の位置は、現在地球が在る場所を中心とした半径4300万光年の球の表面に在った。)

 


宇宙が誕生したのは138 (137.98±0.37) 億年前。ビッグバンが起こった。その後、宇宙は138億年かけて今の姿になっている。
ということは地球から観測できる最も遠い光は138億年かけて地球に届いた光ということになる。それ以上先は決して観測することはできない。

しかし138億年かけて届いた星の光は、地球から138億光年の場所にあるわけではない。宇宙は膨張し続けているからだ。
138億年かけて届いた光を発した天体は今、地球から何光年の場所にあるのだろうか?

 


宇宙は膨張し続けているため、

遠くの銀河が発した光が地球に届くまでの間に銀河と地球の間の宇宙空間自体が広がっている。
そのため計算によれば光が地球に届くまでにその天体はさらに遠ざかり、今では地球から半径470億光年の距離にある。
地球から観測可能な宇宙は半径470億光年の範囲。

 

 

その果てはどうなっている?
別の多くの宇宙??ユニバース⇒マルチバース⇒メタバース⇒ゼノバース⇒オムニバース。

 

 

*

 

 

■ 観測できない宇宙の果てに挑む

 

 

観測できない宇宙の果てに迫ろうとしているのがマサチューセッツ工科大学(MIT)のマックス・テグマーク教授。
宇宙の果てはどうなっているのか?

 


テグマーク教授は量子力学の観測ではなく、数学を用いた。
注目したのはビッグバンの直前に起こったとされる空間の急膨張「インフレーション」と呼ばれる現象。インフレーション理論によれば宇宙が誕生したとき空間は光より速い速度で急速に広がった。
地球から観測可能な宇宙とは地球に光が届く範囲、つまり地球から比較的近い範囲。

その後も宇宙は膨張し続けた。

現在ではその大きさは470億光年止まり。470億光年の範囲は宇宙全体から見れば極一部に過ぎない。

 

 

しかしビッグバンという「始まり」があったなら、「終わり」もあるに違いない。

この理論をもとにテグマークさんは観測可能な宇宙の外側の姿を導き出した。
観測可能な宇宙の先にもずっと宇宙が続いている。

 


宇宙の果てを知るためのキーワードは・・・三角形!三角形は測量でもよく使われる。
たった3種類の三角形を考えるだけで、宇宙の果てがどうなっているのか、手がかりがが分かる。
空間の歪みを3次元で現したバーチャルスタジオ。地球上に描いた三角形。
①三角形の内角の和が180度の場合・・・歪みなし(直線形=平面形)。果てなし。ボールを投げると返って来ない。
②三角形の内角の和が180度より大きい場合・・・歪みあり(凸形=球形)。果てあり。ボールを投げると返って来る。
③三角形の内角の和が180度より小さい場合・・・歪みあり(凹形)。果てなし。ボールを投げると返って来ない。

 

 

(左から②①③)

 

 

観測に戻って、地球から観測可能な最も遠い電波「宇宙背景放射」
温度差1/10万の斑(ムラ)の観測可能。この温度のムラと地球とを結んで三角形を作ることができる。
どの三角形もほぼ180度。限りなく空間には歪みがほとんどない。ということは果てはない??

 

 

一方、宇宙をとても広い視野で見てみると、空間の歪み方がバラバラで、均一なところがないデコボコした構造をしている。
この宇宙の果てとは?! 宇宙空間はなぜ歪(ゆが)んでいる?

 


スタンフォード大学のアンドレイ・リンデ教授は宇宙が急激に膨張する前の小さな状態の宇宙に注目した。
そのミクロの世界ではどんな物質も絶えず波のように動き続けている。「量子揺らぎ」と呼ばれる現象。
そのため急膨張する前の小さな宇宙は物質が均一ではなかった。
宇宙を2次元の平面に見立ててシミュレーションした。

インフレーションの急膨張は一箇所ではなく宇宙全体で見ると沢山の場所で起こる。
その結果、空間が膨張した所とそうでない所が現れた、デコボコの宇宙ができたのだ。

宇宙の果ては、重力が弱すぎガスだけの所~重力が強すぎブラックホールの所など。
平坦部なら生命が住める可能性があるのだが・・・。