目黒条のブログ

So Beautiful

テーマ: 演劇
元気のない人がもしいたら、元気な人のパワーをもらいに、帝国劇場に来ればいいんです!
 
ミュージカル『ビューティフル』カンパニーは、キャロル役の「日本の二大ディーバ(©️マルシー目黒条。というかプログラムに書いた言葉をまた繰り返しているのですが。)」をはじめ、みんながパワーにあふれています。
 
ダブルキャストのツイン歌姫、水樹奈々さんも平原綾香さんも、どちらも、お稽古場で普通にお話しすると「美しく可憐に咲いた一輪の花」のような、むしろ繊細なたたずまい。なのに、舞台では「あの繊細な存在の、どこにこんなパワーが?!」と驚愕するような圧倒的歌唱で、二千人近い人々をバーン!と元気にしてくれます。
 
今日はまた平原さんキャロルを拝見しました。感動、感動、感動!
平原さんはイメージが私の中で「ダイアナ妃」。人々の心を歌で癒し、チャリティ活動もなさっている、そのお人柄が演技にもにじみ出ています。今日拝見していて、キャロルの歌を聴きながら何度も涙腺が決壊。平原さんの歌で、湯川先生の訳詞の言葉がひとつひとつ立ち上がり、キラキラ輝き、音楽が「キャロルの人生色」に染まっていく…。天才、平原さん。(天は二物を与えた!)そうか、彼女の歌をずーっと聴いていたら、決して落ち込んだりめげたりしないだろう! 一生にわたってハッピーでいられるんだ!  そう思いました。
 
いっぽう、水樹さんの「守ってあげたい妹」のようなキュンとくる、そしてだんだんに強く大きく羽ばたいていくキャロルも、ものすごく素晴らしいんです!(満場の水樹さんファンの皆さんのお気持ちがとてもよくわかります! 本当、全力で応援したくなりますよね!)
水樹さんの真面目なお人柄が、まさにそのままキャロルの真面目さと共通しているし、才能あふれる可愛い少女が、いろいろ乗り越えビッグになった、というサクセス・ストーリーを水樹さんが自らも体現しておられるような、ミラクル的存在感で、夢中にさせます。水樹さんの演技も、感涙必至です。
 
(以下の文、だんだんにネタばらし気味になってきますので、未見の方は要注意でお願いします。)
 
キャロルのパートナーのジェリー・ゴフィン役は、伊礼彼方さん。伊礼さんはジェントルマンでみんなに優しい方です。しかし今回の役柄は! 「なんだこいつ!」と憎まれかねない危うさを持っている作詞家。でもこのジェリーを、伊礼さんは深く掘り下げて演じておられるので、もともと機能不全家族で育った「普通の人」だったという人物像が明確に浮き彫りになっています。浅く演じてしまったら類型的になるところを、とても丁寧に役作りされていて、実に見事です。「ちょい悪」っぽさは、ジェリーが普通の人だからこそ必要とした「鎧」あるいは「偽装」のようなものだったのかも、と伊礼さんのジェリーを拝見して発見しました。
(ジェリーは自分たちのジャンルがメジャーなポップスなのに、カウンター・カルチャー(対抗する反抗の文化)の時代が来たことで、ひどく焦っていたんだと思います…。)
 
キャロルもジェリーも、機能不全家族で育った庶民派の「普通の人」。そして、どちらも常識人なのだと思います。だから、ヒット・メイカーとして売れてしまうと、ヒット曲を作り続けるプレッシャーに悩む…。
 
しかし、もう一方のソングライター・カップル、バリー・マンとシンシア・ワイルの方はーーバリーは若干クレイジーだし、シンシアは自信まんまんで威勢がよくてパワーの塊、と一種エキセントリックな人同士。
生き馬の目を抜く音楽ビジネスの世界で悩まずやっていくには、このくらい「普通じゃない」感じでちょうどよくやれるのかも、ということを見せてくれる個性的カップルです。
 
バリー・マン役は中川晃教さん。ちょっと変わり者だけれど、そのクレージネスが魅力になっている、という実は難しい役を、中川さんが、もう生まれつきバリーだったかのようにいきいきと演じておられます。今年2月の読売演劇大賞のとき、他の受賞作の関係者として授賞式会場の片隅にいた私は、最優秀男優賞を受賞された中川さんの歌を夢見心地で聴きながら、『ビューティフル』でご一緒できる日が本当に来るのか…と夢のように思っておりました。でも夢じゃなかった! 中川さんの歌は、帝劇の天井を吹き飛ばしそうな勢いです!ワーオ! 
 
バリーのパートナーのシンシア役は、元気・セクシー・歌うま爆弾とでも言うべき、ソニンさん。凄い勢いで登場して爆発的に歌いだしてしまう、日本版シンシアのインパクトは、きっと世界一なのではないかと思っています。爆発的でありながら決して暑苦しくなく、歯切れよく涼しい顔した、ソニンさんのノンシャランなシンシアが私は大好き! 元気をいただけて、「なんか私も頑張るぞ!」と思えてしまいます。 
昔、「飛んでる女」なんて言葉が流行して、それは古い価値観を飛び越えて自由奔放に生きる自立した女性のことだったんだけれど、シンシアはまさに当時最先端の「飛んでる女」。キャロルの母親ジニーも実はシンシアみたいな人を目指していたんだと思います。
 
音楽プロデューサーのドニー・カーシュナー役は武田真治さん。台本を翻訳している時点で私が思い描いていたドニーより、武田さんの演じるドニーはずっと魅力的でした。辣腕プロデューサーらしい「怖さ」もありながら、愛ある優しい面が強調される武田さんのドニーに、さすが!と感服。
その演技を見ていて気づいたのが、お父さんがいなくなった離婚家庭の子であるキャロルに「父性愛」を注いであげたのがドニーなんだ、ということでした。厳しい音楽ビジネスの中にもこんな素敵な心からの愛があったとは、感動的です。
 
そして、離婚して女手ひとつで娘を育てたキャロルの母親ジニー。美しき大スター、剣 幸さんが演じておられます。似た立場(バツいち&娘あり。うちの娘も偶然にして登場時のキャロルと同じ16歳!)の私には個人的思い入れ度ナンバーワンのキャラクターです。
28歳のキャロルを励ます時の剣さんの演技が、毎回泣けてしまいます!
ジニーが芸術志向のある人だったからこそキャロル・キングがロックの殿堂入りするアーティストになったわけで、大変重要な存在です。ただの「普通のお母さん」ではない陰影を剣さんが表現なさっていることで、いろいろなことを考えさせられます。例えば「母親が反面教師だった場合、娘はどうなるか?」等。
 
長くなってしまいましたが、『ビューティフル』についてはまだまだ言いたいことがたくさんあります。続きは次回!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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